イヌホウズキ 多彩な帰化植物
霜降が過ぎ、来週7日は立冬となる今日の早朝、
多摩川の川面から細かい霧が、放射冷却で冷やされた
朝の空気に向かって立ち上っていた。
河原では沢山の帰化植物が逞しく成長し、
1940年代に日本に帰化したとされ、
今朝も花穂の赤みが増していたセイバンモロコシや、
20世紀はじめに観賞植物として移入されたとされ
大小の穂状の黄色い花が満開となっているセイタカアワダチソウは
大きくて目立つが、
史前帰化植物としてかなり以前に日本に入ってきたとされる、
イヌホウズキも、白く小さな花、花の後で結実するグリーンの実、
熟して黒っぽくなる実で、今が見ごろである。
このイヌホウズキの学名はSolanum nigrum、
ラテン語でナス族を示すSolanumと
同じく黒っぽい、黒色を意味すNigrum=nigraを
組み合わせた、その実の色彩の通りの“黒いナス”。
イヌタデ、イヌガラシ、イヌムギ、イヌホウズキと
イヌを接頭語としている植物はイヌが付かない植物と
似てはいるが食用としては適さず、“役に立たない”との意味を
持つようであるが、このイヌホウズキはなかなか愛嬌があり、
親しめる。
食用としてのナス科の植物の筆頭は勿論
ラテン語でMelon(メロン)+genesis(成る)、の意味を持つ
学名Solanum melongenaのナス、
そして塊茎、塊茎状の意味のtuberosumをつけた
Solanum tuberosum のジャガイモがある。
確かにジャガイモの花とイヌホウズキの花そしてナスの花は
良く似ていて、食用にすることはあまりないがジャガイモの
花から生る小さな実も、どことなくイヌホウズキと似ている。
秋晴れの気持ち良い朝、今日も道路わきでイヌホウズキが
静かに白い花を咲かせ、目立たないが、小さな青い実、
そして熟した黒紫の実をつけている。



