こんにちは

協力隊の佐藤です

 

これは”てんぽ”です

家で食べるおやつとして、山仕事の携行食として食べられていました

 

 

先日、二戸の金田一へてんぽの取材にいってきました

金田一の地域活動グループ”よりゃんせ金田一”さんは定期的にてんぽを焼いています

毎月第3日曜に佐太郎茶屋と呼ばれる拠点を開放し産直や食堂を運営しています

その産直では、てんぽの他にも”がんも”や”みそもち”なども販売しています

また、地域の学校と連携し子ども向けにてんぽ焼き体験を開いているので、てんぽを聞くに頼もしい存在です

この地域に昔から住んでいるというメンバーの方からは、てんぽについての思い出も聞くことができました

 

改めて、てんぽ / もちせんべい とは、

青森県八戸地方や岩手県北地方の郷土食で、小麦の生地をせんべい型に挟んで焼いたものです

南部煎餅のような見た目をしているのは同じ型を使っているからです

かつては、せんべい型がほとんどの家にあって、各家庭でそれぞれのてんぽを焼いていたそう

家で焼くてんぽは(別称もちせんべいの通り)、バリバリとかたく焼かずに厚い生地を餅のように焼いています

 

 

また、てんぽは余りもののご飯を美味しく食べる方法でもあったといいます

お米だけでなく稗や麦が入っているため時間が経つとかたくなりやすかった昔のご飯、残さず美味しく食べるために水分を加えてお粥にします

その、お粥を生地と一緒に混ぜます

「麦粉だけだと冷めると”しなく”なる、お粥いれるとかえって食感がもちもちになってうまい。稗なんかはぷちぷちするから食感がいい。」

 

 

今のように炊飯器や冷蔵庫や電子レンジがなくとも、時間が経った食べ物を美味しく食べる方法を編み出してきたんですね

てんぽは腹持ちもいいし、常温でも大丈夫だし、時間が経っても食べられるから、よく山仕事に持っていったとのこと

マタギのバター餅に似ていますね

 

 

お粥、さらにお湯と塩を少々加えてよく混ぜます

 

 

せんべい型におさまる大きさに一つ一つをちぎっていきます

 

 

麦粉を手につけながら生地を丸める

 

 

ここでは胡麻と胡桃をつけていますが、もちろん地域や家庭によって違います

中に味噌や、くるみ味噌を入れたり、何にも入れなかったり、乗せなかったり

胡麻・胡桃が入ってなくても香ばしい麦の味が感じられ美味しいです

 

 

胡麻・胡桃を乗せた面を下に鉄製のせんべい型で挟んで焼きます

 

 

昔はどこの家にもいろりがあって、薪や炭で焼いていたそう

 

 

断面をみると、市販の南部煎餅よりも分厚く、生地に水分を含んでいることが分かりますね

 

 

これは青森の道の駅南郷で見つけたもちせんべい(てんぽ)

小麦粉と食塩と重曹だけの簡素な材料で焼かれたこのもちせんべいは、麦の味が濃くて美味しかったです