和渕のササニシキ農家・木村純さんを訪ねた後は石巻魚町へ。

 

 

“神経締め師”大森圭さんの仕事場にお邪魔させて頂きました。

私自身 “お話しを聞いてみたい!”と思っていた方でして…今回ご協力頂けるなんて…
思い切ってご相談してみるもんです。
自分の突撃精神がこういう場で活きました(笑)


大森圭さん
天然活魚と鮮魚を取り扱う(株)ダイスイの社長であり、個人会社「大森式流通」代表。若手漁師グループFisherman japanのメンバーでもあります。
▷▷▷大森式流通

“海のヒットマン”  “日本一カッコイイ変態神経締め師”(※この場合の“変態”はこだわりの深さを表す褒め言葉ですので 念の為)…様々な呼ばれ方をしている方ですが…
いんやーー 大森さんのお話しと実演が凄かった!!
ここに参加できた方は非常にラッキーだったと思います。
詳細内容は参加者だけの特典として… 画像メインのレポを…。

 


まずは道具の説明から。
“神経締め”とは人の手を使って脳死状態を作りだす魚の締め方なのですが、大まかな工程は下記の通り。
1)【悩殺】T字スパイクで脳を破壊する。
    
脳を壊して「死」という信号を止め、旨味物質(ATP:アデノシン三リン)の放出を
   防ぐ。

2)【神経締め】開けた穴からワイヤーを入れ、脊髄に刺す。
  
魚の中枢神経を破壊し、死後硬直をゆっくり起こさせる。
3)【放血】血抜きをする。
     この血抜きのバランスが非常に大事で 
  「血は新鮮なうちは“旨味”。どれぐらい残すかが技」との事。
     完全な血抜きはせず、エラの切る枚数で何%血を抜くか調整しているんだそう。
   



脳を壊している所。





ワイヤーを入れている所。



神経締め=鮮度を保つための手法と思っていたのですが、大森さんの場合は“主に食感をコントロールしている”との事。
通常、魚は4時間で死後硬直が始まりますが、神経締めをした魚はゆっくり24時間かけて進む…その分ピークを過ぎた後の軟化・腐敗も穏やかなカーブを描きながら進むのだそう。
実は死んでからの方が魚の旨味は伸びていくので、“旨味”と“食感”のピークをどこに持ってくるかを依頼先に合わせて対応しているそうです。
そうっ…つまり魚のオーダーメイドというワケ!!

一般的な神経締めは“魚種によって捉える”事が多いのですが、大森さんの凄い所は、大きさ・脂乗り・旬(量が獲れる時期ではなく、美味しい時期という意味合い)等 魚の“個体によって捉える”という点。
一匹一匹と向き合い、目利きしながら、和洋中の料理や先方のお好みに応じオーダーメイドで承っているのです。

一部 動画もおさえましたので こちらもどーぞ。


魚を「この子…」と呼ぶあたり…“魚愛”を感じますね~(^^)





てっきり実演は1匹だけだと思っていたのですがスズキ、マコガレイ、真鯛…何匹実演してくれたでしょ…。ありがたかったです。



エラを切って血抜きしている所。



神経がついたワイヤーを舐めると、その魚がどんなものを食べてきたか分かるそうで、舐めさせてもらっている参加者。



タコ!!!
タコも神経締めできるんですね!


タコの血は青いんですよ…。
とにかく全て初めて見る世界。発見が多く あっと言う間に時間が過ぎていきました。

 



そしてカニも神経締め…できるの…??
カニの場合は血抜きだけでOKなんだそう。

 



同じように脳を破壊し…



血抜き。カニの血は透明だって知ってました?
このシャッターチャンスを狙えるというのも さすがはプロカメラマンです。
※ここにアップしている写真は全てプロカメラマンの大沼英樹さんに撮影いただきました。



とにかく実際にお話しを伺いながら生の実演……素晴らしかったです。

濃厚すぎる内容に時間がかなり押してしまい、集合写真を撮る余裕もなく、ワタワタしつつ一同ランチ会場へ向かうのでありました。
大森さん  本当にありがとうございました!  ▷▷▷ 続く