住宅の資金計画は今ではなく、将来の家計まで考えて | ライフプランニングはお金の未来予想図

住宅の資金計画は今ではなく、将来の家計まで考えて

大手銀行の金利引き下げ競争が激しくなっています。
2年固定金利で0.55%、3年固定金利で0.75%など、変動金利よりも低いレベルです。3月末までの期間限定の金利引き下げということから、消費税アップ前の駆け込み需要が視野に入っていることが想像できます。

銀行の金利引き下げからは「今なら金利が低いからお得ですよ」「消費税が上がる前に家を買ってはどうですか」、そんなメッセージが聞こえてくるようです。

そろそろ家を買おうかなと、漠然と考えて不動産会社に行ったら、たまたま自分の理想にマッチした物件が見つかり、返済額を試算してもらったら今の家賃と変わらない。
そこに“低金利”や“消費税増税”の二つの要素が組み合わさると、「いま家を買うのが得ではないか?」と考えてしまいがちです。

しかし、ここでいったん頭の中をクールにして「本当に、今買って大丈夫なのか?」を考えてみてください!

住宅は、ほとんどの方が住宅ローンを利用して購入しますので「いくらの家が買えるのか」というよりは、「いくらのローン借入額なら無理なく返済できるのか」、ということになります。

では、どうしたら無理なく返済できる金額を知ることができるのか? その金額を知った上で、マイホーム購入計画を進めれば、身の丈に合ったマイホーム選びが実現するでしょう。
これを知るには、ライフプラン(将来の生活計画)を作り、数十年先までのお金の推移をシミュレーションしてみることです。そうすれば、将来の夢や希望を実現しながら、無理なく返せる住宅ローンの借入額かどうかが分かるのです。

もしも、ライフプランを作ることなくマイホーム購入を進めてしまったらどうなるのか。不動産会社や銀行で試算したローン返済額が今の家賃並みなら、家を買ってもいいのでしょうか。

気をつけなければいけないことは、ライフプランを考えずに算出したローン返済額は「現在の家計レベルでの返済可能な額」だということです。持ち家になれば、賃貸の時にはない出費(固定資産税、リフォーム費用、管理費・修繕積立金など)が発生しますし、住宅購入後に子どもが生まれ、教育費が思ったより多額になるなど、予想していなかった支出が増えることも考えられるでしょう。

住宅ローンは借金です。今の家計だけで考えたら将来返済できなくなる可能性もあります。そのためには、数十年先の家計まで考えた上で返済額を判断しないと、住宅ローンを返済できずに家計破綻ということにもなりかねません。

マイホーム購入で失敗しないためには、今だけでなく、将来の家計も予測することを忘れないでくださいね。