なぁ、知ってたか?
人間ってさ、
ドキドキしすぎると逆に
心臓の音なんて聞こえなくなるんだぜ?

へーぇ

得意気に笑って言う
対照的に冷めた声で返される相槌
何だか悔しくてちょっと寂しくて
せめて自分を見てほしくて必死に言葉を続けても
反応に変化はみられない
一人相撲に疲労感を覚えて肩を落とした彼は知らない
いつだって、何に対してだって一生懸命な彼を見る蒼に滲む想いを
彼が話すそれを相手はずっと前から知っていることを

それを教えてくれたのは
気付かせてくれたのは
他の誰でもなく
お互いだということも
彼はまだ知らない