『リンカーン』 | RIVERのブログ

『リンカーン』

古くは、典型的なロンドン下町の労働者階級独特のアクセント

(米国英語に慣れた日本人には聞き取り難い)を駆使して、

労働者階級の仲間達が差別していたパキスタン移民の

友人との友情に固執する青年を演じて、独特の存在感を

漂わしていたロンドン生まれのダニエル・デイ=ルイス。


このダニエル・デイ=ルイスがリンカーン大統領が、ケンタッキーの農家出身

として話していた話し方を徹底的にマスターした語り口で、

聴衆に自分の心の内を伝える独特の話術そして、

ダニエル・デイ=ルイスが解釈するリンカーン大統領の

奴隷制に対するスタンス。


ダニエル・デイ=ルイス、そしてスティーヴン・スピルバーグ監督が

解釈したリンカーン大統領は、単なる理想主義ではなく、

大きな目的を達成するためには小事には目をつぶり、

理想の実現に邁進する、一人の人間臭い男であった。


共演するトミー・リー・ジョーンズが奴隷制度の廃止に対し

投票権を含めた“黒人”の全面的開放を考えていたことに対し、

リンカーン大統領の思惑はそこまでの解放は考えていなかったかも

しれないが、アメリカ合衆国から人間が人間を無条件で支配する

奴隷制という悪弊を終焉に導く人間としての使命感を持っていたことは

間違いない。


作品ごとに与えられた役を徹底的に演じ切るダニエル・デイ=ルイス。

本作は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、『NINE』よりより演じ者を共感しやすい

作品として仕上げられている。