目を閉じると込み上げてくる『これ』は何だろう
嬉しかった
悲しかった
楽しかった
寂しかった
みんなからしたら何の変哲もないありふれた風景かもしれない
慌ただしく走り回った任務も
ご褒美って差し出された氷菓子の甘さも
眺めた夕日の眩しい朱も
初めての休暇も
全てがキラキラ輝いていた
大切な大切な私の宝物
そっと胸の奥にしまって抱き締める
私の欠片達がざわつくのがわかるから
もう時間がないみたい
「忘れないよ」
顔を上げれば彼の不安そうな瞳が揺れている
どうか悲しまないで
アナタに笑っていてほしい
どうか恐れないで
お別れなんかじゃないから
これがきっと最後になる
ぎゅって強く握った剣が重いけど
流れてくる熱さは気持ち良い
彼に全て返さなきゃ
私は彼にかえらなきゃ
視界がぼやけるのはきっと
黄昏の眩しさのせい