いつの間にか身体中を走り回ってた感覚がなくなってる
焼けるみたいな息苦しさも
引き裂かれるみたいな激しい痛みも
全部全部、なくなってた
「ザックス…」
雨音に掻き消されそうな小さな声が名前を呼ぶ
凄く掠れてて弱々しいけどちゃんと聞こえる
ぼやけて上手く見えないけどすぐ傍に居るのはわかるよ
なんか、ほっとした
ゆるりと頭をもたげたクラウドの顔は相変わらす白い気がする
まだ意識もはっきりしてないみたいでふらついてる
這ってきたみたいだけど怪我はないみたい
魔晄のせいで変わっちまった瞳が揺れてるように見えて腕を伸ばした
本当は頭、撫でてやりたいんだけど
感覚が無くなってきてるせいで上手くいかない
引き寄せたせいで体勢を崩させちまった
俺の上に重なるみたいに乗っかたクラウドの髪や頬が赤く染まる
綺麗な顔を汚したのは俺の血
雨と泥と混じってぐちゃぐちゃになったソレが目に滲みる
「…ザックス、」
繰り返し呼ばれてなんだか変な気分になる
やっと聞けた4年ぶりのクラウドの声
嬉しい けど 悲しい
もうお前の顔も見えないし
声も上手く聞き取れない
自分が何を言ってんのか、何を伝えたいのか
それさえわからなくなる
まっしろになって、きえてく
「おれの、ぶんまで…」
もう一度握り締めたバスターソードに夢と誇りと、言葉にできない想いを全部載せて
俺は、親友に全てを渡した



やっとお前と話せたのに、
もう言葉が出てこないんだ…


世の中ザックスを右側にすると大概左側は英雄様なんですよね?いや、わからなくもないんだ。CCやってっと超優しいから。一見堅物なのにあれは反則。でもなーあまりカプとしてとれないんだよな?某方の書く話は大好物だが←
カンザク良いと思うんだがなぁ。(×じゃなくて+で構わないよ)たとえ凡庸な一般兵Aだとしても。顔も設定されてないモブだとしても。彼の存在はシスネ並にザックスを支えてたと思う。メールの端々見えるカンセルの優しさが凄い好きだ。戦争の真っ只中なのに馬鹿話ができる2人が年相応でソルジャーだってた兵器じゃないって、普通の青年だって感じることができる。カンザク2ndコンビが大好きだ、と言わずにいられなかった自分なのでした。
「オレ、こんなちっさかったんだ?」
歩道橋に付けたキズを撫でると口元が歪んだ
確かこれって目線の高さでつけたんだ
屈んで目線を落としてみると結構中腰
思ったより背は伸びてたらしい
最後にこの道を通ったのは通学路の変更前だから10年以上経ってる
くるりと回れ右してまた歩き出す
1歩ずつ足を進めて瞳に映して
絶対に迷うことはないって自信はある
だってよく知ってる
毎日通った道なんだから
地図は頭の中にある

進めば進む程更新される景色
新しい家見慣れない表札
目的地周辺で立ち止まる
まるでカーナビみたいな自分の行動
ここはまだ違う
『ここ』じゃないんだ
だって知らないものばかり
あれがないあれもないあれも…
…あれ?

辿り着いたのは公園
綺麗に塗装されたブランコに腰掛けて
「何処に行きたかったんだっけ…」
1人ごちて軽く揺する
キィキィと錆びた音
あの頃と変わらない響きが耳に残った




思い出探し。