16 トマト畑 | 愛しい3の日を君に贈る

愛しい3の日を君に贈る

この人生を命ある限り届けたい。

物心ついた1人娘


実の父親が戦死したことを知らず

突然知らない男性が父親になった


世界の

時代の

大人の事情で

勝手に


家族が変わってしまった


若き祖父は、我が娘と

愛おしく思うも


本当の父親には到底叶わない

比較してくれる方がまだマシなのかも知れない


ただ現実を受け止めるしかなく

真っ赤なトマト畑の中でしゃがみ込み


大きな体をくるんで

声を押し殺して泣いていた