点検のため 車をディーラーに預けて

取引先へ 地下鉄で向かう






電車に乗り込むと 車内はガラガラ

横並びシートの ど真ん中に座った






すると ドアが閉まる間際に 一人の若い

女性が乗ってきた




派手なピンクのトレーナーに デニムの

超ミニスカート





太めの足を出せるのは やっぱり若さ



なんだろうな




と思っていたら あろうことか

俺の 真正面に 座ってきた





こんなにガラガラなのに? な、なぜだ!




普通 ちょっと ズレるでしょ







俺は 心の中で祈った





お願いだから パンツ 見えないでくれ






チラッ





そんな俺の願いは むなしく 赤のパンツが

思いっきり見えている






そして なぜか その彼女は 俺を 睨んでいる







まさか …






見ないでよ! ってこと?






確か 若い女性が 露出の多い服を着て

それを おじさんが ジロジロ見るのは

【見るハラ】になるってテレビでやってた





世の中 なんでも ハラスメントになる





ただ この場合 どう考えても




【見せハラ】だ





俺は タイプでもない女性のパンチラで

興奮する男子校生ではない






しかし これで 目を逸らすのは なんとなく

シャクだ





しばらく 俺たちは目を合わせたまま

電車は走っていく







うーん





この時間は なんなんだ? ( ̄ー ̄)







電車が停車して 若い男が乗ってきた



それを見かけた 目の前の彼女が

手を振っている 知り合いのようだ





男が彼女の隣に腰掛けた途端 何やら

彼女が男に耳打ちしている


ずっと 俺を見ながら






すると男は立ち上がって 俺に近づいてきた








『何 ジロジロ見てんだよ』







言葉の威勢はいい でも



心なしか その男の声が 震えている





慣れてないのかな しょうがないよな

知り合いの女性に頼まれたら 前に

出るしかない




それが 男 ってもんだ







しかし からまれるなんて 何年振りだろう






今日のブログは これだな


なーんて 冷静に考えてしまった








俺は こういう時







引かない






ただ 次が 俺の降りる駅だ 当然

取引先に遅刻するわけにもいかない






俺は 無言で 睨みながら 立ち上がった





すると 男は 一歩下がった あきらかに

ひるんでいるのがわかる





このまま 胸ぐら掴んで 一緒に

降ろしてもいい






でも 俺は こういう場合の おさめ方を

一応 心得ている







俺は顔を 男に近づけて 低い声で凄んだ










しょうがないだろ



こんなに かわいいんだから











それを聞いていた後ろの 女性が 急に 

しおらしくなり 男の袖を引っ張っていた