Ψ筆者作「夏の道」 F4 油彩
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 今まで人生で見知った数多の絵画や音楽で心動かされたものは、長い年月を経て自我の内部に、得も言われぬイマジネーションを作り上げた感がある。それは、憧憬や畏敬やノスタルジーに満ちた、言わば精神のアルカディアであり、「唯我独尊」の世界である。そこに一切のウソやハッタリのあろうはずもない。
 前稿まで現下の「文化・芸術」に係る問題点を縷々述べたが、だからこれらをどうしたいなどという意思を込めてのものではなく、またどうなるものでもなく、こうしたニセ価値体系に支配されることの消耗による、一度しかない人生の時間の無駄を恐れる故それらを無用、無縁のものと識別したまでである。

 さて先に、100年以上も前の額縁と150年前の本物のヨーロッパ絵画をほとんど偶然に手に入れたと述べた。今回も同じように手に入れたものがある。それは、いつも行く、骨董屋というよりリサイクル店と言うべきところで目に入ったものである。はがきサイズの額にビュッフェの複製のはがき絵が入ったもので、絵より趣味のよい額縁が気に入ったので、400円と言う値段もあり躊躇せず購入した。はがき絵とガラスを取り除き額縁だけにしようと思い裏の蓋を開けてびっくり、板に描かれた油絵が出てきた。店は中身まで確認しないでそのまま二束三文で売りに出したのであろうが、そのれっきとした油彩タブローと他に数枚のはがき絵が重ねて仕舞われていた。
 全体の様子から極端に古いものではないと判断したが、古典派系列と言える画法である。サインもないので作者が誰かは特定できないが、相当な力量のある描き手と見た。以下にその画像。
 このほか拙宅には埃を被っていた、「池袋モンパルナス」の一員であった画家の絵もあるが、これら総て、諸々想像させるものがあり楽しい。
 真面目に生きれば芸術の方からやってくる、無価値、ニセモノは自分の方から去っていく。(^^)

Ψ作者不詳 はがきサイズ 油彩 板
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