※「YAHOO掲示板・芸術文化(どうしたらうまくかけるの)」より転載(以下4まで同じ)
佐伯の死因についていろいろ観測がありました。まとめてみると
1.結核説 いろいろな資料や「ヤチの感染」など合理性があるところから「俗流評伝」でも最も多く語られてきたこと。
2.謀殺説 「殺す」ほどの必要性があると思えないし、これが説得力持つには相当の確証が必要と思います。『毒殺』はヨーロッパでは「古典的殺人法」なので疑いがあれば当局が動かないはずがない。佐伯もヤチも複数の日本人医師も診てるし気づくはず。
3.結核治療等に伴う副作用説 果たして今回orionさんから「薬の過剰投与」の話が紹介されました。
4.精神障害説 これは「自殺」に繋がりますし、ゴッホや弟テオの例など精神障害が『狂死』を生む場合もある。
私は1、3、4の複合による「全身疲労」説を考えています。「全部が重なって分けわかんなく死んじまった」というところじゃないかと思ってますが。
ところでその佐伯の「純粋な」精神障害の部分についても関係があるかもしれないことについて一応考えてみる必要があるようなことがあったのでちょっと触れてみます。
それは大田博昭という日本人医師が10数年ほど前にまとめたもので「パリ症候群」(トラベルジャーナル社)という本です。実は私がその切り抜きをとっていたのは当時私自身も精神科の病院に行こうかと思ってたくらい「うつ的状況」にあり、安定剤を服用していた頃でかつヨーロッパ渡航を控えた頃でその興味からのものです。
内容はヨーロッパとりわけフランス、パリに滞在、長期旅行をする邦人に精神障害に陥る人が多いということで、当該医師はパリ大学医学部付属サンタンス病院精神科に邦人専門外来を設けたり邦人医療相談室を私設したりして件の本をまとめたようで、今日もなお年間100人近く該当するとか。
症状は幻覚、妄想、抑うつ、自律神経失調、人格障害など。自殺もある。原因は言葉が通じない、異国での緊張感、不快な体験、カルチャーショックなど。
その率は北米、アジアに比べヨーロッパは三倍以上、その中でもフランスは飛び抜けているということ。私も同宿した日本人からそういう人がいたということを聞いたことがあります。
私の場合は逆でヨーロッパに救われたと言う実感がありましたが、この趣旨はわかるような気がしてます。
例えば事件事故・トラブルの可能性はアメリカ、アジア、他の第三世界の方が多い位だし、旅の緊張感とか言葉が通じないというのもヨーロッパに始まったことではない。
因みに前にも話したことのある私の実例ですが「仕事は?」と聞かれ『絵描き』答えたら「トレビアン!うらやましいお仕事」と言われた。そういう文化的土壌のある国だし「世辞」は言わないから額面通り受け止められる。
ところがこれも実例の同じやり取り、日本は「結構な「≪ご趣味≫!」世辞を言ってるつもりでも無神経で無教養。あるいは「…で生活はどうしてらっしゃるのですか?」いかにも日本人的な覗き見主義でおっせかい。(こういう人間に限って文化芸術に金を使わない!)
なまじ言葉など通じないほうが良い、妙なコミニュケーションなら無いほうがストレスにならないと言う実感はありました。
いずれにしろ、安保体制下日本はアメリカの「陸違い州」みたいなところがありますし、第三世界には日本人が潜在的に持つ経済力を背景とした優越感や差別意識によりコンプレックスを感じなくて良いというところがあるなどを考え合わせると、政治・経済や常識的レベルで対応できないヨーロッパ特有の原因がありそうです。
(つづく)
佐伯の死因についていろいろ観測がありました。まとめてみると
1.結核説 いろいろな資料や「ヤチの感染」など合理性があるところから「俗流評伝」でも最も多く語られてきたこと。
2.謀殺説 「殺す」ほどの必要性があると思えないし、これが説得力持つには相当の確証が必要と思います。『毒殺』はヨーロッパでは「古典的殺人法」なので疑いがあれば当局が動かないはずがない。佐伯もヤチも複数の日本人医師も診てるし気づくはず。
3.結核治療等に伴う副作用説 果たして今回orionさんから「薬の過剰投与」の話が紹介されました。
4.精神障害説 これは「自殺」に繋がりますし、ゴッホや弟テオの例など精神障害が『狂死』を生む場合もある。
私は1、3、4の複合による「全身疲労」説を考えています。「全部が重なって分けわかんなく死んじまった」というところじゃないかと思ってますが。
ところでその佐伯の「純粋な」精神障害の部分についても関係があるかもしれないことについて一応考えてみる必要があるようなことがあったのでちょっと触れてみます。
それは大田博昭という日本人医師が10数年ほど前にまとめたもので「パリ症候群」(トラベルジャーナル社)という本です。実は私がその切り抜きをとっていたのは当時私自身も精神科の病院に行こうかと思ってたくらい「うつ的状況」にあり、安定剤を服用していた頃でかつヨーロッパ渡航を控えた頃でその興味からのものです。
内容はヨーロッパとりわけフランス、パリに滞在、長期旅行をする邦人に精神障害に陥る人が多いということで、当該医師はパリ大学医学部付属サンタンス病院精神科に邦人専門外来を設けたり邦人医療相談室を私設したりして件の本をまとめたようで、今日もなお年間100人近く該当するとか。
症状は幻覚、妄想、抑うつ、自律神経失調、人格障害など。自殺もある。原因は言葉が通じない、異国での緊張感、不快な体験、カルチャーショックなど。
その率は北米、アジアに比べヨーロッパは三倍以上、その中でもフランスは飛び抜けているということ。私も同宿した日本人からそういう人がいたということを聞いたことがあります。
私の場合は逆でヨーロッパに救われたと言う実感がありましたが、この趣旨はわかるような気がしてます。
例えば事件事故・トラブルの可能性はアメリカ、アジア、他の第三世界の方が多い位だし、旅の緊張感とか言葉が通じないというのもヨーロッパに始まったことではない。
因みに前にも話したことのある私の実例ですが「仕事は?」と聞かれ『絵描き』答えたら「トレビアン!うらやましいお仕事」と言われた。そういう文化的土壌のある国だし「世辞」は言わないから額面通り受け止められる。
ところがこれも実例の同じやり取り、日本は「結構な「≪ご趣味≫!」世辞を言ってるつもりでも無神経で無教養。あるいは「…で生活はどうしてらっしゃるのですか?」いかにも日本人的な覗き見主義でおっせかい。(こういう人間に限って文化芸術に金を使わない!)
なまじ言葉など通じないほうが良い、妙なコミニュケーションなら無いほうがストレスにならないと言う実感はありました。
いずれにしろ、安保体制下日本はアメリカの「陸違い州」みたいなところがありますし、第三世界には日本人が潜在的に持つ経済力を背景とした優越感や差別意識によりコンプレックスを感じなくて良いというところがあるなどを考え合わせると、政治・経済や常識的レベルで対応できないヨーロッパ特有の原因がありそうです。
(つづく)