二世教育の将来を共に考える
一世の道と二世の道
それでは、この問題を深く理解する為に、私達一世が復帰されて来た過程を振り返りながら、二世の場合と比較しながら検討してみたいと思います。私達の場合「復帰される前から既に神を信じていたかどうか」と言う問題に関しては個人差があります。しかしながら、少なくとも「内的価値」に関しては 既に入教前からそれらを求めていた人が殆どではなっかたでしょうか。ある人はハッキリと またある人の場合は知らず知らずのうちに内的なものを求めていたが故に 世俗的価値観やありふれた人生には満足出来なかったのではないでしょうか。
更には、最初から原理の全体を知的にほぼ理解出来て 更に御父母様をも信じて迷わず入教した人は少数と思えます。それより殆どの人の場合は、原理に関しては部分的にそれぞれ感動しながらも、むしろこの世にはない新しい「価値観」「人生観」「世界観」に入って行く事への霊的な感銘、使命、導きなどを感じて入教を決意したのが事実ではないでしょうか。逆に言うならば原理やメシアや摂理等を大部分理解出来てその真理性をかなり確信しながらも、最終的に自分自身の中における「価値転換」がなされないが故に入教出来なかったり、又は入教後に離れて行ったりした兄弟姉妹達も沢山いたと言う事です。
ですから、我々の子供達が たとえ我々一世達が入教して来た頃と同じ位の年齢になっても、もし彼らの中に 我々の若い時と同じ様な「内的価値観」を求める姿勢がなければ、いくら同じ様な教育を受けたとしても、なかなか接点が出来て来ません。たとえ彼らが親孝行の心情で「信仰」と「祝福」を受け入れても、いつかは「神」に繋がらない限り 彼らは本当の意味での「祝福子女」としての価値は解らないでしょう。
御父様の御言葉と本心作用
そういう様に見ていくと、二世達のアイデンティティー教育には二段階があることが見えて来ます。今まで、一般に強調されていた祝福教育はどちらかと言うと「祝福子女」としての血統と立場を理解させる事から入って行きましたが、それはむしろ二段階目のアイデンティティー教育であって、その前の第一段階目として先に教えないといけない事は何かというと「二世達は祝福子女である前に神の息子・娘である」と言う最も基本的な創造原理から来る所のアイデンティティー教育です。
そして、その一段階目のアイデンティティー教育とは「価値観教育」であって それが彼ら二世達が将来の「自分」と「神」との関係を作って行く為の大事な基盤となって行くのです。そして、その様な「内的価値観」を志向しながら 結果的に私達を正しい人生観、世界観に導いてくれるものは我々の「霊人体」の中の「生心」から発する所の霊的欲望から来るものであり、これこそが原理の説明するところの復帰摂理歴史における人間の「本心作用」の源です。
お父様は原理講論における「本心」のことを御言葉のなかでしばしば「良心」と呼ばれています。それによると「良心」とは私達が努力して完成させて行くものでも、外から獲得していくものでもなく、たとえ我々が未完成期間にいたとしても 既に最初から神によって与えられたものと言うことです。そして、それは「神」や「親」以前に、既に正しい方向性を知って示してくれる霊的コンパスの様なものとも言えます。更に、その「良心（本心）」は一時的なもの、相対的のもの、可変的なものでは満足できず より時空を超えた 永遠で絶対的で不変的なるものへと自然に導いてくれるものであると言えます。（次号につづく）
（2011年10月21日付）