毎年、除夜の鐘は夢の中
正月の歌を歌いながら
煌びやかなお重
新年の食卓を彩る
この日ばかりは
綺麗なおべべ(着物)が着られる
「まだ…ちょっと待ってね。」
母親は、何でもかんでも自分でこなしてきた人なだけあって着物を着せるのもお手のもの
夏の浴衣とは、また違う
スコシ大人になった自分に酔いしれて
とはしゃいでいた
親戚の叔父さんから
「将来、おじちゃんのお嫁さんになってよ。」
っと、投げかけられた言葉を毎年
「嫌!」
断固反対しながら、綺麗な着物を味方にしていた。
産土の神社に挨拶を兼ねて参る
私たちを運んできてくれた神社は、どこかしらしぃんと奥が深そうで謎が多い
この神社は、昔からどこか奥がありそうとというか…ごくりと生唾を飲み込んでしまう
ガランゴロンと自分の腕より綱を体ごと振りながら
まんまいさん
巫女さんの出迎えに見惚れながら今年も大きなくじ箱をふる
「大吉」が出た日には、今年が始まったばかりなのにもう一年が大吉気分になっている
「おめでとうさん」
村の人たちが、交代して担当しながら甘酒を配ってくれる
代々酒屋が先代にある子孫にあたる私なのだが、この甘酒が苦手でたまらなった
「うっ…無理」
どうしてもこの甘酒が飲めないんだ
ふっと両サイドを見るとぐびっと飲み干す兄弟にどうして飲めるのかと唖然とする
「ほら!ちゃんとして!ピシって。こっち向いて」
神社の前で落ち着かない3兄弟ショットが帰りの合図だ
「はいチーズ。」
今年も新しい始まりを迎える