ブラックウォーター in Japan | 数多久遠のブログ シミュレーション小説と防衛雑感

ブラックウォーター in Japan

よく知られた話ですが、前回の記事に書いたブラックウォーター社は日本でも活動しています。(正確には子会社)


場所は青森県つがる市車力で、米軍が設置運用しているAN/TPY-2レーダーを警備しています。
車力には、米軍人は2人しか常駐しておらず、運用は軍属といえるメーカーレイセオン社の会社技術員が行い、警備をブラックウォーター社が請け負っていると言われています。給食関係など後方支援も同社が関与(一括受注?)している可能性が高いと思われます。


伝えられるところによると、レーダー周辺の米軍管理地に近寄っただけで直ぐに彼らが飛んできて、写真を撮るなとか、早く立ち去れといったことを言うそうです。
しかしながら、米軍管理地区以外では、彼らには何の権限があるわけでもなく、柵の外から写真を撮ったところで、本来は咎められる筋合いはありません。(通報を受けた日本の警察に職務質問されるでしょうが)


案外、警備が彼らに任せられた理由は、彼らが無茶をする組織であることを逆手にとって、抑止効果を期待(にらみを効かす)したのかもしれません。
法的には問題ないと分かっていても、ブラックウォーター社と聞けば、私自身近寄りたいとは思いません。悪名高い彼らのこと、射殺しておいて「攻撃するそぶりを見せたので、自衛として仕方なく撃った」とか主張しかねないように思えます。


軍事研究誌2008年1月号の記事に「これが車力基地だ!」と派手なタイトルを付けた元朝日新聞記者の石川巌氏が、わざわざ車力分屯基地まで行きながら、同レーダーが配置されている地区には接近さえせずに引き返したこともブラックウォーターの名前が効いたからかもしれません。
(記事中でも、車力にはABCの3地区があると書いているくらいなので、基地の正門前に行ったところで、同レーダーが見えないことくらい見当がついたはず)


あまり好ましい話ではありませんが、今後日本国内でも、同社のようなPSCの活動は増えてゆくのでしょう。