アニメ批評のエクソダス・プレスリリース | 知のコラボレーション2.0

アニメ批評のエクソダス・プレスリリース

プレスリリース
2008年6月17日

季報『唯物論研究』刊行会

季報『唯物論研究』104号

特集「アニメ批評のエクソダス」

刊行のお知らせ

季報『唯物論研究』刊行会(所在地:大阪府豊中市、代表:山本晴義、編集長:田畑稔)は、2008年6月、季報『唯物論研究』104号、特集「アニメ批評のエクソダス」(責任編集:倉橋克禎+塩沢由典)を刊行いたしますので、以下にご報告いたします。

季報『唯物論研究』は昨年、刊行から27年を迎え、学術誌として100号を超えることができました。そこで、これまで以上に現代社会の課題に取り組むことを目標とし、今回、若い執筆陣を中心に、「アニメ批評とは何か」という問題意識から、特集「アニメ批評のエクソダス」を世に問うことにしました。

昨今、アニメ作品の年間製作本数は二百を超え、市場に商品が氾濫する一方で、アニメに対する宣伝こそあれ、批評というものはほとんどなされていません。宣伝に成功した作品だけが売れ、良き作品は一部で話題になるだけで消えていきます。良き作品が評価されなければ、アニメ業界はこれより後しぼんでゆくばかりでしょう。

今特集は、そのような状況を打破すべく、アニメ批評を始めるための準備として、まだ生まれていない「アニメ批評そのもの」を問うものとなっています。「エヴァ以後」をひとつの参照枠として、この十年のアニメ言説を捉えるため、アニメーション演出家の山本寛氏と現代娯楽文化評論家の更科修一郎氏を迎え、これまでのアニメ言説について検討を行い、なおかつ文化研究の清水知子氏や作編曲家の高山博氏をはじめとした諸氏には、新しいアニメ批評への挑戦を行っていただきました。

アニメの未来を見据えた、アニメ批評の序章となる一冊です。

【特集目次】

・アニメ批評のエクソダスに向けて

・アニメ批評家はまだ生まれていない――山本寛インタビュー

・ぼくとセカイのはじまるところ/大久保ゆう

・アニメ批評宣言に向けて――時間の縮減の弁証法について/倉橋克禎

・トランス・ジャンル・クリティークに向けて/塩沢由典

・ナチュラリストと〈漫画映画〉の時代――動物をめぐるトランスナショナルな想像力/清水知子

・消費環境整備としての批評――ジャンルの最適化を抑止する批評の不可能性/更科修一郎

・僕と君と美しきセカイ――アニメ主題歌批評試論/高山博

・現代社会を反映するアニメ――“00”年代に求められる《自己変革-教育》/山本貴之

・レポート:CGアニメーションの現状と将来の可能性/沖本真也

・萌えないゴミと萌えるゴミ――二〇〇七年のアニメ周辺を振り返る/十河にえ

・巻末:まっすぐな語りはどこにあるのか――アニメ批評地図

【書籍データ】

 A5判

 240ページ(特集:175ページ)

 価格:1,200円(+送料)

 ISSN 0285-2993

【購入方法】

 店頭販売では、以下の書店が取り扱いを予定しています。

 ・模索舎(東京都新宿区)

 ・京都大学生協BOOKSセンタールネ(京都府左京区)

 また、6月23日(月)より、以下のネット書店でも取り扱いを予定しています。

 ・libroria.net(http://www.libroria.net/)

 ※一般向けの販売部数は、1000部を予定しています。

【お問い合わせ】

 季報『唯物論研究』104号 ネット販売係(大久保)

 http://d.hatena.ne.jp/bs221b/20080617

 bs_221b-lj☆infoseek.jp

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