一度は手放した
未練なんて感じる間もなく
抗えない圧倒的な力を前に
俺は生涯の幕を引かれた

それがどうしてか
まだ息をしている
無機物の心音を胸中に響かせ
一人生き長らえた
拾われたのだ
道具として利用される為に

やがて心は錆び付き始め
感覚も失われていった
もう俺は何も持ってはいない
奪われることを恐れることもないと思っていた

『思っていた』、
深い闇の化身と出会うまでは