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Ψ 上下供 筆者作「夜の宴」部分 カゼイン画
 
天使(エンジェル)とはギリシア語の「アンゲラス」を語源とし、ユダヤ、イスラム、キリスト各教の総てに名前は変わっているが出て来、その気になって研究すれば非常に興味そそられるものがある。
 キリスト教における天使には以下の九階級の序列がある。 
上位三隊 「父」のヒエラルキー
中位三隊 「子」のヒエラルキー
下位三隊 「聖霊」のヒエラルキー
 
 
 
 


 このうち、キリスト教美術において登場するのは三「大天使」の中のガブリエルとミカエルがほとんどであり、上掲のごとく天使の序列では下から二番目ということになる。因みにもう一人の大天使はラファエル。つまり、他の天使はその図像をキリスト教教義や物語性のテーマに沿って表現するのは難しいくらいの複雑怪奇な形相をしているのである。大天使以外でたまに顔を出すのは羽根の中央に幼児の顔だけ見えるものがあるがあれは上級天使そのものではなくその化身と見るべきもののようだ。例えば最上級の天使セラフィムとは三対六枚の羽根を持ちその羽根で顔が見えないし、炎や車輪、複数の顔など人的形相でないものもある。
 うち聖母に「受胎告知」をするのはガブリエルである。数多有る「受胎告知」または「生神女福音」と言う画題の絵に登場しているのは総てガブリエルである。ミカエルは「戦いの天使」とされ、そういう表現に鎧姿で登場する。「聖母被昇天」など死や戦いに因むのもこのミカエルとされる。天使に性別はないが、やはり女性の姿をしているのがふさわしいが、中にはどちらにも捉えられるというようなものもある。ラファエルが登場する作品は見たことがない。
 ところで、この天使はギリシア神話やローマ神話とも交錯するようだ。「森永乳業」の「エンゼルマーク」は明らかにエンゼルではない。神話の「キューピット」、ローマ神話の「クピド」である。反面「キューピーマヨネーズ」のキューピ―は正しい。左様に本邦ではこの区別は厳格でない。拙作に登場しているのは何かと問われたらやはり「天使」と答えるだろう。うちの猫たちの無邪気さにそういうイメージする時もある。純粋さやひた向きさのイメージというか、そういう意味で筆者は確実に天使ではない!堕天使というのもあるし。(^^)
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