「オレ、こんなちっさかったんだ?」
歩道橋に付けたキズを撫でると口元が歪んだ
確かこれって目線の高さでつけたんだ
屈んで目線を落としてみると結構中腰
思ったより背は伸びてたらしい
最後にこの道を通ったのは通学路の変更前だから10年以上経ってる
くるりと回れ右してまた歩き出す
1歩ずつ足を進めて瞳に映して
絶対に迷うことはないって自信はある
だってよく知ってる
毎日通った道なんだから
地図は頭の中にある

進めば進む程更新される景色
新しい家見慣れない表札
目的地周辺で立ち止まる
まるでカーナビみたいな自分の行動
ここはまだ違う
『ここ』じゃないんだ
だって知らないものばかり
あれがないあれもないあれも…
…あれ?

辿り着いたのは公園
綺麗に塗装されたブランコに腰掛けて
「何処に行きたかったんだっけ…」
1人ごちて軽く揺する
キィキィと錆びた音
あの頃と変わらない響きが耳に残った




思い出探し。