以前やっていたことの事例と現在 | 宅男の台湾日記

宅男の台湾日記

 台湾に移住した津軽衆の宅男(中国語でオタクのことを宅男と呼ぶ)です。
 武術、読書に関しての宅男ですが、雪国津軽で育った僕には、南国台湾の風がとても暖かく感じます。
 台湾で思ったことや出来事など、駄文で綴っていきます。
 

 1年前までは、僕は嘘つきと対峙することが基本的な仕事であった。

 そのため、嘘つきを見破るためには、様々なテクニックが必要なのだが、職場の人たちは経験則ばかりで、具体的な学問を研究したり、理論的に説明できる人はいなかった。

 僕は、負けず嫌いだったので、経験則でしか語れない人に負けたくないと思っていた。

 昔は、とても鼻っ柱が強く本当に生意気だったのである。

 そうやって、僕は生意気ながらに独自に色々と模索して、身に付けた技法があった。

 その一例を少し話したい。

 嘘つきを見定めるとき、僕が以前やっていた方法は、まず文字を観る。

 文字から、自分をよく見せたがる傾向があるかどうかを観る。

 嘘つきは、自分をよく見せたがる傾向があり、それは、文字にも出ている。

 さらに、責任感が強いかどうかを観る。

 嘘つきは基本的に責任感がないから、この点はよく確認する。

 お金の使い方、つまり金銭欲についても観る。

 ここ辺りまで軽く観ただけで、文字から嘘つきの傾向があるかどうかがある程度判断できる。
 
 なお、これは嘘つきの観方だが、それ以外にもいきなりキレる激高型、性格異常、執念深い等暴れたりストーカー体質の人間についても、文字から傾向を観ることもある。

 今回は嘘つきの観方なので、他のジャンルについてはまた今度機会があったら話します。

 僕は、筆跡だけはなく、人相学と心理学、五感の作用を駆使して、会話の前に相手の情報を取得して、分析する。

 ここらへんも話し出すと長くなりすぎるので割愛するが、僕が言いたいのは会話だけが情報を得る手段ではないということだ。

 最初から会話だけに終始すると、嘘つき相手だと戯言に惑わされて真実が隠れてしまう。

 会話は、それ以外の情報を吟味した後でいい。

 嘘つきの会話に真実はなかなか見えないが、体は正直に反応する。

 その体の反応を観るためには、見えざる情報を先に分析することの方が大事なのだ。

 長く経営している居酒屋の女将さんなんかも、客を一目観れば大体その人の人となりがわかるという。
 
 これは僕が学問として習得し、実践してきたことと共通する部分もあるだろう。

 女将さんの場合は、学問ではなく長い経験から身についたものであるが。
 
 だが、これまでお話ししたことは人の粗探しの方法である。

 ビジネスに利用すれば、役立つことが多い。

 これらは相手の弱点を見つけて、交渉で勝つための技法に直結するからだ。

 僕は、これらの技法を身につけて、試行錯誤の結果、実践で使えるようになった時、周囲からすごいとか優秀だとか評価されて、天狗になっていた時期もあった。

 けど、冷静に考えると、こういった使い方は、人の弱点などの粗探しが得意なだけでしかない。

 そのことに気づいてから、あまり驕った考え方に溺れることもなく、逆の使い方、つまり人の心を救う使い方の方に真剣に力を入れるようになった。

 これまで話したことは、逆の使い方をすれば、人の気持ちを安らげさせるカウンセリングや占いの技法として使えることができる。

 現在僕は、人と戦う世界から足を洗ったので、これら身に付けた技法を人の心を安心させるための技法に応用して使っている。

 人とぶつかりあうよりも、人を励まして感謝されることの方が、僕自身も気分が清々しい。