合理的な造形訓練の一つが石膏デッサンです。
石膏デッサンを何故やるか、美大などの入学試験に何故これがあるか、教室の先生の言う、基礎を身につけること、その原点がこれにあります。ただし石膏像は白なので当然色はありません、色彩の問題は絵具の使用からはじまります。
先ず正確なフォルムの把握。
眼鼻の形、長さ位置関係、全体の比率(プロポーション)のみならず上級の石膏像では首や手足の向き、ひねり具合、力の入れ具合などの把握の訓練になります。
私は使ったことがありませんが、窓に縦横に線の入った「計測器」(市販)のようなものでプロポーションをはかったりします.網棒、木炭でもできます。
それから調子(トーン)。石膏像には一番明るいところから一番暗いところまでの陰影のグラデーションが幅広くあります。これが的確でないと、プロポーションがいくら正確でも、飛び出したり、引っ込みすぎたり正しい形は表現されません。
次に立体感。縦横に奥行きが加わった三次元的空間の把握の訓練です。「像の向こう側も描く」と言う気分が必要です。りんごならベタッとした円ではなく、コロッとした球の把握です。
それから質感.石膏像はカチッとした固さ、冷たい石のような質感があります。ただモヤッとした陰影をつけるもではなくそうした実在感も伝えなくてはいけません。具体的には木炭の腹や指、消し材の食パンなどで画面に抵抗感を作りながらつけます。慣れと感覚的な要素が大きいです。
最後は量感.これは立体感と混同されますが、全体の塊(マッス)の把握、塊の分量の把握、重量感の表現など、これも感覚的要素が大きいですが、今までのことが正確にできれば自然に感じられる場合もあります。
石膏デッサンはこれらの訓練が全部できるのです。
前に書きましたがこれらのことが正確にできると、生きた人間、精巧にできたマネキン人形、精巧にできた風船で出来た人形をそれぞれ描き分けることができます。(簡単ではありませんが)
難しいようですが絵の基礎中の基礎です。勿論石膏デッサンという方法でなく実際のタブローでもこの勉強は出来ますしそういう人のほうが多いでしょう。しかし一番合理的な方法である事には違いありません。
そういうことではありますが、石膏デッサンから学ぶ造形の基礎と言うのは、以上のようなことを必ずしも100%習得しなければならないというものではありません。
大事なのは石膏デッサンを通じて、調子とはこういうもの、質・量感とはこういうものという認識を得ることです。これを自覚して描く絵とそうでない絵は必ず違ってきます。
例えば質感の認識は、皮膚の柔らかさ、暖かさ、コスチュームの風合い、果物の艶、ガラスや金属の透明感・冷たさ等の表現、量感は山や森、木立や花束の塊(マッス)の把握などに応用されます。
石膏デッサンを何故やるか、美大などの入学試験に何故これがあるか、教室の先生の言う、基礎を身につけること、その原点がこれにあります。ただし石膏像は白なので当然色はありません、色彩の問題は絵具の使用からはじまります。
先ず正確なフォルムの把握。
眼鼻の形、長さ位置関係、全体の比率(プロポーション)のみならず上級の石膏像では首や手足の向き、ひねり具合、力の入れ具合などの把握の訓練になります。
私は使ったことがありませんが、窓に縦横に線の入った「計測器」(市販)のようなものでプロポーションをはかったりします.網棒、木炭でもできます。
それから調子(トーン)。石膏像には一番明るいところから一番暗いところまでの陰影のグラデーションが幅広くあります。これが的確でないと、プロポーションがいくら正確でも、飛び出したり、引っ込みすぎたり正しい形は表現されません。
次に立体感。縦横に奥行きが加わった三次元的空間の把握の訓練です。「像の向こう側も描く」と言う気分が必要です。りんごならベタッとした円ではなく、コロッとした球の把握です。
それから質感.石膏像はカチッとした固さ、冷たい石のような質感があります。ただモヤッとした陰影をつけるもではなくそうした実在感も伝えなくてはいけません。具体的には木炭の腹や指、消し材の食パンなどで画面に抵抗感を作りながらつけます。慣れと感覚的な要素が大きいです。
最後は量感.これは立体感と混同されますが、全体の塊(マッス)の把握、塊の分量の把握、重量感の表現など、これも感覚的要素が大きいですが、今までのことが正確にできれば自然に感じられる場合もあります。
石膏デッサンはこれらの訓練が全部できるのです。
前に書きましたがこれらのことが正確にできると、生きた人間、精巧にできたマネキン人形、精巧にできた風船で出来た人形をそれぞれ描き分けることができます。(簡単ではありませんが)
難しいようですが絵の基礎中の基礎です。勿論石膏デッサンという方法でなく実際のタブローでもこの勉強は出来ますしそういう人のほうが多いでしょう。しかし一番合理的な方法である事には違いありません。
そういうことではありますが、石膏デッサンから学ぶ造形の基礎と言うのは、以上のようなことを必ずしも100%習得しなければならないというものではありません。
大事なのは石膏デッサンを通じて、調子とはこういうもの、質・量感とはこういうものという認識を得ることです。これを自覚して描く絵とそうでない絵は必ず違ってきます。
例えば質感の認識は、皮膚の柔らかさ、暖かさ、コスチュームの風合い、果物の艶、ガラスや金属の透明感・冷たさ等の表現、量感は山や森、木立や花束の塊(マッス)の把握などに応用されます。