【法勝寺八角九重塔の制作】4 三重から六重 | 模型による城郭の復元

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紙を使い、往時の城をできる限り正確に再現しようと思っています。
主に建築を主体とした城郭模型の制作記です。

前回、二重の制作の様子について述べました。

今回は三重から六重までの制作の様子について記します。

 

上の重も二重と全く同じ作業の繰り返しです。

以下、写真を中心にして説明します。

 

まずは三重からです。

 

三重の縁・壁・軒天井・支輪・垂木ができたところです。

軒反りについては、支輪までは直線として、地垂木、飛檐垂木と重なるにつれて徐々に反りをつけています。

 

 

組物を作っている最中の写真です。

カッターナイフで斗を突き刺してピンセット代わりにしています。

木工用ボンドで貼り付けています。

 

写真のように上下逆さに置いて、上部の斗や肘木から積み重ねています。

斗と肘木が組み終わった後に尾垂木を取り付けています。

 

 

組物ができたところです。

組物を作るだけでおよそ8時間くらいかかります。

 

 

瓦を葺いて高欄を作ったところです。

化粧の野地板の上に、野小屋の分だけの厚紙、野地板兼裏甲、平瓦の画用紙などを重ね、丸瓦の画用紙を貼り付けています。上重の廻縁を作った後に棟を作ります。鬼瓦も16個作ります。

 

 

三重ができました。

 

 

断面図にするとこのようになります。

 

数字は使用した紙の厚さか部材の断面寸法です。

単位はすべてミリメートルです。

 

 

 

四重です。

 

四重の壁・軒天井・支輪・垂木まで作った様子です。

 

裳階を合わせると5つの屋根が重なるので、下から見ると五重塔のように見えます。

 

組物を作ったところです。

 

屋根を作ったところです。

 

このあたりは、まだまだ先が見えず、果てしない山を登っているかのようでした。

 

 

五重です。

 

五重の壁・軒天井・支輪まで作ったところです。

 

垂木ができたところです。

 

今まで積み重ねてきた屋根の重なりを見ることで、気持ちの後押しをしています。

 

組物ができたところです。

 

屋根と高欄ができたところです。

 

これで五重ができました。

 

裏甲の出などを調節することで、各重の軒の線が上に向かって一直線に連なるようにしています。

 

 

六重です。

 

六重の垂木までできたところです。

六重から上は、三間の壁面のうち、脇の間の間斗束を省略します。

 

 

組物を作ったところです。

 

屋根と高欄を作ったところです。

これで六重目ができました。

六重目まで終わると、ようやく先が見えてきたという気がしました。

 

続きます。