後から聞いた話だがミクを専属の薬師にした男は彼女に惚れていたらしい。彼女が診療所を開きたいと相談したら快く出資してくれたとのことだ。彼女の話しを聞いていて嫌なイメージを抱いていたけれども、恋愛感情を向けられていてそれが嫌だったようだ。
診療所を開くにあたり一度会ったけれども、20代後半の小柄な男――名前はシキという――だった。色白の肌に色素の薄い白に違い銀色の髪。結構痩せていた。穏やかな雰囲気で優しい人だった。
彼女の想い人は君なんだねと言われたが、違いますと言っても信じてもらえなかった。