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 Ψ筆者作「三連水車のある川辺」(現場制作)  F6号2枚見開きキャンバス  アルキド樹脂絵具
 
 従来現場スケッチは、速乾性で細部まである程度描き込めるアクリルを使用してきたが、いかに油彩風景画タブローのエスキースと雖も、アクリルは、乾燥早く、つながり有るトーンがつけられない、濡面と乾燥後の調子の落差をあらかじめ計算して色を溶かねばならない、被覆力も収縮率も大きく、扁平でテラテラした単調な画面になる、現場での残った絵の具滓の処分、など諸々制約もあり、今回はアクリルではなくアルキド樹脂絵具を使った。
 この描画材も媒剤そのものに粘性なく、天然樹脂や体質顔料も混入されていないので、他のメデューム類の力を借りても、粘り気やボリュームあるマティエール、絵の具層どうしのコクのある展開や油彩ほど深みある画面は期待できないが、ボカシも多少利く、早いうちなら再溶解するなど、現場中心のアラプリマにはアクリルよりは良い。 
 現場は午前中霧が立ち込め、上掲のような雰囲気で好ましかったが午後から下掲写真のような陰影のはっきりした晴天となった。現場は蓼川と万水川が出合う場所で、わさび田を潤す透明で実に美しい水が流れている。 水面下の水藻の様子は、当ブログの表題の出典である、タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」の冒頭場面のそれそのものであり、誠にノスタルジックであった。
 
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写生現場
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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同じ写生現場
 ちょっと後ろは立ち入り禁止のギリギリの場所に腰を据えた。これはギャラリーに囲まれないので勿怪の幸い。