功夫茶は、中国南部で広く愛される茶の淹れ方で、その名前が示すように、技術と工夫が必要です。この伝統的な方法は、茶の香りや味わいを最大限に引き出すことを目的としています。

功夫茶の基本手順

  1. 治器(器具の準備)

    • 起火から器具の清掃、湯の準備まで、すべてが調和を持って行われます。砂やかんの「魚眼水」状態を見極めるのが鍵。

  2. 納茶(茶葉を入れる)

    • 茶葉を粗さごとに分けて入れることで、均等な味わいを実現します。茶葉は急須の7割程度が目安。

  3. 候湯(お湯の準備)

    • 「蟹目湯」または「魚目湯」と呼ばれる適温の湯を使用。

  4. 沖茶(お湯を注ぐ)

    • 湯を高く持ち上げて注ぐ「高冲低洒」により、香りを引き出します。

  5. 刮沫(茶沫を取る)

    • 注いだ湯に浮く泡を壺の口からそっと取り除きます。

  6. 淋罐(壺を温める)

    • 壺の外に熱湯をかけて保温し、茶の香りを閉じ込めます。

  7. 烫杯(茶碗を温める)

    • 茶碗を熱湯で洗い流し、温度を均一に保ちます。手際よく行うことで、見た目の美しさも重要。

茶を振る舞う際の心得

  • 洒茶の四字訣

    • : 香りを逃がさないために低い位置から注ぐ。

    • : 温度を保つために手早く。

    • : 各茶碗に均等に注ぐ。

    • : 壺に余った水を完全に捨てることで、苦味を防ぎます。

功夫茶は、技法だけでなく、心構えや美学も問われる奥深い文化です。一連の流れを通じて、茶の本質とともに、お互いの気持ちを通わせる時間を楽しむことができます。