「どうしたらうまくかけるの」より転載

 萩原朔太郎「旅情」
         
  フランスへ行きたし
  と思えどもフランスはあまりにも遠し
  せめては 新しき背広をきて
  気ままなる旅に出でてみん
  汽車が坂道をゆく時
  水色の窓によりかかりて
  我ひとりうれしき事を思わん
  5月の朝のしののめ
  うら若草の萌えいずる
  こころまかせに・・・ 

 ついでに啄木の

友がみな 我より偉く見える日よ 花を買い来て妻と親しむ

        と

東海の 小島の磯の白砂に 我泣きぬれてかにとたわむる 

        を一緒にして

 友がみな 我より偉く見える日は 我泣きぬれて猫とたわむる

 などという自虐的な詩をよんでいました。