「砂漠でサーモン・フィッシング」(Salmon fishing in the Yemen)
ストックホルムに生まれ、ハリウッドでも家族愛を主題にした
優れた作品を生み出しているスウェーデン人監督ラッセ・ハルストレムが
宗教、風土の全く異なるイエメンとスコットランドを舞台に、
ひねりのきいたイギリス的ユーモア、パロディーをふんだんに盛り込んで
制作した「砂漠でサーモン・フィッシング」はその内容はともかく
スコットランド、そしてスコットランドの原風景から緑を
取り去ったロケ地モロッコの大自然の映像が素晴らしく美しい
作品であった。
敵対するイエメンと英国の関係を少しでも緩和することを目的に
イエメンの大富豪であり、スコットランドに別荘を持つシェリフ(族長)
ムハンマドの壮大な計画に便乗するイギリス政府関係者、
半信半疑ながらこの計画に純粋に研究者の立場で貢献する
アルフレッドそしてムハンマドの計画を手助けするハリエット。
ムハンマドの夢は、イエメンの乾燥した峡谷地帯に残されたる水を
集めるダムをつくり、その水を利用して砂漠地帯に人工的な川、
養魚場を整備し、この養魚場に英国の鮭を放ち、
ルアーフィッシングを楽しむことであった。
クリスティン・スコット・トーマス、ユアン・マクレガー、
エミリー・ブラントと芸達者な役者がユーモラスな役柄を
真剣に演じ笑いを誘う。
虚構としての映画、
「あきらめなければ夢はかなう」との監督のメッセージ以上に
夢を手に入れるために犠牲となったものの大きさを
感じたチョッピリほろ苦い味わいの作品でもあった。
