「森と湖の楽園」で避難生活を共にしてきた人たち。
その中の一家族が今住んでいる長野の松本市に着いた時、
それまで後部座席で寝ていた国太郎が目を覚まして、
「雪がない!」と叫びました。
毎日を河口湖の真っ白な雪景色の中で過ごしている
国太郎にとって久しぶりの、雪のない風景だったのです。
故郷やご主人から離れ、慣れない環境の中で
2人の子育てをしながら、小学校に通わせている
健気で頼もしいお母さんとの久しぶりの会話で、
励ますつもりの私たちが、反対にたくさんの元気をもらいました。
他のキャンプフレンズのみんなとの交流もあって、
支え合っている様子にとても安心しました。
せっかく長野に行くのだから、
「あのねのね」デビューのきっかけをつくってくれた恩師、
「三浦久」さんがやっている「オーリアッド」という
ライブハウスを訪ねよう、というのも今回の目的でした。
お店の営業日じゃなかったので会えないかなぁと思いつつ
電話してみると、
懐かしく、優しい三浦さんの声で、
「夕方、お店を開けて待っています」とのこと。
わざわざ、です。
申し訳なかったですが、大変ラッキーでした。
三浦さんが最近出されたCDの中の「祈り」が
大変気に入っていて、
もしできたらこの曲をライブで歌わせて貰いたいと
思っていました。
それこそ「他人の財布の中に手を突っ込む」
みたいな厚かましいお願いですが、
奥様が作って下さった、とても懐かしい味の、
美味しいスパゲッティを頂いた後、
三浦さんが突然、
「僕がギターを弾くから、清水君、歌ってみる?」
いきなりのプレゼントでした。
このブログでいつか「祈り」を歌いたい、
と書いていたのを覚えていて下さったようです。
観客ゼロ、妻と国太郎と三浦さんの奥様だけでしたが、
オーリアッドで突如、
三浦久・清水国明の「祈り」セッションが始りまったのです。
どうしても三浦さんと同じように歌えない個所がありました。
ドシドと、一回シに下がるところを私はドドドと
歌ってしまうのです。
CDを何回も聞いてはいたのですが、
間違って覚えてしまったようで、そうなるとなかなか
修正できません。
音の流れのクセみたいなものもあって、
三浦さんは「まぁ清水君の歌いたいように歌っても」
と言ってくれたのですが、
それはやがて歌い込んで、自分のものにしてからの
こと。
教わっている段階では、完璧にご本人をコピーすることが
当たり前、それが礼儀でもあると思うのです。
ライブセッションを中断して、何度も何度も
同じフレーズを繰り返して教えてもらっていたら、
いつの間にか国太郎が、ドシドと正しく歌っているよ、
と妻が。
三浦さんに余りお手間をかけるのも申し訳なく、
「後で国太郎に教えてもらったら」と妻も失礼なことを言うので、
臨時レッスン会は終了しました。
三浦さんのCD「祈り」に入っている「碌山」の作品写真集、
三浦さんが翻訳したレナードコーエンのDVD、
を頂きました。(自家製野沢菜も。これが絶品!)
ー愛は芸術なり、相克は美なりー
愛することに理由はない。
愛しているときだけ人は生きている。
6月23日のオーリアッドの「ほたる祭りライブ」に出演予約
してきました。
その時はきっと、碌山美術館の「女」に逢いに行きます。