飲みだしたのは15歳。
まわりはやんちゃで、酒もタバコも友達に教わった。

初めて飲んだ時…

なんだかふわふわしてくすぐったくて、気持ちよくて、感情が素直になれて、とってもよかった。


でもだんだん飲む量や飲む日が増えて…
そして二日酔いを知った。

二日酔いから逃げるにはむかえ酒がいいと知った。
だから二日酔いがひどい時にはむかえ酒して二日酔いをおさえたりもした。


18から水商売にはいった。
毎日ただで酒が飲めて、お金がもらえる!
まさに天職に思えた。

カフェドパリっていう安いシャンパンを20本くらい飲んだ日もある。
梅酒は大瓶で二本はざる。
焼酎は弱いから一本でしぬ。
ビールならしこたま飲んでた。
500ミリ6缶ぺろりっ。
ジンも好きでひと瓶ぺろりっ。



初めて離脱に気づいたのは19の頃。
仕事に行くためにバスに乗ってたらひどいめまいに冷や汗。
ひどく飲んだ次の日におきることに気づいた。
仕事場につくと、早く飲みたくてたまらなかった。


ある日コンビニに行くと、目がチカチカしてふらついた。
カゴを持っていたので、いったん置いてトイレに入った。
いつまで待ってもおさまらないチカチカ、耳鳴り。
15分くらいして、なんとか立ち上がってカゴの中身を元に戻して帰宅した。
その日は仕事を休んだ。


ネットでいろいろ調べて、パニック発作という言葉を知った。


私、パニック発作もちなんだ。


そう思った。


それからも毎日飲んだ。
休みの日もかかさず飲んだ。
たまに飲まない日もあったけど、たいてい飲んで過ごした。





『夜の仕事、やめなさい。』




親に言われた。

わたしはアルコール依存症なのだと。


アルコール依存症なんて、年配のおっさんの病気じゃん。なんて思ってたわたしには、理解できなかったし、しようともしなかった。


しかし飲みすぎて潰れて仕事に行けない日が多くなって、金銭的にも肉体的にも精神的にもさんざんだった。


ついに、パニック発作じゃなくてアルコールの離脱症状だということに気づいたのは一年前くらい。
パニックも多少もってるが、ほとんどはアルコール依存症の禁断症状だったと思う。
断酒してからパニックが減ったからだ。


パニックと離脱症状は似てる。
だからアルコール依存症って気づかない人も多いと思う。


若くても、
そんなに酒豪じゃなくても、
アルコール依存症にはなる。
なんでだろうね。



やめようとしてもやめられないお酒。
一杯だけと思ってもとまらないお酒。
一生飲まないと決めても飲んでしまうアルコール依存症。


やだね、うまく飲めないって。


飲まないことしか治療法がないアルコール依存症。
いや、アルコール依存症を学ぶことも大切。
学ぶことで自分はアルコール依存症だと自覚するようになるから。
離脱も一般的には『手の震え』とかだけど、睡眠障害とかパニック発作のような症状もある。




タバコの箱には肺ガンのリスクなんかが書いてあるけど、酒には『アルコール依存症になる可能性が…』なーんて書いてない。


アルコール依存症ってまだまだ知られてない。


アルコール依存症って気づいていない人、


たくさんいる。



専門家にかからなければ回復への可能性はほとんどゼロ。
一般精神科ではなかなか治せない。
アルコール依存症専門のところへ相談してみたら、わかると思う。


回復までは厳しいけど、回復したら、人生ちょっとはましになる。

きっとね。