Ψ 上 制作現場実景
下 筆者現場制作作品 F6×2 アルキド


景色は圧巻!いつも小さな画面では収まらないので6号キャンバスをつなぎ合わせて見開きで描くが、今回はそれでもおさまりきれないので、6×4=24号、「怒涛の」左右方向同時制作となった。
時に自然はワンポイントの絶景を垣間見せることがある。ワンポイントとは、広角視野に漫然と対処しているとその視覚の流れの中で見過ごしてしまうが、ある瞬間、ある場面で絶妙の構図が、「俺を描いてくれ」と言わんばかりに奇蹟のように現れるのである。これは殺伐とした都会風景でも平凡な田舎風景を問わない。
これを自己のイマジネーションのフィルターを通して作品という形で永遠化できれば成功である。これとは逆に、どこを描いもどの角度をとっても絵になるという場所もある。これがいつも成功するかと言えばそうではない。美しすぎる光景に甘え、頼り過ぎ、平凡に陥ることがある。
セザンヌの画業の到達点はサント・ヴィクトワールである。これは実際は温和なプロヴァンスの実に平凡な山である。これをセザンヌの視覚と造形感覚を通せば、「自然は幾何学的に分解される」、ことになり、印象派から現代美術への分水嶺となる。佐伯祐三はモンマルトルもシテ島もサンマルタンも、誰でもが描くような「絶景」は描かなかった。なんでもない通りの汚れた壁の広告文字を描いた。風景を描く者は独自の視覚をもたなければならない。我がコロ―然り、ロイスダール然り。
そういうことを考えつつ、さてこの絶景、どうタブローにするか!
追記
いつもどんな気持ちで絵を描いているか?
こんな気持ち
時にはこんな気持ち
(因みにこの曲は当ブログの表題の元である「惑星ソラリス」のBGMである)
つまり、躁鬱気味なんだな !