中国茶文化の中でも「工夫茶」は特別な儀式として知られています。ただお湯を注ぐだけではなく、その注ぎ方によって茶葉の香りや味わいが変わります。本記事では、茶葉ごとに最適な五つの蓋碗注水手法を紹介し、茶の奥深さを感じてみましょう。
五つの注水手法
1. 沿辺・定点・高注ぎ
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対象茶葉:鉄観音、鳳凰単叢、阿里山烏龍など香り高い茶葉。
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特徴:蓋碗の縁を定点として高い位置から注ぎ、茶葉を上下に踊らせることで香りを引き出します。
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ポイント:湯の流れをコントロールし、飛び散りによる火傷に注意。
2. 中心・定点・低注ぎ
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対象茶葉:老白茶餅、プーアル餅、漳平水仙などの塊状茶。
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特徴:湯を茶塊の中心に低く注ぎ、茶葉を徐々に開かせて香りを広げます。
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ポイント:初めの数煎は浸出時間を延ばし、その後短く調整。
3. 沿辺・定点・低注ぎ
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対象茶葉:細かく砕けた茶や量の多い茶。
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特徴:蓋碗の縁に沿って湯をゆっくり注ぎ、茶の苦味を抑えまろやかな味に仕上げます。
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ポイント:浸出後、蓋を数秒開けて余分な水分を蒸発させる。
4. 降温・環繞・低注ぎ
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対象茶葉:白毫銀針、緑茶、ジャスミン茶、金駿眉など繊細な芽茶。
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特徴:低めの湯温を用い、蓋碗の壁を沿うように円を描いて注ぎ、茶葉を傷めず香りを保つ。
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ポイント:蓋をせず、茶葉の形を楽しみましょう。
5. 中心螺旋または覆い注ぎ
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対象茶葉:散白茶、生普洱茶など軽くふわふわした茶。
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特徴:中心から外へ螺旋状に注ぎ、全ての茶葉に湯を均等に届ける。
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ポイント:特に針形茶葉では一煎目の味を大切に。
茶の特性に応じた調整
茶葉の種類に応じて湯温や注水の速度、浸出時間を変えることで、最適な味わいが引き出せます。練習を重ねることで、あなた自身の「工夫茶」の技を磨きましょう。