相輪です。
下の覆鉢と受花のところは、円形に切り出した厚紙を重ねることで作っています。重ねたものを水で溶いた木工用ボンドをしみこませて固めた上で、最終的には紙やすりなどで整えて、きれいな円形にしています。
九輪のところは、画用紙を短冊形に切ったものを丸めています。紙を二重に重ねることで、形状保持を試みています。紙と紙の間には、心柱と接続するためのY字型の材の端を挟み込んでいます。Y字型の材も紙で作っています。
水煙は、図面から画用紙に文様を転写して、カッターで切り出しています。
水煙より上は、さすがに紙では心もとないので、針金で芯を作っています。ただ、そのままだと金属の質感が出てしまうので、紙を巻き付けて周囲の雰囲気と合わせています。
龍車と宝珠は粘土です。
この模型はほぼすべてを紙で作っていますが、心柱と相輪の先だけは紙でない素材を使っています。
細かいところは醍醐寺五重塔の相輪を参考にしています。
水煙の向きは塔によっていろいろあるようです。醍醐寺五重塔は壁面に対して45度の角度で斜めにしています。今回の模型では醍醐寺五重塔にならって正面より45度の角度に振ることにしました。
基壇、階段、雨落溝です。
檀上積基壇です。
発掘調査では雨落溝や基壇地覆石などは出土しなかったようです。
ただ、現地周辺には基壇石材と推測されている石材が散在しています。
現地の石材の様子も参考にしながら基壇や階段を作りました。
風鐸です。風鐸とは隅木先に吊るす小さな鐘のようなものです。
風鐸を取り付けるにあたって、隅木の材の高さが低いように感じたので、すべてつぎ足すことにしました。
その上で隅木先に風鐸を吊るしました。
風鐸は、外身の部分を1mm厚の厚紙で釣り鐘型になるように切り出した後、その下側に丸刀で画用紙を扇形に切り出したものを貼り付けています。
これで、すべての造形ができました。
次は彩色です。