高森美由紀さんの『お手がみください』
とても素敵な本でした。
小学2年生の眞子は、仕事が忙しい両親と曾祖母の「おばあちゃん」と暮らしている。
眞子はいつも音読の宿題をおばあちゃんに聞いてもらう。
『ふたりはともだち』
来る当てのないお手紙を待つがまくんに、お手紙を書くかえるくん。
大好きなことを伝えるお手紙を書いて、それをふたりで何日も待つお話。
眞子は大好きなおばあちゃんにお手紙を書くが、おばあちゃんから返事が返ってくることはない。
友達や両親と、色々ある中で、いつもそばにいて味方になってくれたおばあちゃん。
日の当たらないジメジメしたおばあちゃんの部屋で、鉛筆を削り、カップ麺を食べ、お蕎麦を作り、過ごした時間。
そして、実はおばあちゃんは字が読めないし書けなかったのだとと知る。
とても優しい優しい本でした。
現実世界の厳しさも描きつつ、やっぱり人は温かいのだと思わせてくれました。
私の母も、あまり書くのが得意ではありませんでした。頭のいい人で、本は良く読みましたが、子供の頃、あまり学校に行かなかったからと恥ずかしく思っていたようでした。
このおばあちゃんのように、たまにチラシに字を書いて練習していました。
わからない言葉は辞書で調べて、意味をノートに書いていました。
それを見て私は、「偉いね」と言いました。
今思うと、プライドの高い母はそんなことは言われたくなかったかもしれません。母の気持ち、わかっていなかったと思います。
眞子は幼くて、おばあちゃんがひらがなさえ書けことが理解できません。どうしてお返事くれないんだろう?読んでくれているのだろうか?と悲しくなります。それでも何も言わないのです。
大人だなぁと思います。
それでも本当は心からお返事を待っていた眞子は、30才を過ぎてからおばあちゃんからの念願のお返事をもらうのでした。
東京で暮らす息子に、母はときどき手紙を書いていたそうです。
多分返事は書いていなくて、たまに電話で返事をしていたようです。
それでも嬉しかったと思います。
手紙じゃなくても気持ちは伝えられる。
今の時代は特にそう。
でも伝えることは諦めないでいたいと思いました。
『お手がみください』、おすすめです。
日曜日の午後のおやつはこちら。
チップ&デールが大好きな私に、娘が買って来てくれた東京のお土産です。
箱に3個ずつしか入っていないので、娘ふたりと仲良くいただきました
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました
残り少ない日曜日の時間、ゆっくりお過ごしくださいね。
みゆきん