急に暖かい日が続いています、COVID-19環境下での二度目の春となりました。何よりも皆さまの健康をお祈りしています。

 

この春、師衛藤公雄の作品を、演奏・収録をして、Youtubeで公開しました(薫公会Youtube Library)。衛藤公雄の薫りを後世に伝える活動の一環です。今日は、その中からまず「秋」について紹介いたします。

 

春なのに「秋」、、、はご愛嬌として。おそらく、Youtube上をはじめとして、録音や録画はほとんどないのでは無いか、と思います。

 

 

1952年に作曲されたこの曲。舞踊の藤間流からの委嘱として作曲されました。舞踊のための音楽で、尺八、箏、唄 で演奏されますが、今回は、箏と唄のみ、つまり私の独奏です。以前、衛藤先生のお姉様である大塩先生が、独奏されていたと聞いたことがあります。

 

日本舞踊のための音楽で、本来はもっとゆっくりしたテンポですが、踊りもなく、独奏ですので間延びしないように少し速度を上げて演奏しています。

 

和歌二首に曲をつけた構成になっています。「古典風(組歌風)」ではありますが、かなり自由な形式で曲をつけています。今回は、古典を意識しながら演奏しています。

 

前半の和歌は、紫式部日記より。とっても色っぽい和歌です。衛藤先生は、色恋沙汰の作品はあまり教えてくださらなかったのですが(私にはまだ早い、と思われていたのでしょうか?)、ご自分ではこんな色っぽい作品を作られています! 後半は、検索した範囲では、出典が不明です。紀貫之の作品では無いか、とも言われていますが、私は見つけ出していません。

 

2014年に、衛藤公雄を偲ぶ会、と言うコンサートを開いた際に、私はこの曲を演奏いたしました。なので、とても思い出深い曲ではありますが、上述のように、直接教えて頂いたことはありません。

 

衛藤先生の作品を演奏・収録するたびに、衛藤先生に直接お稽古をつけて頂いていた日々を思い出し、初心に戻っています。