風呂から出たふたりを待っていたのは湯気の立ち上る温かな料理だった。
美味しそうなにおいに思わずお腹が音を鳴らす。無理もない。
「どうぞ。普段あんまり食べてないでしょ?」
リンとレンは顔を見合わせ、ふたり揃って戸惑い顔でカイトを見上げる。
「変なものは入ってないし、何か目的があるわけじゃないから心配しないで」
あ、でも後で少し話を聞いてほしいかもとカイトは言った。
お腹が鳴る。せっかくだから食べようよと目が訴えている。
ヤバい状態になれば逃げれば良い。

いただきますと手をあわせて食事に手をつける。


美味しかった。
あたたかくて優しい味がした。