阿刀田 高「90歳、男のひとり暮らし(新潮選書)」新潮社(2025)

昨年末、新聞広告で見て、市立図書館にあったので予約しました。
先日ようやく順番が来て、読んでみました。
有益な情報を得るために読む、というよりも、エッセイとして読む本という印象でした。

例によって、面白いと思った部分、印象に残った部分などを書きぬいておきます。もちろん一部には、「有益な情報」が含まれていますが(^_^)

食事のバランス"孫にはやさしく"
まめ、ごま、にく、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、くだもの
(p.12)

中学生のころは科学少年で、化学実験が大好きだった。
化学と料理は兄弟なのだ。(p.14)

「でも結局のところ、なにが好きなのよ?」
と問われれば、
「やっぱり握り鮨かなあ」(p.17)

「老人にはキョウヨウが大切なんだ」(p.20)
―これもよく聞きますね。「キョウイク(今日行くところ)がある」というのも。

私にとって読書は”おもしろいのが一番”これが大原則である。(p.102)

(ユーモアは)「ささやかな、べつな見方」が大切なのだ(p.111)

「人生にはサカが三つある。上り坂、下り坂、それからまさか、だ」(p.112)
―これは小泉元首相で有名になったけれど、毛利元就がはじめとか。

「まったく”池袋は東京都の固有の領土です”なんてジョークもあったもんな」(p.164)

竜土町(りゅうどちょう)なんて恋しい女(ひと)が住んでいた家はもうないな。(p.165)
―私はふと、豊玉中を想い出しました(^^;

薬学に関心を抱き、化学がおもしろくなり「規範化学」という厚い虎の巻を頼りに初歩的な実験を試みていた。(p.168)
―この「規範化学」なる本は、聞いたことがないなあ・・・

「どうしたらよい文章が書けますか」
才筆(井上ひさし)の答えていわく、
”むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに”書くのがよい、と。(p.188)

自身の好きな作品十  p.191~194
―これは、p.213 に、「本書に登場する阿刀田作品一覧」としてどの本に所収されているかのリストが出ています。

あとがきに替えての「提言十ヶ条」、ならぬ「ご自身に対する推し」の7.
密かにエロスを楽しむ(p.209)
―以前、紀田順一郎の文庫本「新版 古書街を歩く」 の p.224~ で読んだ 物集高量 のことを思い出しました。

巻末の「最期の『ありがとう』」は、ちょっとしみじみとした気分になりました。