今回はいつもの完成現場の紹介とはちょっと違って、補修工事の紹介をしたいと思います。
とある居酒屋さんの厨房の防水補修工事です。
鉄筋コンクリートのビルの2階にある居酒屋さんです。
下階がブティックが入居していて、そのブティックの天井から水が漏ってくるとのことです。
調査の結果真上の店舗厨房からの漏水は間違いありません。
しかし、厨房の土間コンクリート仕上げの下に防水層があるため、漏水箇所の特定ができません。
したがって今回の工事は現状の土間コンクリート床の上にもう1層防水層を設け、土間下に水が漏らないようにする計画です。
通常どのような工法の防水でも、防水する面が濡れていたり湿っていたりする場合は<常識的には>防水材を塗ったり吹いたりすることは出来ません。
厨房の防水工事に通常長い工期がかかるのは、防水面が完全に乾いてから防水材を塗らなくてはならないからです。
しかし、今回の工事はオーナー様からの要望でできるだけ店の休業期間を短くしなければなりませんでした。
考えていた工程は:
厨房器具移動 → 床面清掃、ケレン、脱脂 → 乾燥
→ 防水材塗布 → 養生 → トップコート塗布 → 厨房器具設置
という段取りだったのですが、床面清掃の後の乾燥を最低3日間はかけなければなりません。
合計で6~7日間もかかってしまいます(涙)
工期が長くかかってしまうことに頭を痛めていたところ、驚きの工法に出会いました。
超高速硬化型ウレタン吹付防水(長い…) 通称「ジェットスプレー工法 」です。
こちらの防水工法は今までの防水の常識を一気に打ち破った「画期的な工法」です。
何が画期的かといいますと・・・
第一に「すぐ固まる」。
吹き付け型の防水工法なのですが、吹き付けてるそばからどんどん固まっていきます。
吹き付けて3分で歩けます。
さらに「下地を選ばない」。
主材と硬化剤を混ぜて吹き付ける防水材なのですが、有機溶剤や水が一切入っていないため、下地材料を犯すことなく何にでも吹き付けられます。なんと発泡スチロールにも吹き付け可能。
また2mm程度ある塗膜はなんと「水蒸気を通す」そうです。
防水だけども透湿性がある(ゴアテックスみたい)とのことです。
なので下地が多少湿っていても問題無し!だそうです。
(さすがに水がたまっていると吹き付け出来ないようですが)
ちょっと信じられませんがほんとです。
この工法のおかげで通常6~7日かかる工事を2日間で完了する計画です。
実際の工程の写真です。
厨房器具を移動し、既存の塗布防水を撤去します。
プカプカ浮いているところだけでOK。食い付いてる場所は無理にはがす必要はありません。
汚れをふき取り、シンナーで脱脂します。排水溝の中まで防水するのできれいにします。
塗布したくない部分を養生して、プライマーを塗布します。
このプライマーは溶剤系なので結構臭います。
いよいよジェットスプレー工法の出番です。
信じられませんが吹き付けているそばからどんどん硬化していきます。
ウレタン吹付けですが、発泡層は無く、芯まで無垢のウレタンです。
発泡層が無いため、防水層の上に重量物を載せても沈み込みがありません。
また、溶剤を使用していないため、においがほとんどありません。驚きです。
吹き付け工事自体の時間はなんと15分ほどでした。
あっという間に吹き付け完了です。
ジェットスプレーの後にトップコートを塗布します。
面積が広い場合は吹き付けなのですが、この程度の広さであればローラーで塗っていきます。
排水溝の中まで防水+トップコートをしっかり塗ります。
この工法、10年くらい前に開発された工法だそうですが、今までは競技場のスタンド床面やビルの屋上、駐車場など広い面積にしか対応できなかったそうです。
しかし、数年前に手軽に持ち運びできる設備が開発されて、今回のような小さな現場でも対応が出来るようになったようです。
今回このジェットスプレー工法を私自身初めて知りました。
あまりに感動したので、新築の工事ではないのですがこっそりご紹介しました。
厨房の漏水でお困りの店舗オーナーさま、貴店の悩みも解決できるかもしれません。
コメント欄で結構ですので是非ご相談ください。