58 桜並木 | 愛しい3の日を君に贈る

愛しい3の日を君に贈る

この人生を命ある限り届けたい。

私は、昔から大好きな桜

どうしてあんなに魅了されるのか


まんまるのお目めがまた大きく見開くのは

太陽の光の隙間から花びらが輝く様がいかにも魅了されて美しいからだ


「ほら、準備して!早く!早く!」

お母さんがいつものように準備を忙がす先の相手は

私たち3兄弟と

父親

の合計4人


おじいちゃんも…?

いやいや、いつもながらもう玄関で両手を組んでいて準備万端だ


とっておきの日に持っていく真っ赤なピクニックバックがどうにもさらに心を躍らせてくれる


「持つ!」

「重いからお母さんが持つからね、さ、ほらほら早く車に乗って!」

「えー▲◯…」


私たちなら世話の相手も判るのだが…


「お父さん!準備できたの!出るよ!ほら、早く!」

そう…だからいつも相手は4人。


早足で玄関を飛び出て、母方の実家に向かう途中…トンネルを抜けると世界が変わったかのように桜並木が私たちを向かい入れてくれる


母方のおじいちゃんとおばあちゃんと待ち合わせ


いつものおじいちゃんも母方のおじいちゃんと会えるのが楽しみなのか表情がいつもよりも増して目が緩んでいる


「わーおじいちゃん、おばあちゃん!」

「よう来たね!」

桜並木の下で、シートをばさっと空に広げて

お母さん力作のおにぎりを筆頭におかずたちがその存在を引き立てている


専ら、おじいちゃんの主食は

「まめ」

なのだが…

この日ばかりは、食欲がいつもより多いんだ


ひらひらとどこからともなく空から舞降りてくる桜の花が弁当の上に色を添える

「桜も一緒。ほら、見て!」


お兄ちゃんも弟も空から降る花びらを見上げて待っている

「わあ!ほんまやー!」

「きゃー!」


そんな当たり前の平凡な幸せが

なんとも大きな幸せなんだ