しばらく、動けなかった。

思考停止。

 

後ろに立つ旦那も一緒に仲良く、ぼーぜん。

 

扉を閉めた。

一旦ちょっと落ち着こう。

深呼吸

 

本能がさっきの光景を消そうとしてる。

思考が働かない。

 

どうしよう?

何も考えられない。

 

しばらく言葉も出なかったが、はたと気付いた。

『お父さん、この部屋も散らかってるなあ。掃除機掛けるわ。掃除機どこ?』

 

『掃除機ないねん』

 

『え?どういうこと?』

 

『壊れた』

 

掃除機が壊れたって、どういうこと?ずっと掃除機かけてないってこと?

だからこんなに汚いの?

なんで、こんなところで、暮らせるの?

なんで平気でテレビ見てんの?

 

『ちょっと寒いねんけど、暖房入れてよ。』

なんか、ぞっとして寒気する。

 

『無い』

 

『無いって、何が?』

 

『ヒーター無い』

 

『なんで?』

 

『寒ないし』

 

『いや、寒いやろ?2月やで?』

噓やん。絶対寒いやん。

 

もう、頭がおかしくなりそう。

 

 

 

『取り敢えず、掃除機とヒーター買いに行こか』

旦那の提案で、我に戻った私です。

 

 

 

 

 

 

掃除機買いに行きました。

 

 

 

 

 

 

 

カ、カオス...

 

これは、一体...

 

これは、台所なのか?

ここで料理してるのか?

どーやって?

一歩も進めない。

足が固まってるんじゃないの。まあ、それもあるけど、足の踏み場がないの。

ここにあるものを食べてるの?

どれが食べ物なの?このゴミの中に食べるものがあるっていうの?

 

おばちゃん 臭いの原因は、切り干し大根やないわ。

 

 

 

 

 

 

充実のお掃除グッズ

コレ使える。

 

 

 

 

さて、お母さんはどのくらいボケたのだろう?

叔母の話によると、もう施設も考えた方がいいくらいの勢いだった。

 

施設ってどのくらい(お金)かかるんだろう?

 

そう言えば、おばちゃん あんたんち電話つながらへんで!って言うてたなぁ。

かけてみるか。

 

あれ?発信音鳴ってるやん。あれ?出た。

 

『ハイ、もしもし?」

 

え?なんで?つながってるやん?

 

『あれ?電話かかるやん。おばちゃんが、電話つながらへんって心配して連絡あってん。電話代払ろたん?』

 

『うん。払ろた。』

 

『まあええわ。取り敢えず、今向かってるから。あと、30分で着く。』

 

『うん。分かった。』

 

えっ?全然慌てて無いんですけど?

30分後に、久しぶりに娘参上なんですけど?

大丈夫なん?全く動じてない。

見られるのよ、その家。しかも旦那も一緒なんだよ。

 

車中 旦那には、一応話した。旦那にも心の準備してもらわんと。

家からお掃除グッズも持ってきた。

お昼なんか食べてる時間ないし、カップラーメンも持参。

 

そして30分後、ついに実家到着。

 

怖いよ~。

 

『お邪魔します』

 

『いやもう、なに~?』

お母さん 普通に登場。

 

『お母さん、なんで私が来たかわかる?』

 

????

 

あかん、全然分かってない。

 

『おばちゃんが、私に電話してくるって、よっぽどやで。』

 

恐る恐る台所の戸を開けた。

 

 

ぼーぜん。

 

 

 

 

 

コレ、いるやつ!

めっちゃええ仕事します。