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Ψ 筆者作「光の方へ」 F120 油彩
 将来目ざしたい方向として「リアリズムベースのイメージ絵画」を長く据えていたがそれは現実と夢の境界線が曖昧になってくることを意味する。例えばハイパーとかスーパーとか言われるリアリズムは過酷なほど無機的描写に徹し、それにより、白日の下に存在への不安、孤独のようなものを晒し出す…といった芸術としてのメッセージ性において価値が認められるが、多くはタッチやトーン、マティエールを殺す分無機的でカラー写真を貼り付けたような軽薄さで終わるという失敗のリスクを伴う。
 一方油絵としての味わいやコク、妙味を失わないリアリズムの成功例は古典主義絵画に多く例が見られるが、技術的には当然後者を憧憬する。その上でのイメージ画というのだから試行錯誤は尽きない。
 当作は今回の催事に出品した。自分でも気づかなかった技術的発見があった。広い展示場所においてみると、画室で描くばかりでは判らなかったことが見えてくる。一言で言えばグラシによらない「グラシ(透層)効果」である。