今回はゴボ口を治したいと相談にこられた
患者様のご紹介です。
ゴボ口の方の多くがアゴが後方にあるため、
過去にヒアルロン酸を入れたり、
プロテーゼを入れていたりします。
この患者様もアゴを前に出すために
アゴプロテーゼを入れていました。
術前のCTを見ると、プロテーゼの形に合わせて
アゴ先の骨が吸収され凹んでいます。
今回のお悩みはゴボ口。
専門的には「上下顎前突」と言われる状態でした。
口元が出ていると、唇はやや厚目になり
口角はやや前にあり食い込みがなくなります。
下顎も前方に出ているため、回転がかかることで
アゴ先は若干後方に位置しています。
口を閉じる時にアゴ先に
梅干しジワが出来るのが特徴です。
ゴボ口の方は鼻柱と人中の角度が90度ですが、
やや上向きになっています。
この患者様は元々角度はやや鋭角になっています。
また口角の位置ですが、ゴボ口のせいでやや
尾側(足側)に下がっています。
口角が下がり、アゴが後方にあることで、
鼻柱基部ー口角:口角ーアゴ先の比率が
1:1に近づいていきます。
本来は1:2が理想的なので、
アゴ先の位置を調整する必要があります。
術後と比較すると口角は奥に入り込み、
やや頭側に動いてアゴ先が前方に移動することで、比率が1:2に近づいています。
実際の手術ですが、
上顎骨はルフォー1骨切り術で、
前方を約1ミリ短縮して、後方に2.5㎜セットバック
しています。
反時計回りに回転させています。
最終咬合は矯正歯科医が調整したスプリントを使用し、
下顎は前方に移動さえて、bicortical fixationで
行いました。
最後にEラインが整うように、オトガイ形成を行い、
アゴ先の骨を6㎜前方に移動させています。
術前に行ったシミュレーション通りに
骨切りを行い、要所要所で計測しながら
正しく固定できていることを確認しながら
手術を進めていきます。
※写真は全て術後1ヶ月です。
術後は3か月目、6か月目、1年と経過を追っていきます。