功夫茶は、中国南部で広く愛される茶の淹れ方で、その名前が示すように、技術と工夫が必要です。この伝統的な方法は、茶の香りや味わいを最大限に引き出すことを目的としています。
功夫茶の基本手順
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治器(器具の準備)
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起火から器具の清掃、湯の準備まで、すべてが調和を持って行われます。砂やかんの「魚眼水」状態を見極めるのが鍵。
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納茶(茶葉を入れる)
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茶葉を粗さごとに分けて入れることで、均等な味わいを実現します。茶葉は急須の7割程度が目安。
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候湯(お湯の準備)
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「蟹目湯」または「魚目湯」と呼ばれる適温の湯を使用。
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沖茶(お湯を注ぐ)
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湯を高く持ち上げて注ぐ「高冲低洒」により、香りを引き出します。
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刮沫(茶沫を取る)
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注いだ湯に浮く泡を壺の口からそっと取り除きます。
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淋罐(壺を温める)
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壺の外に熱湯をかけて保温し、茶の香りを閉じ込めます。
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烫杯(茶碗を温める)
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茶碗を熱湯で洗い流し、温度を均一に保ちます。手際よく行うことで、見た目の美しさも重要。
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茶を振る舞う際の心得
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洒茶の四字訣
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低: 香りを逃がさないために低い位置から注ぐ。
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快: 温度を保つために手早く。
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匀: 各茶碗に均等に注ぐ。
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尽: 壺に余った水を完全に捨てることで、苦味を防ぎます。
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功夫茶は、技法だけでなく、心構えや美学も問われる奥深い文化です。一連の流れを通じて、茶の本質とともに、お互いの気持ちを通わせる時間を楽しむことができます。