最終回。いよいよインタビューも最後となってしまいました。うるうる。
最後はもちろん、主役にして我らがオペ研の部長!
びしっと決めちゃってくださいね
高橋「はい。ではインタビューはじめますー」
一同「よろしくお願いしますー」
清水「テンション低いよ」
藤堂「……はいー」
高橋「では、役名と、お名前を教えてください」
藤堂「はい。2幕タミーノの、藤堂公揮という者ですー。あだ名はTDですー」
高橋「本当はあのー、1幕タミーノの細野真央もいるはずなんですけど、ちょっと席をはずしておりますので、このままやらせていただきます。なお、彼からはメールで答えをもらってるんで、随時発表していきます」
中野「私の王子様はどこへ行ったのー(笑)」
(佐々木「真央君はいないけど、外野多くないか?」)
高橋「はい……ではまず、オペ研に入ったきっかけを教えてください」
藤堂「きっかけはですねー。あの、私門下で重唱発表会というものをやっておりまして、ちょっとそのときに先輩がやっていた重唱を見て、オペラに目覚めたのがきっかけですねー。そのとき見たオペラがすごくかっこよくて、自分もああなりたいと思い、このオペラ研究会に入りました。はい」
高橋「ちなみに、そのオペラってなんですか?」
藤堂「『アルルのイタリア女』っていうオペラです。素晴らしいコロラトゥーラなんかが見せ所の曲でして」
高橋「あーなるほどー」
高橋「藤堂君はタミーノという役をやられてるんですけど、その役についてどう思いますか?」
藤堂「あー。タミーノねー。正直、まだ自分の中で入れ込めてない部分があるかなっていうのは感じますねー。なんていうか、やっぱり結構現実とかなりかけ離れた部分とか、ファンタジーな部分とかも兼ね備えてるので、未だに模索中です。ただ、やっててほんとに“イケメン”になりたいなと、日々思う所存ですね」
中野「(笑)」
高橋「はい、ここまこちゃん突っ込みおねがいしまーす」
中野「お願い(笑)もうなんともできない」
(佐々木「え……。私もなんともできない……」)
高橋「ちなみに、真央君は……」
※細野「タミーノは純粋だなって思います。でもまだ自分の周りくらいしか見えてなくて、ホントに成長途中の若者って感じだな。あとは誰に対してもどこにいても堂々としてて、王族の人間の威厳というか風格、みたいなのがあるなって思う。開幕初っ端に蛇に追われて気絶するけど……」
高橋「……俺だけじゃさびしいからちょっとそこの人たち参加してよ」
中野「よし。一緒にやろうか」
高橋「ではここで……1幕パミーナの」
中野「中野でーす」
藤堂「あ、こういう感じなのね」
高橋「こういう感じです。最初はまじめだったんだけどね」
(佐々木「ほんとに最初だけね」)
高橋「では。タミーノと自分の共通点って、何だと思いますか? 真央君は、『自分はちょっと単純なところあるけど、タミーノは純粋だしかっこいい』って」
藤堂「タミーノかっこいいよね~。うーん。共通点はねー。不器用。不器用だしまっすぐだし。ほんとに誰の意見も聞かないで、ぶれない。いいとこでもあり、悪いところですねー」
(佐々木「部長なのに誰の意見も聞かないとは、問題ですね」)
高橋「あー。結構ポイントが。確かに」
中野「しかも、藤堂は、1幕よりも2幕があってると、私は思うんだ」
藤堂「2幕か。1幕はまだ何もしらないからね」
中野「そうそう」
高橋「じゃあ逆に、自分とタミーノはここが違う! ってところは?」
藤井「誠実じゃないところ」
(モノスタトス役の藤井君が参加しました)
中野「あ、思った」
藤堂「おい」
中野「結構やることやるもんね」
藤井「悪いけど、根本的に全部違うと思う」
一同「(笑)」
藤井「似ても似つかないもの」
藤堂「まあ、オペラなんだからいいじゃない! 似ても似つかないものやっても!」
中野「共通じゃないところね……あ、私の中のタミーノって、細いイメージなんですけど、藤堂はちょっと太いところかな(笑)」
藤堂「え、ちょっとまって、え、」
高橋「言いたい放題だな……(笑)」
高橋「えーと……自分を『魔笛』の中のキャラクターにたとえると、どんな感じですか?」
藤堂「自分を? 結構マジな質問だねー。あのねー。モノスタトス、やりたい」
(佐々木「やりたいかどうかは聞いてないんですけど」)
一同「(失笑)」
高橋「……うん。モノスタトス、だと思う。ちなみに真央君もモノスタトスだって。もしくはパパゲーノ」
藤堂「今は、自分よりイケメンなそうちゃん(←藤井君)がやってて、ちょっとそこらへんいろいろあるんだけど。でもねー、モノスタトスやりたいなって思う。ちょっと自虐的なところだったりだとか、パミーナをああやって狙ってるあたりだとか、自分に似てるかなーって」
(佐々木「……狙ってんの? キャーはなちゃん気をつけて!」)
高橋「今モノスタトスやりたいって言ったけど、例えば自分がなんでも歌えるとしたら、何やりたい?」
藤堂「よるじょ(即答)」
一同「えーーーーーー」
藤堂「えーーーーーーじゃないよ(笑)」
中野「なんでよるじょやりたいの?」
藤堂「あんだけ目立ってあんだけすごいことを、なんでも歌えるんだったらやりたいよ」
(佐々木「うん。やってみれば?」)
中野「じゃあさ、ダーメとか他は? よるじょ以外で」
藤堂「うーん……だとすると、ザラストロかなー」
藤井「クナーベって言う人あんまりおらんね」
高橋「確かに! クナーベあんまりいないね」
藤堂「ってかねー、ああいう上の役ってね、やっててね、いい気分になる。実際」
高橋「ちなみに、真央は、パパゲーノだって。あ、ザラストロとかもやってみたいそうです」
藤堂「ほらー。ザラストロいいでしょー」
高橋「『魔笛』の中で一番好きな曲は?」
藤堂「好きな曲は……自分がタミーノやってるってのもあるんですけど、21番Der welcherですね。むしろ自分が歌ってるところよりも、武士が重唱してるところがあの荘厳な感じがすきなんです、僕」
中野「お。きたー」
高橋「やったー」
藤堂「聞いててすごいいいなーと思った。ひろきととしが歌ってて」
中野「あの、男声の3重唱っていうのがいいよね」
藤堂「いや、俺が言ってるとこまだ2重唱だからね」
中野「あ、ごめんなさい(笑)」
高橋「あの、話きいて」
藤堂「まずあなた話聞かないからね」
中野「すいませーん」
藤堂「まあこんな感じですねー。1年も魔笛やってたらいい曲いっぱいありますねー」
高橋「え? 例えば他に?」
藤堂「『Bald』も好きだし、あとやっぱねー、1番のダーメの3重唱も好き。タミーノのところはどうでもいいんだけど、あ、いや、真央君ごめんね、ダーメが出てくるところからが、もう大好き」
高橋「だって、ゆみちゃん」
清水「やったー」
中野「TDTDTDTD」
藤堂「何?」
中野「8番の『Herr』好き?」
藤堂「別に」
高橋「 え」
中野「 え」
藤堂「……え? あ、あ、そういう……、あ、じゃ、好き! 好きです!」
(佐々木「お前、ブログ読んでないな、さては」)
高橋「……俺も、8番言われなくてちょっと傷つきました」
中野「私も傷つきました」
(佐々木「私も傷つきました」)
藤堂「さっき言ったじゃーん! 21番のとこ!」
高橋「でもねー……8番の方がねー……」
中野「もう、いいです。次。次いきましょ」
藤井「じゃあもし、『魔笛』じゃなかったら、本公演何がやりたかったの?」
藤堂「うわー難しい!」
高橋「いい質問だね」
藤堂「いや、実際ほんとに、『コシ・ファン・トゥッテ』のフェルランドをやりたかったとは思ってます」
高橋「えでぃたーぁんとー」
藤堂「でぃーどろーれー」
中野「めーぇすきーれー……」
(佐々木「だからこのくだりわかんないって」)
藤堂「まあ、やれたとしたらね」
中野「将来頑張ってね」
藤堂「あーいどーもー」
藤井「将来的にレパートリーにしたいのっていうのは?」
藤堂「……すごいこの質問は……高望みしちゃっていいのかな?」
藤井「夢は」
中野「でっかく」
高橋「……どうぞ」
藤堂「『ラ・ボエーム』のロドルフォですね」
一同「おー」
藤堂「憧れですね」
中野「え、じゃあちなみにみんなは何がやりたいの? 将来」
藤井「え、答えていいの?」
高橋「どうぞ」
藤井「『ロミオトジュリエット』の、ジュリエットがしたいです」
一同「?」
藤井「間違えた。ロミオです」
中野「『コシ・ファン・トゥッテ』のデスピーナです」
高橋「フィガロかドン・ジョバンニやりたいな」
藤堂「あ、高橋も答えるんだ(笑)」
高橋「ではここから個人的に……。1幕パミーナ、2幕パミーナといるわけですが、それぞれにひとことお願いします」
藤堂「1幕パミーナ……」
中野「1幕パミーナって言ってもわからないでしょ。1幕パミーナは何をしてるんですか」
藤堂「えーと……。1幕パミーナはオペ研副部長の中野沙枝子さんです」
中野「はーい」
藤堂「えーと。はい。えーと、『ありがとう』ですね。それしかないです」
中野「(大爆笑)あはははははははははは!」
藤堂「……あの、自分がオペ研に入った当初から、自分の不器用な部分を支えてくれて、そして文句も言わずにやってくれて、あのー、オペ研の中で一番信頼を置いてる仲間なんで、ほんとにありがとう。それだけです」
高橋「……そういう建前なしに、もう、いくらでも言っていいです」
藤堂「ひとことっていったじゃん!」
(佐々木「副部長の中野さんは決して“ひとこと”ではありませんでしたよ」)
藤堂「もう! 先行きます! 2幕パミーナさんは、萩森花菜さんですね。『ごめんなさい』ですね。あの、ありがとうも言いたいんですけど、謝ることがありすぎてごめんなさいです」
藤井「あの、1つ、助言をさせていただきます」
藤堂「はい!」
藤井「そういうこというけん、怒られるんよ」
藤堂「 あ じゃ、今のなし!」
(佐々木「なしには、できませんなあ」)
中野「まこちゃん編集困るよ」
高橋「うん。困るよ」
佐々木「うん。今回突っ込みどころありすぎて困るよ」
藤堂「両方『ありがとう』なんだよなー。何よりはなはね、まじめに言うと、組んでくれたことそのものがありがとうですね。僕にとっては。でも、実力的にはありえない組み合わせなんです。僕が彼女と組むっていうのは。でもそれでもやってくれて、アドバイスもしてくれて、ありがとうっていうのが実際言いたいことです。たぶん本人に言うといろいろ怒られると思うんで、編集どうにかお願いします」
(佐々木「こういうのをあえて編集しないのが私です」)
高橋「中野さん。あなたには、1幕のタミーノからメッセージがあります」
中野「おお」
※細野「私たちは、出会った途端にお話が終わっちゃうけど、それなら一度見たら忘れられないくらいに見せ付けてやりましょう(笑)」
高橋「だそうです」
中野「そう、ですね。はーい(笑)
高橋「えっと、では。『魔笛』の見どころと魅力を、あつく語ってください。あと、オペ研にひとこと」
中野「びしっと決めてね」
高橋「じゃ、TDはとりにとっておいて、真央君から」
※ 細野「見所はたくさんというか、お客さんたちに、最初から最後まで、目を離さずに見てもらいたいな、って思う。話のつながりがわからなくなるとか、そういうのじゃなくて、1年かけてみんなで作ってきたものだから、是非楽しんでもらいたいです。そして自分たちも、裏では忙しくてバタバタしてても、舞台では楽しんで演じられるように頑張りたいです」
藤堂「えっと。『魔笛』っていうのは、いろんなところで演奏される演目なんですね。よく音楽高校とかでもやってますし。でもオペ研って、演出家と呼ばれる人がいないんですよ。オペラ研究会の『魔笛』って、それが特徴の団体なんで、その分みんなの“個性”がすごく出た『魔笛』だと思います。みんながそれぞれキャラクター研究をして自分の味を出して、自分なりにそのキャラクターを演じている。だからこそ個性をいっさい殺さないで、ここまで駆け上がってきたんだと思ってます。見所はもう、その人たちの人間性です。学生だからできること、学生だからこそ、役と自分が向き合ってできた役。先生とかの助言もありましたが、決して自分を曲げないで自分の持ち味を出したっていうのが、魅力です。『魔笛』っていうストーリーそのものや音楽にも魅力はありますが、今回の『魔笛』は、役それぞれの人柄その人たちの努力の成果を、是非見てほしいです。
こんな感じでいーのー?」
高橋「あーーー」
中野「あーーー。最後よかったのにねー」
高橋「そこいらないんだよなーーー」
藤堂「ごめんハート」
中野「あの、いつも藤堂君ってこんな感じなんですよ」
高橋「うん」
中野「ま、でも彼はとてもまじめな人なので。彼の思いはきっとみんなもそう思ってると思います。是非みなさん、お越しくださーい」
高橋「……まとめちゃったよ。俺がインタビュアーなのに」
一同「(笑)」
中野「ごめんなさーい。はい、しめてしめて」
高橋「なんでまとめちゃったの……まとめちゃったから俺なんもいえねーじゃん……ぶつぶつ」
中野「ありがとうございますっていえば♪」
藤井「お前でしゃばりか」
高橋「でしゃばんなお前」
藤堂「あ、ではこれでインタビュー終わりまーす」
高橋「……ありがとうございました」
高橋「ま、インタビュー、これまでずっと続けてきましたが、えー最後は華麗にしめていただきました……。インタビューはこれで終わりですが、6日の本公演まで楽しみにしていてください。ありがとうございました!」
一同「アオフビーダーゼン!!」
今まで、この他愛もない文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。
本公演が終わっても、私たちオペ研の愉快な仲間達のことが恋しくなったら、たまに見に来てください♪
「アオフビーダーゼン」
さようなら。また、会いましょう!
本公演お楽しみに!
佐々木麻子