東方幻影符

東方幻影符

非公式東方プロジェクトカードゲーム、Phantom Magic Visionを使用した二次創作架空決闘です。
異変解決をVISIONでやってみようという内容なので原作のイメージを壊すのが嫌という人はバックしましょう。
たまにふつうの日記も書いたりするかもねー

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東方幻影符?知らんな。


というのはさておき、ここ最近仕事が忙しくて東方幻影符を執筆する気力が無いツバサ。ぶっちゃけ、夏ってきついよね。今年はなんかマシだけど。

さて、今回はタイトルの通りアンチ・ヘイトに関しての内容を適当に語ったりしたり。





霊夢「・・・何?私のやり方が間違ってるっていうのかしら?」


オリ主「ああ、間違ってるね。

異変を起こした黒幕、その協力者を退治するのは当然のことだ。

けどあんたは、全く関係ない奴らも、目の前にいたからという理由で容赦なく退治しているだろ?」


霊「悪いのかしら?」


オ主「これが間違いじゃないというならあんたはとんだ外道だな。

博麗の巫女?笑わせてくれる。無関係の、何もしていない奴らを自分勝手な理由で傷つけている時点で巫女失格だ。違うのか?」


霊「っ・・・」


オ主「結局異変の首謀者らと同じだよ。幻想郷の平定を保つのが巫女の役割なのにな。

妖怪退治のプロフェッショナルって聞いたからいいやつだと思ってたんだけど・・・とんだ勘違いだったな」


霊「・・・黙りなさいっ!!」


オ主「・・・お前は勝てない、最低の巫女であるお前には、な」





「唐突に何書いてんだお前」とか思った人が多いでしょう。

まずはアンチ・ヘイトの説明から。


私も最近しったことなのですが、アンチ・ヘイトというのは二次創作用語の一つで、簡単に言えば「自身が嫌いな特定の原作キャラクターを、二次創作作品で乏しめたりする」ことです。

つまりまあ、「こいつマジ嫌い。じゃあネットでこいつ○す小説書いてすっきりするかwww」みたいな。極端な例で、全員が○すといった思考を持っているわけではないのですが・・・。


つまり、上の会話文は、東方ファンならわかるでしょうが、東方プロジェクトのキャラクター、博麗霊夢へのアンチ・ヘイトとなります。

とりあえず言っておきますが、霊夢大好きです。今回はあくまでアンチ・ヘイトの例として彼女をその標的としただけなので。やめて夢想封印怖いですごめんなs(ピチューン


今回の場合、霊夢の「異変解決のためなら道中で立ちはだかる連中は容赦なく退治する」という自分勝手な考えから彼女のことを嫌い、霊夢の思考を改めさせる小説を書いた、といった感じです。

今回は抑え目ですが、酷い場合はもっととんでもないことしでかしたりしますからね?


さて、自分もグルっぽでかつて多用した(と思う)アンチ・ヘイトですが、これの問題点は当然あります。

共感してくれる読者が少ない。これがかなり大きいです。


なぜか?それはアンチ・ヘイトの特徴にあります。


アンチ・ヘイトを行う作者の多くは、「一方的な先入観」、「決めつけ」でそれらを行う傾向にあります。

嫌いなキャラのことを深く理解しようとは考えないからでしょう。そのため、そのキャラのファンを中心に批判が殺到します。

それだけなら「ファンの過剰反応」程度で済むのですが、「ファンと言えるほど好きではないが、普通に受け入れてる」という人にとっても受け入れがたいのが多くのアンチ・ヘイトにおける特徴です。


何せ「キャラを理解していない」のに「理解しきった」かのような態度を取り、好き勝手弄り倒すのです。原作へのアンチ・リスペクトを大きくにおわせるために多くの敵を作ります。


また、ヘイトをさせるキャラを正当化させるのも特徴。

一方的に批判することは明らかに身勝手なことですが、それを身勝手とせず、そのキャラが正しいと地の文とともに作者が正当化する。

結果、アンチ・ヘイトされたキャラクターが「悪」となってしまい、言い返せない、逆上する、といった行動を(作者によって)取らされてしまうのです。

原作でのイメージに合わない場合も多く、これも批判の原因。


とはいえ、アンチ・ヘイト自体が許されないことかと言えばそうでもありません。

大抵は「理解していない」うえに「批判する理由に筋が通っていない」のが批判の理由であるため、作者は攻められるのです。


上の場合だと、霊夢の容赦なく立ちはだかる敵を退治する思考に対し「自分勝手な理由で傷つけている」から巫女失格だと否定していますが、そもそも幻想郷は自分勝手な連中ばかりであり、自分勝手こそ正論です。

では通りすがりの存在を退治することに関してはどうなのか?これは霊夢の心中を深く考えれば理由がわかるかもしれません。


霊夢は可能な限り早く異変を解決しなければなりません。そのために「障害になりえる存在はとりあえず撃ち落とす」という思考を持っている可能性があります。

時間をかけるわけにはいかないのです。倫理的には間違っているでしょうが、「博麗の巫女として失格」とは言い切れないのではないでしょうか(長引くと洒落にならない異変も少なくない)。


つまり、今回の場合は「幻想郷での思考」を無視してヘイトを行ったことが矛盾となっているのです。

もし「幻想郷での思考」を考慮して上の文章を書き換えたなら・・・。





霊「・・・何?私のやり方が間違っているっていうのかしら?」


オ主「ああ、間違ってるね。

異変を起こした黒幕、その協力者を退治するのは当然のことだ。

けどあんたは、全く関係ない奴らも、目の前にいたからという理由で容赦なく退治しているだろ?」


霊「目の前にいた、それだけで退治する理由になるじゃない。

こっちも急いでるんだし、当たり前でしょ?」


オ主「外道なやつだな・・・お前に人の心ってもんは無いのか?」


霊「やれやれ・・・そんなんじゃ幻想郷でやってけないわよ?

どいつもこいつも好き勝手やる連中だし、手段選んでちゃ解決できる異変も解決できないわよ。

そしてこれが私のやり方。あんたに何言われたって変わることは無い」


オ主「・・・ちっ、なら力ずくで変えてやる・・・!」





オリ主の敗北が脳裏に浮かびましたね←

異変解決に手段は選ばない、自分のやり方を変えることはしない、そんな霊夢らしさが出てるはずです。

アンチ・ヘイトの文章には「霊夢らしさ」がありません。ぶっちゃけ、「霊夢の姿をした別人」のイメージがあります。

考察が甘いアンチ・ヘイトは、「らしさ」が大きく欠けます。だからこそ「らしさ」を与えるとそれが崩れるのです。

アンチ・ヘイトをするのなら「否定する理由」、「読者等にもその思考が理解できる努力」くらいはするべきでしょう。



キャラを理解したうえで展開するアンチ・ヘイトには説得力があるのです。

キャラを憎むくらいに嫌うのはいいですが、アンチ・ヘイトをするのならまずはそのキャラを多く理解しましょう。


魔法少女まどか☆マギカのキャラクター、キュゥべえはその外道極まりない思考から多くのファンに嫌われている存在です。

悪徳セールスマンとも呼ばれる彼(彼女?)らは、嫌われて当然と言えますが・・・私自身、キュゥべえは好きとは言えませんが、その思考自体を否定するつもりもありません。


まず、彼らの最終的な目的が「宇宙を救う」ことにある点。未来のためにも必要なことであることは確か。少なくとも「宇宙を支配する」とか、「人類を滅亡させる」とか、そんな目的ではありません。


では少女達に「ロクな説明もせずに魔法少女としての契約を迫る」点に関してですが、ぶっちゃけ、「ゾンビ同然の体になる」とか「最終的に魔女になる」とか説明したら、マミが契約した際の状況でもない限りまず契約しませんよね?

一応聞かれれば説明するつもりではあったようなため、この場合は詳細を聞かなかった彼女らにも否があるとも言えなくもない。(魔法少女として戦う続ける以外のリスクがあるとも普通は考えないだろうが)


そして何より、「感情が無い」。それ自体を免罪符とするつもりはありませんが、感情があれば対応が変わっていたであろうことも事実。

彼らには感情が無い。ゆえに相手を気遣えないのは当たり前。一生物としての特性であり、それを責めるのは筋違いと言える。

感情があればどうなっていたか・・・ひょっとしたら、とあるキュゥべえによる地球侵略が始まっていたかもしれない・・・とも考えることができる。


いずれも推測でしかありませんが、あくまでも中立的に考えることが大切だと思います。

深く理解し、それでも納得できない、なぜならこれはこう、それはそう・・・こうして思考を深めれば、そのキャラへの見方も変わるかもしれません。



長くなりましたが、これはあくまでも私の考えでしかありません。

アンチ・ヘイトへの考えは人それぞれであり、それぞれが異なる解釈を持ちます。あくまでもこういう考えもあるんだという参考程度に。

では、今回はここまで。





・・・東方幻影符いつから再開しよう←

タッグにおける戦術の一つ、「役割分担」を最大限発揮することで、現状の最強タッグである藍と橙を打ち倒した魔理沙と咲夜。

パートナーのために好き勝手戦うことの利点を認めた藍の案内で、二人は先へと進んだ霊夢を追う。

そして博麗霊夢は・・・異空間の奥深くへと到達しつつあった。





霊「・・・ここね」



霊夢がたどり着いた場所は・・・どこか不思議な空間だった。

元々謎の眼球が見えていたりとおかしな空間ではあったのだが・・・霊夢側の空間がそれとするなら、その先にある空間は・・・外だ。

と言っても、外の景色が背景となっている感じではある。

が、それは霊夢が見たことのない物であった・・・近くには森があるものの、その遠く先を見ると・・・明らかに木やレンガ等で作られたとは思えないような、大きな建物があるのだ。

しかも・・・遠くから見てもはっきりわかるほど、高い。

それを見た霊夢は・・・ある妖怪から聞いた話を思い出し、その景色がどこの景色なのかを察する。



霊「・・・あれが外の世界・・・そうでしょう?

・・・八雲紫」



その名を呼ぶと同時に・・・「外の世界」側の空間に謎の穴が開く。

それは幽々子戦が終わると開いた穴と同一の物。

そして・・・その中から一人の少女が現れる。

紫のワンピースに身を包み、日傘を差すその少女は・・・霊夢が良く知る存在だった。



紫「よく来たわね・・・霊夢」

霊「あんたが来いって誘ったくせに・・・強大な妖力の持ち主である九尾の狐を式神とすることができる上に、その式神の名字が『八雲』って時点であんただってことを確信したわ。

全く・・・目的は私の実力を見たいから、かしら?」

紫「そんなところですわね。

最も・・・あなたの方はいろいろと聞きたいことがあるみたいでしょうけど?」

霊「ええ、聞きたいことは山ほどある。

でもいくつかに絞るわ。まず・・・VISIONについてよ。

最初の候補は弾幕ごっこだった。でももう一つの候補がVISIONとなって・・・そちらを選ぶことになった。

・・・あんたの言葉でね」



そう、霊夢とともに異変のルールを決め、それをVISIONとしたのは・・・ほかでもない、八雲紫である。

この妖怪はポッと出の新参者ではない・・・幻想郷その物を作り出した、幻想郷の創造者であり、管理者なのだ。



霊「私はVISIONが『安全且つわかりやすく強さを示しあえる』とあんたが言ったから採用した。

実際、デッキ構築だったりプレイングだったりで強さは確かにわかりやすい。

相手のデッキとの相性が悪い時も・・・実戦だって相手の能力との相性が悪い時だってあり得るんだから不公平でもなんでもない。

けど、少なくともこのゲーム、確実に『安全』とは言えないわ。

私は身を持って知った。幻影結界がいくつも重なった状態で強大な一撃を受ければ・・・場合によっては命に係わる可能性もあることを。

だからこそ聞きたい。一体このゲームはなんなのか、このゲームにはどういった力があるのか、なぜあんたはこのゲームを選んだのか・・・」



それを聞いた紫は・・・扇を開いて口元を多い、目を細めて少し考える。

・・・そして、そのままの格好で答えた。



紫「・・・いいでしょう。あなたには話しておかなければならないでしょうから」





――外の世界・・・今あなたが見ているこの風景の世界のことよ。

現在、201X年・・・この世界は、不思議な発展を遂げていた。

世界はいくつも存在する。幻想郷も、その世界の数だけ存在する。

けれど、他の世界における外の世界は・・・ここまでの技術の発展を未だ遂げてはいない。

同時に・・・この幻想郷にとっての外の世界ほど、妖怪や神々といった幻想の存在は、忘れ去られてはいない。

けれど、歴史そのものの流れは全く同じ。この世界も、その流れにちゃんと乗っている。

そして、幻想の存在が忘れ去られた関係上、この世界にはある物が無くなっていた。

他の世界では、種類こそ異なるものの、存在する物・・・そう、VISION。


――・・・どういうこと?歴史の流れが同じってんなら・・・同じ物が生み出されるのが普通のはずなのに。

どうしてこの世界にだけ、VISIONが無いのよ?


――早いうちから、幻想が忘れられていったからよ。

その結果、人々の心からも「幻想の思考」が消えていき・・・あとから生まれたカードゲームであるVISIONは、この世界の歴史では生まれることが無かった。





魔「・・・うーん、よくわからないぜ」

咲「要するに・・・思考の違いがこのカードゲームを生み出さなかったってことかしら?」



魔理沙と咲夜も・・・藍と橙に連れられながら、藍によってVISIONのことを聞いていた。



藍「その通りだ。

カードを見ればわかるが、これには私たちの姿、名前が記されている。

よほど幻想を信じていない限り、幻想の存在である私たちの姿や名前をイメージすることは不可能だろうな。

実際・・・他の世界では私たちは元々物語に登場する人物の一人一人でしかなかった。

それをもとに第三者がカードゲームとしたのが・・・このVISIONなのだよ」

魔「ああ、なるほど。

つまり、この幻想郷にとっての外の世界では、私たちが登場する物語が存在しないんだな?

そりゃそうだよな。原作が無いのにそれをもとにしたカードゲームが生まれるはずがないぜ」

咲「そうなったのは・・・その原作者に、『幻想の思考』が存在していなかったから・・・ね」





――他の世界でも、私たちは幻想郷の存在として生まれているわ。

まあ・・・物語の中でしか生きられない存在でしかないのだけど。


――けど、私たちはこうして一つの世界の住人として存在している。

そしてあんたは・・・この世界に存在しないカードゲーム、VISIONを他の世界から持ち出し、それを異変解決のルールとして採用させたわけね。


――その通りよ。

他の世界にとっては「現実」でしかないけど・・・生み出されなかったこの世界にとっては、まさしく「幻想」そのものよ。

幻想入りさせ、広める分には問題なかったわ。





咲「でも・・・結局このカードゲームは、本来別の世界から持ち出した物なのでしょう?

それも、特殊な力の存在しない外の世界から・・・」

魔「けど、こうして魔力を持っているし、場合によっては相手を死に追いやりかねない力も発揮する・・・まさか、お前らの主は広める前にそんな危険な力を入れこんだのか?」

藍「それにはある理由があるんだ・・・」





――異変解決や決闘の手段として広めるには、「単なるカードゲーム」として紹介するわけにはいかないわ。

だから・・・今後入り込んでくるVISIONも含め、それらに魔力が入り込むよう私が細工をした・・・それは確か。


――なんであんな危険な魔力を入れたのかしら?・・・いや。

そもそも、「なぜあんな危険な力を入れる必要があった」のかしら?


――じゃあ一つ聞きましょう。

もし弾幕ごっこをルールとしたら・・・魔力を使えない者はどうしたらいいのかしら?


――・・・まあ・・・どうしようもないわね。

自分から参加なんてことができないから・・・いざという時にはどうしようもないわね。

それに、魔力の差も問題ね。力押しで攻められたら力のない方は押される。

ある意味平等ではない。それは確かね。


――だからこそ、誰でもそういった力を発揮できるように、危険な要素も混在するあの魔力を入れたのよ。

それなら、力の無い者でも平等に力を発揮して戦うことができる。

幻影結界自体は魔術等の才能関係なしに展開できるようにしてあるから、子供でも戦うことができるわ。

そして、実力はプレイングとデッキ構築力で示される・・・これほど公平なルールも無いでしょう。


――・・・平等とリスクは隣り合わせ・・・ってことかしら?


――公平さを求めれば、必ず何かしらの要素を犠牲にしなければならない。

同じだけの力で戦えるようにするには、それだけの魔力を引き出せるようにしないと難しい。

そして、容易にそれを行えるようにするためには・・・ある程度危険性が孕むくらいの魔力でなければならなかったのよ。





魔「・・・どうも納得しがたい部分もあるが・・・ある意味では仕方ない、と言えるのか・・・」

咲「・・・ひょっとしたら、次の質問で納得できるかもしれないわよ?」

藍「納得してもらいたいところだな。

3つ目・・・なぜ紫様は、このカードゲームを選んだのか・・・」





――ちょっと待ってよ。

だとしたら・・・VISIONである必要はないんじゃない?

この手のカードゲームは・・・外の世界ならいくらでもあるはずでしょ?

異変を解決していかないとカードが増えないなんて中途半端じゃない。

それに、このゲーム以上に完成度の高いカードゲームだってあったんじゃないの?


――バランスのためよ。

他のカードゲームのバランスは・・・少々、というかかなり乱れているものが多いわ。

後攻1ターン目で勝利なんてのは当たり前で、酷い時には先行1ターン目で勝利というのが日常茶飯事。そうでなくとも特定の強いカードがゲーム環境を乱して、結局規制される・・・そんなカードゲームが非常に多いわ。

そんな中、このVISIONは違う。

意識して効果を考案しているからそんなデッキが中々できない。

仮に環境を乱すようなデッキができたとしても、無暗に規制せずにテキストを書き換えることでバランスを保っている。

・・・それが理由の半分よ。


――・・・残りの半分は?


――このバランスこそ、私が求めていたものなのよ。

あなたには・・・いいえ、あなた達には話しておきましょう・・・。





「「近いうちに、幻想郷は滅ぼされる」」





八雲紫、そして八雲藍の声が重なる。

霊夢の後ろには、魔理沙、咲夜、藍、橙がそろっていた。



魔「・・・今言われたことも衝撃だが、お前がまだ勝負を始めてなかったのもある意味衝撃だな」

紫「ここは時間の流れも乱れている。おそらくこのあたりの空間とあなた達の空間の時間の流れが異なっていたのね・・・」

藍「紫様、指示通り、二人の実力を確かめました。

・・・見事なものでしたよ」

紫「そう・・・お疲れ様」



それだけで紫は察したのだろうか・・・目を細めはしたが、満足げな表情であった。



霊「・・・さっさと説明しなさい、幻想郷が滅ぼされるってどういうことなの?」

紫「幻想郷は、世界の数だけ存在すると言ったわね?

正確には、外の世界が存在する世界の数だけ、なのだけど・・・。

そのほとんどの幻想郷は・・・ほぼ同時期に、謎の存在によって滅ぼされるのよ」

咲「謎の存在・・・!?」

藍「紫様といえど、他の世界へ無暗に干渉は行えない。

ゆえに、世界の歴史もむやみに確認することはできないのだが・・・その事実だけは確認できた。

他の世界に存在する別の紫様が伝えることによってな・・・」

紫「詳細は不明。ただ、『何か』によって幻想郷の住民の多くが洗脳され、圧倒的な物量と禍々しい力に圧倒されて最後には幻想郷の博麗大結界が消滅・・・」



「何か」の正体がわからないのは仕方ないが、いくら無暗に干渉が行えないとはいえ、洗脳の方法や禍々しい力の詳細が一切わからないというのは霊夢には納得しがたかった。



紫「考えていることはわかっています。3人とも同じ思いでしょう・・・。

しかし、それ以外のことは全く分からない・・・相手の能力は未知数なのです・・・」



その「未知数」という言葉を聞くと同時に、魔理沙は紫がVISIONを選んだ理由をハッと理解した。



魔「そうか・・・相手をこちらと同じ土俵に立たせるためか・・・!」

紫「その通り。この世界も『何か』が来るかはわからない。けど来るかもしれないとわかっているのなら・・・事前に対策を講じることができる。

そんな中、このカードゲーム、VISIONを見つけたのよ」

咲「しっかりとバランスが取れているこのカードゲームなら・・・相手がどのような力を持っていても、イカサマをされない限り、カードに関しては同じ条件で戦うことができる」

霊「『特殊幻影』やら『永久呪符』とかのイレギュラーはあるけど・・・ま、良くわからない力にわけもわからず潰されるよりははるかにマシね。

・・・異変の手段が単なるカードゲームって時点でどうなのって思ってたけど・・・ある程度は納得したわ」



要約するなら・・・。


複数の幻想郷は、いずれ何かによって滅ぶ未来を迎える。


その能力は洗脳、禍々しい力以外は全く分からない。


そのため、正攻法・・・当初の異変の解決法であった弾幕ごっこ等では対処できない。


ゆえにどんな存在でも相手と同じ土俵に立たざるを得なくなる戦いを探した。


結果、カードゲームであり、そのバランスが整っているVISIONを見つけ出した。


こういうことだろう。



霊「・・・で、私たちの力を試すのは・・・どれだけの実力があるか・・・それを確かめるため?」

紫「その通り・・・実力は高ければ高いほどいい。

安心しなさい、手加減はするわ・・・それでも勝てる確率は低いけど・・・ね」



その時、この空間内が歪み始める。

歪んだ空間は・・・新たな景色を作り出した。

遠くから見えた高い建物・・・それらの中心に、彼女たちは浮いていた。



霊「・・・!」

紫「私が作り出した、『虚(うつろ)の摩天楼』。ここが私たちの戦いの舞台よ。

この空間は私が最も衝撃を受けた外の世界の景色・・・さあ、準備から始めましょうか・・・」





後書き


霊「・・・勝負は無しか。全く、この作者は」


紫「はーい、みんな大好きゆかりんよー」

霊「黙れ年増妖怪。ゲストだからっていい扱い受けられると思うな」

紫「もう、酷いわねぇ。

さてさて、今回は勝負が無い代わりに、東方幻影符の方針説明ともいえる会話を行ったわ」

霊「もうわかってるわよね。『何か』と戦うことが、現在の最終目標よ。

出来ることなら・・・心綺楼あたりまで話を進めてそれをやりたいそうね」

紫「場合によってはいくつかの作品を省略する可能性もあるわね・・・」


霊「実際問題、今回明かされた設定は、多くが早い段階で設定された後付よ」

紫「はっきりと後付と言われないように早い段階で大まかな設定を明かすことにしたらしいわねぇ」

霊「『何か』関係の設定は既に構想が出来上がっているらしいから・・・あとはそこまで東方幻影符が長続きするか、ね」


霊「次はようやく勝負ねぇ」

紫「ふふ・・・どのような勝負になるのでしょう」





次回、ゆっかりんりん

Part4のあらすじ。


咲夜の手によって敵味方ともに動きを封じられる。

しかし、橙はそれをものともせずに大ダメージを与え、魔理沙、咲夜は窮地に立たされる。

そんな状況下、ノードが10以上となれば攻撃力が45となる「追憶の魔導チーム」を場に呼び出すことに成功する。

既に後が無い状況、このカードで決着を着ける以外に、魔理沙達の勝機は無い。

決着は、すぐ目の前に迫っていた。





魔理沙・咲夜 L3 D21:24 H2:2 SN9 CC10


藍・橙 L49 D26:39 H3:1 AN1 SN6 CC8





アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



咲「・・・私たちの場に人間2枚、『追憶の魔導チーム』と『十六夜咲夜』が存在し、妖怪キャラクター、『小悪魔』が存在する。

よって・・・私も『鈴奈庵』をノーコストでプレイ!」

藍「ことごとく運がいいな・・・」



これによって咲夜は手札を5枚にまで増やす。

この手札次第で、咲夜の、そして魔理沙の運命が決まる。



咲「・・・手札を1枚ノードに。

そして『十六夜咲夜』が存在することで・・・ノーコストで『奇術「ミスディレクション」』をプレイ!」

藍(あのカードは・・・!アクティブキャラクター1枚をスリープ状態に、スリープキャラクターをアクティブ状態にするカード・・・!

既に「追憶の魔導チーム」はノード数が10になったことで戦闘力を45にしている・・・これを発動した後はスペルカードの枚数が16になることで戦闘力が48・・・!

仮にこの状況下で逆転するとしたら・・・ザ・ワールドで互いに動けない状況を維持させるのが一番なはずだ・・・!)

「3以上のノードからコストを1支払い、『ディゾルブスペル』を再びプレイ!

そのカードのプレイを通すわけにはいかない・・・残念だが無効にさせてもらうぞ!」



再び発動された「ディゾルブスペル」によって、ミスディレクションは咲夜の手からはじけ飛んだ。

・・・しかし、その瞬間に咲夜の手札から1枚のカードが公開された。

それは・・・スペルカード。



藍「・・・!?」

咲「あなたの慎重さは素晴らしいわ。でも・・・それがあなた自身を窮地に追いやる。

このスペルカードは『銀符「パーフェクトメイド」』。

私のカードのプレイが無効になった時・・・手札のこのカードを公開することで、目標のキャラクター1体に4点ダメージを与えられる!

私はこの効果で・・・『八雲藍』に4点のダメージを与える!」

藍「しまった・・・!」



「八雲藍」の戦闘力は「百鬼夜行絵巻」の効果によって11/5。

そして「式神使役」の効果を受けて17/8。

この4点ダメージが蓄積されることで・・・あと4点のダメージを受ければ「八雲藍」は決死状態となってしまうのだ。

パーフェクトメイドの発動によって、「十六夜咲夜」は瞬間的に「八雲藍」のすぐそばに移動。

そのまま大量のナイフを投げつけ、「八雲藍」に4点のダメージを与えた。



藍(だ、だが・・・これで倒すためにはあと4点のダメージを何らかの方法で与えなければならない!)

咲「『ディゾルブスペル』の効果が無効にされるわけではない・・・もともと無効にできない効果があるから当然ではあるけど。

そしてそのデメリットによって私は再びカードをドローするわ。

・・・狐、あなたはつくづく運が無いわね。私が引いたのは・・・『幻象「ルナクロック」』。

目標のキャラクターをアクティブ状態にするカードよ」

橙「ってことは・・・結局『追憶の魔導チーム』はアクティブに!?」

藍「奴らの目論見を阻止することはできなかったか・・・!」



しかし、ここで咲夜は意外な行動に出る。

コストを1支払い・・・ある効果を発動させた。



咲「私はコストを1支払い、『エレン』の効果を発動!

1ターンに1度、目標の私のスペルカード1枚を選択し、そのプレイを無効にし、手札に戻す!」

藍「なっ・・・それではノードが9になって再び『追憶の魔導チーム』の戦闘力が3分の一に・・・。

・・・いや、待て・・・プレイを無効だと!?」

咲「そう・・・再び『銀符「パーフェクトメイド」』の効果発動!

これもプレイが無効になった扱い。よってこのカードを公開して『八雲藍』に4点のダメージを与える!」



プレイ無効と同時に再び「十六夜咲夜」が「八雲藍」の背後に回り込み・・・そのナイフを再び放つ。

いくつものナイフに貫かれ、彼女たちを苦しめていたパワーの源は消え去った。



咲「ルナクロックは手札に戻る!

そして妖怪が3体分減ったことで、『オレンジ』の戦闘力は13/13から10/10へと減少する!

ターンの終わりと同時に、その戦闘力は4/7へと減少するわ!

これで圧倒的な戦闘修正をあなたのキャラクター達が得ることは無い!」

藍「ここまでやるとは・・・!」

咲「再びルナクロックをプレイして、『追憶の魔導チーム』をアクティブ状態にする!

そして意味は無いけど・・・『銀符「パーフェクトメイド」』をプレイ。

このターン、防御される度に防御を行ったキャラクターは2点ダメージを受ける。

これで冥界のスペルカードは18枚となり、戦闘力は18/18へと上昇!」



あとは魔理沙がどうにかノードを確保することで攻めの準備は整う。

この状態で戦闘力が3倍になれば・・・54。

一撃で削ることは容易だ。



咲(・・・残り手札は2枚・・・。

・・・頼んだわよ、魔理沙・・・!)

「さあ、あなた達のターンよ!」



魔理沙・咲夜 L3 D21:20 H2:2 SN9 CC10


藍・橙 L49 D26:39 H2:1 SN7 CC7



橙「わ・・・私のターン!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



橙「・・・う、うぅ・・・でも・・・簡単にやられると思わないでよ!

私は再び『式符「飛翔晴明」』をプレイ!

今度は『橙』に効果を発動して、合わせて+2/+2の戦闘修正を与えて7/6にする!

そして・・・もう1枚発動!これで戦闘力は9/8に!

さらに藍様の能力を使って戦闘修正+5/+4をノード3以下の妖怪キャラクターに与える!

『橙』は14/12に、『ルーミア』は7/7に、『小悪魔』はスペルカード2枚分を含めて11/8に、そして・・・『オレンジ』は9/11に!」

魔「・・・仮に貫通を得たとしても、ライフを削りきれなくするためか」



たった1度だけのチャンスである。これを防いでしまえば・・・もう手は無くなる。

「オレンジ」は攻撃されるときにアクティブ状態となって、即座に防御が可能。ライフをギリギリ残せれば、「鬼神『飛翔毘沙門天』」の効果によって、こちらが一方的にやられるだけだ。



橙「ターン終了・・・2枚の飛翔晴明は手札に戻る!」



魔理沙・咲夜 L3 D21:19 H2:2 SN9 CC10


藍・橙 L49 D26:38 H2:2 SN7 CC7



魔(私の手札には・・・ノードを確保できるカードが1枚ある。

もう1枚は意味のないカード・・・ノードに加えることができる。

だが・・・次であれを引けないと・・・もうチャンスは無い!

頼むぜ・・・来てくれ!)

「ラストターン・・・ドロー!!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



魔「・・・。

・・・私は『マナの還元』をプレイ!

目標の私の場のキャラクター1枚を破棄し・・・そのコストの半分をスリープ状態でノードとして追加する!

これで・・・『パチュリー・ノーレッジ』を破棄して2枚のノードを加えるぜ!」

藍「一気に決めに来るつもりか・・・!?」



「パチュリー・ノーレッジ」は魔力へと変換され、ノードとなる。

これでノードは11。「追憶の魔導チーム」の戦闘力はなんと54/54。

この空間が大きく歪み始めるほどの圧倒的な戦闘力だ。



魔「そして・・・手札を1枚ノードに。

こいつで最後だ・・・3以上のノードからコストを1支払い・・・『ミニ八卦炉』を『追憶の魔導チーム』に装備させるぜ!!」

藍「な・・・!ここで、そのカードを引き当てただと・・・!?」



「追憶の魔導チーム」の片割れである「霧雨魔理沙」は、「ミニ八卦炉」をその右手で持つ。

戦闘修正+2/0を得ることで・・・その3倍の修正がくわえられる。

よって・・・戦闘力は60/54。



魔「そして・・・コストを1支払う!

これによってターン終了時まで『追憶の魔導チーム』は戦術、貫通を得て・・・攻撃力が耐久力を上回った分の戦闘ダメージを与えることができる!」

橙「えっ・・・『オレンジ』の耐久力は11だから・・・」

藍「その差は49・・・ちょうど私たちのライフを0にできる・・・!?

馬鹿な・・・ここまで圧倒的な戦闘力を得るなど・・・!」



魔理沙は咲夜に目配せをする。

・・・咲夜はそんな魔理沙を見て・・・コクリとうなずいた。

「気にせずに攻撃しなさい」・・・そんな不敵な笑みで。



魔「・・・へへ、行くぜ!

『追憶の魔導チーム』!奴らに・・・そのドデカい一撃を叩き込んでやれ!!」



「霧雨魔理沙」、そして「アリス」は・・・その「ミニ八卦炉」に膨大な魔力を込める。

魔力を込めるだけでもこの空間は震え、今にも崩れそうだった。

・・・そして、一瞬その現象が収まったかと思うと――





ズガアアアァァァァァッ!!!





藍「こ、これほどに巨大な魔砲が・・・!

だが・・・橙!」

橙「は、はいっ!

飛翔毘沙門天の効果!私たちが受けるダメージは相手もその半分を受ける!

60点の半分・・・30点のダメージを、あなた達も――!」



・・・その瞬間、魔理沙と咲夜の周囲に桜の花びらが飛び散った。

飛翔毘沙門天がカウンターとして放つ弾幕は・・・全てその花びらが打ち消していく。



橙「えっ・・・!?これって一体・・・!」

藍「しまった・・・!この効果は・・・!」

咲「3以上のノードからコストを1支払い、『森羅結界』をプレイしたわ!

手札を1枚破棄することでその効果が適用される・・・!」



その巨大な魔砲は――藍と橙をあっさりと包み込み・・・。

魔理沙と咲夜へのカウンター弾幕は・・・桜が飛び散ると同時に、全て消え去った。



咲「・・・発動後、私たちが受けるダメージは・・・。

・・・1度だけ、無効となってその数値分ライフを得る・・・」





魔理沙・咲夜 L33 D20:19 SN10 CC10


藍・橙 L0 D26:38 H2:2 SN7 CC7



勝者 魔理沙、咲夜ペア





勝負が終わると・・・そこにはボロボロとなった藍と橙が倒れこんでいた。



藍「・・・そうか、その手があったのだな・・・。

『森羅結界』なら・・・1度だけだが、飛翔毘沙門天に対抗できたのか・・・」

橙「うにゃー・・・」

咲「すべては・・・私が『森羅結界』を引き当てられるかどうかだったわ。

そして・・・結果論ではあるけど、もしあなたがあの場面で『ディゾルブスペル』を使わなかったら・・・」

藍「ああ・・・ルナクロックを引かせなかったことで戦闘修正を3減らすことができた・・・。

・・・用心深い性格が、この敗北を招いたということか・・・ふふ」



藍の行動は・・・決して間違いなどではない。

これはむしろ当然と言える行為。先のことなどわかるはずもないのだから仕方がない。

咲夜の手札にパーフェクトメイドがあったことなど・・・わかることが異常だ。



魔「どうだ?私たちのタッグは」

藍「・・・全然ダメだ。結局それぞれが好き勝手動いてるだけに過ぎない」

咲「まあ、実際そうだったし」

藍「・・・だが、パートナーのために好き勝手動いたことで、それが勝利を導くことになったと考えれば・・・それもそれで悪くは無いのかもしれないな・・・」


何がタッグとして最も最適な戦術なのか・・・その答えは人それぞれだ。

タッグには様々な可能性がある。そんな中、二人が見せた可能性が、「仲間のために好き勝手戦うこと」である。

「仲間のデッキに合わせる」のも当然一つの答え。それで勝てるかどうかは、当然わかるはずもない。

まだ奥が深いのがタッグだ。


藍「私も・・・まだまだということか」

咲「・・・それはどうかしら。

さっきの戦いを見るに・・・あなたは全力を出せていない」

魔「だな。明らかにお前自身のカードが弱すぎた。

本来の力を発揮できていたなら・・・私たちはこうして逆転なんてできなかったはずだぜ」



ノード5帯のキャラクターが、サポートを受けなければ本来の戦闘力を発揮できないというのは明らかにおかしい。

彼女はそのうえであえて使ったようではあるのだが・・・。



藍「・・・私には主がいる。

その主のカードが無ければ・・・あれくらいの戦闘力しか発揮できないのだよ」

魔「・・・てことは・・・」

咲「もし、主のカードがあったとすれば・・・」



ひょっとしたら・・・最初の総攻撃の時点で倒されていたかもしれない。



魔「・・・なんてこったい、さっきのですらあそこまで苦戦したってのに・・・」

咲「巫女は大丈夫かしら・・・急がないと」

藍「一本道だから迷うことは無いが・・・一応案内しよう。

橙、大丈夫か?」

橙「だ、大丈夫です!まだまだ頑張れます!」

藍「よーしよし、いい子だ」

咲(やっぱり親馬鹿ね)



事情はどうあれ、どうにか式神主従に勝利した魔理沙と咲夜。

本気を出せない状態ですらあそこまでの実力を発揮していたとするなら・・・主の強さは未知数である。

その主に・・・霊夢は近づきつつある。





後書き


藍「ということで14話、終了だな」

魔理沙「やーっと終わったぜー!!」

橙「ふにゃー・・・」

咲「長かったわね・・・」


魔「毎回こんな調子で、いつ最新作に追いつけるんだろうな?」

咲「作者は番外編のようなストーリーも構想しているらしいわよ」

橙「そんなのやったら疲れるよ!」

藍「最初は原作ストーリーの一部を省略して、5、6ボスやEXボスのみ描写しようと考えたようだが・・・やはり1~EXまでやるほうがしっくり来るということで今まで通りやるようだ」


藍「作者が心がけていることがいくつかある。

共通するのが、「ドロー」に関することだ」

魔「一つはあれだろ?手札増強カードをオリカとして登場させて積極的に使わせることはしない、っての」

橙「あんまりにもご都合主義すぎるもんね!いくら困ってるからってそんなことしたら萎えるもん!」

咲「ここまでだと・・・永久呪符の『巡る魂』、そして同じ勝負で使われた、デメリットとしてのドローカード、『同種干渉』くらいね」

藍「そしてもう一つ、そのターンに増強カードを引いたら、次のターンにはなるべく別のカードを引かせること、だ」

魔「『強引な取引』を使わせた、もしくは引かせた場合、次のターンのドローフェイズには全く別のカードを使わせるってことか?」

藍「既に現実ではありえない引きの強さを見せつけている以上、今更な感じもするが・・・いくら便利だからと言って、毎ターン使わせるなんていうのは少々興が冷めかねないからな」

橙「現実だとそんなこと滅多にないもん!」

咲「少しでも現実寄りにしたいってことかしらね。

まあ、同一ターンに連続でドローカードを使わせることもあるけど」


魔「さて・・・次の章はいよいよ妖々夢編のラストだぜ」

咲「博麗の巫女が対峙するのは・・・あの妖怪、ね」

藍「私たちの出番はここまでだ。

またいずれ会えるといいな」

橙「またね!」





次回予告


空間の奥底に待っていたのは、幻想郷最強と言われるスキマ妖怪。

彼女は、霊夢の実力を確かめるべく、VISIONで勝負を挑む。

迎え撃つ霊夢。しかし、その実力は圧倒的だった。

博麗の巫女としての力が、今問われる。


次回東方幻影符、超えるべき境界。

遂に妖々夢編最後の章に入れるぜー!

Part3のあらすじ。


圧倒的に不利な状況下、引きの強さとプレイングによって一気にキャラクターを1体から9体にまで増やすことに成功する魔理沙。

しかし、その布陣はすぐに攻略寸前にまで追いつめられ、反撃そのものも封じられる事態に。

一人で作り上げた布陣に穴が無いはずがないという藍の意見に同意する咲夜。その穴を埋めるべく、自身のターンを迎える。





魔理沙・咲夜 L16 D29:34 H3:3 SN6 CC8


藍・橙 L49 D27:40 H3:2 SN8 CC7





咲「私のターン!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



咲「『アリス』でマナチャージ。そして『パチュリー・ノーレッジ』と『アリス・マーガトロイド』でマナチャージ(2)を行い、合わせて5つのノードを増やす。

4以上のノードからコストを1支払い、『強引な取引』をプレイ。カードを2枚ドロー。

3以上のノードからコストを1支払い・・・『十六夜咲夜』をプレイ!」



魔理沙達の場にさりげなく現れる「十六夜咲夜」。

戦闘力3/2。いつでも手札に戻れる回避効果が存在する。



咲「私たちは『十六夜咲夜』の世界へと導かれる・・・術者が存在することでノード、コストを無視して・・・『幻世「ザ・ワールド」』をプレイ!」



トリップワイヤーの横に同じ世界呪符であるザ・ワールドがセットされると同時に、アクティブキャラクターを除く全キャラクターの動きが完全に停止。

この場は既に咲夜の世界。自由に身動きを取ることはできない。



藍「くっ・・・この世界呪符があっては、こちらのスリープキャラクターはアクティブフェイズでアクティブ状態にならない・・・」

咲「私はまだ奇襲キャラクター、『十六夜咲夜』しかプレイしていないわ。

よって3以上のノードからコストを1支払うことで、『エレン』もプレイする」



金髪の魔法使い、「エレン」が出現。決して傷をつけるとあれに変身するとかはしない。

戦闘力は2/4。マナチャージャーだが、今回はその仕事はこなせそうにないだろう。



咲(あとは向こうがどう行動してくるかに寄るわね・・・魔理沙はおそらく、あの切り札で一撃必殺を狙うつもりのはず。

なら私は、そのサポートをするまでよ。

冥界には既に10枚。もうちょっとね・・・)

「ターンを終了するわ」



魔理沙・咲夜 L16 D29:26 H3:2 SN8 CC10


藍・橙 L49 D27:40 H3:2 SN8 CC7



橙「うーん・・・私のターン!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



藍(ザ・ワールドがあることで、全員のカードはアクティブフェイズでアクティブ状態になることは無い・・・その代わり、それぞれ1ターンに1度、コストを1支払うことで次にプレイするキャラクターに速攻を与えることができる。

だが、橙にそれは必要ない。ノード3以下なら、「疾き加護」によって速攻の戦術を得ることができるのだからな。

そのうえ、私の特殊幻影、「式神使役」を使えば「パペットリッター」の軍団も容易に突破できる。

「小悪魔」の戦闘力はすでに7/6。しかしこれに耐えられるほど強力ではない。

さて、どうするか・・・)

橙「2以上のノードからコストを1支払い、『小悪魔』をプレイしますっ!」


現れたのは魔理沙が場に出したのとは異なる「小悪魔」。

ノードこそ低いが、戦闘力は4/2。スペルカードがプレイされる度に、ターン終了時まで戦闘力が上昇する効果も備わっている。



橙「さらに2以上のノードからコストを1支払い、『蟷螂の斧』をプレイ!呪符カードとして『小悪魔』にセット!

このカードはノード3以下のキャラクターにしかセットできないけど、セットされたキャラクターはノード5以下のキャラクターには防御されなくなる!」

魔「なんだと・・・!?」



途端に勇ましくなる「小悪魔」。

・・・可愛らしく見えるが、やろうとしていることは恐ろしい。



魔「今の『八雲藍』は・・・『百鬼夜行絵巻』の効果で11/5にまで上昇している・・・。

ここで『式神使役』を使われたら・・・+6/+3の戦闘修正を得て、10/5になるのか!?」

橙「まだまだ!私は術者である『橙』がいることで、ノーコストで『式符「飛翔晴明」』をプレイ!

目標のキャラクター1体に戦闘修正+1/+1を与えて、『橙』がいるなら同じ戦闘修正をさらに与える!

『小悪魔』に合計+2/+2の戦闘修正を与えて12/7に!

さらに!スペルカードがプレイされたから『小悪魔』は自身の効果で戦闘修正+1/+1を得て13/8の戦闘力になるんだよ!」



「式神使役」も適用され、「小悪魔」は風の加護も合わさって爆発的に戦闘力を向上させた。

戦闘力13/8・・・単なる小型キャラクターが簡単に得られる数値ではない。



橙「いっけー!ふっとべー!!」



長い詠唱を終えた「小悪魔」は、大規模な竜巻の魔法を唱えた。

・・・現在、魔理沙達の場に存在するキャラクターの中で、防御できるキャラクターのノードは全て5以下。「蟷螂の斧」の効果によって、これを防ぐことができない。



魔「うおっ・・・!?」

咲「うぐっ・・・!」



竜巻に混じっていた鎌鼬によって切り裂かれ、ところどころ傷を負う。

そしてライフは16から3へと減少。どうにか耐えはしたが・・・既に後が無い。



咲「これは・・・きついわね・・・グレイズは2。もらうわ・・・」

藍「よくやったぞ、これで奴らのライフは風前の灯火。

後はあの『パペットリッター』を除去することに集中すればそれで終わりだ。あれが決死状態になる度に、奴らは2点のダメージを受けるからな」

橙「はい!頑張ります!

私はこれでターン終了!飛翔晴明はプレイされたターンの終了時に手札に戻る!」



魔理沙・咲夜 L3 D29:24 H3:2 SN10 CC10


藍・橙 L49 D27:39 H3:1 SN6 CC8



咲「これで私たちのライフは残り3・・・対してあの式神達のライフは49・・・ここまで不利な状況は滅多にないわね。

結局ライフは守れなかったわ」

魔「いや、もしザ・ワールドが無かったらと思うと・・・恐ろしいことになってただろうな。

しかし・・・このライフ差、とんでもないな。これを削りきれないと私たちに勝利は無い・・・」



逆転するためのカードはある。騒霊三姉妹を一撃で葬ったあのカードが。

状況次第では・・・このライフも削り取れるだろう。

だが、この状況では・・・まずノードが危うい。

ノード不足を解決するには、「幻世『ザ・ワールド』」を破棄し、アクティブフェイズを復活させるしかない。

しかし、これはあまりにも危険である。相手のキャラクターの動きすら復活させるということは・・・下手をすれば一斉攻撃でとどめを刺される危険性もはらんでいる。

「勇み足」が無かったのは痛かっただろう。「マナの還元」も、そう高い効果は発揮できない。



魔(・・・ノードを維持しながら、あいつを出すしかない・・・。

やれるか?・・・やるしかない!)

「私のターン!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



魔「・・・手札を1枚ノードに。

5以上のノードからコストを2支払い、『霧雨魔理沙』をプレイ!」



箒に跨り、空間の奥から颯爽と登場する「霧雨魔理沙」。

戦闘力4/2。速攻持ちのマナチャージャー。

このカードなら、消費は実質1コストだ。



魔「マナチャージを行う!

そしてノード6、コスト3のこのカードは・・・代替レースの条件に人間×2、妖怪×1を要求している!

場には『霧雨魔理沙』、『十六夜咲夜』の2体の人間、『小悪魔』という妖怪が1体!

よって条件を満たしたことでノード、コストは無視される!

『鈴奈庵』!私はカードを3枚ドローするぜ!」



これによって魔理沙は手札を4枚に回復させる。

まだ勝負はわからない。魔理沙には手が残っている。



魔「3以上のノードからコストを1支払い、『知識の墓』をプレイ!

デッキから3枚のスペルカードを破棄するぜ」

藍(スペルカードを破棄・・・なるほど、あのカードを使うつもりか・・・)



魔理沙はこの効果で「火符『アグニシャイン』」、「木符『シルフィホルン』」、「銀符『シルバードラゴン』」を冥界へ送る。



魔(・・・さっきのノード破棄も合わさって、15枚!

けど・・・まだ・・・だ!)

「こいつでターンを終了させる・・・!」



魔理沙・咲夜 L3 D21:24 H3:2 SN10 CC11


藍・橙 L49 D27:39 H3:1 SN6 CC8



藍「ふむ・・・私のターンだ!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



藍「手札を1枚ノードにしようか。

さらに『式神使役』を適用して戦闘修正+6/+3を私の場のキャラクターに与える。

私はこれでターンを終了させる・・・いつでも橙がとどめを刺せる状況だ。焦る必要はない」

魔「生憎だが・・・それはこっちの台詞だぜ!

5以上のノードからコストを1支払い、『群青の祟り神』をプレイ!

冥界のキャラクター1体を選択し、他のキャラクターをコストの合計がそのキャラクターのノード以上になるよう除外することでスリープ状態で復活させる!

私はコスト6の『フランドール・スカーレット』とコスト3の『魅魔』さま・・・合計コスト9のこの2枚を除外するぜ!」



冥界から「フランドール・スカーレット」と「魅魔」が除外されると同時に、場に膨大な魔力が渦巻く。

そして魔理沙は場から2枚のキャラクターも除外。

連結素材として除外したその2枚は・・・「アリス」と「霧雨魔理沙」。元々の種族が人間の2枚だ。

必要ノードは・・・8。



魔「来い!『追憶の魔導チーム』!!」



二人が魔法陣を掛け合わせると、新たに巨大な魔法陣として構築される。

二人が連結キャラクターとして生まれ変わった証拠だ。




藍「来たな・・・圧倒的なパワーを得られる、お前だけが持つキャラクター。

戦闘力はお前たちの冥界に存在するスペルカードの数で決定される・・・」

魔「今、冥界にはスペルカードが15枚存在する。

よって戦闘力は15/15だぜ!」

藍「大したものだ・・・この状況でそんな強力なカードを生み出すとは。

・・・しかし、それでいいのか?」

咲「・・・」



魔理沙・咲夜 L3 D21:24 H2:2 SN9 CC10



藍・橙 L49 D26:39 H3:1 AN1 SN6 CC8



藍「そのキャラクターが存在する限り、自身が支払ったノードは全てデッキに戻る。

そして・・・ノード数が10枚以上の場合、そのキャラクターはその戦闘力を冥界にスペルカードの枚数に応じた数値分倍化させる。

現在お前達のノード数は9枚・・・次のターンで再び10枚に戻すことができる以上、それは問題ないだろうな。

そして、その場合・・・戦闘力は冥界のスペルカードが15枚である以上、3倍だ。

よって・・・45/45という圧倒的な力を得ることになるだろう」

橙「うわぁ・・・何これ」

藍「・・・僅かに届きはしないが、そのあたりは特に問題ではないだろう。

しかしだ、橙が場に出した『鬼神「飛翔毘沙門天」』が存在する限り、私たちが受けたダメージの半分は、お前たちも受けることになる。

ここで私たちのライフを0にすることは・・・お前たちのライフも0になるということになる」



そう・・・「鬼神『飛翔毘沙門天』」の効果は戦闘ダメージを受けると同時に適用される。

それによって、仮に藍達のライフが0になったとしても、魔理沙達もダメージを受け、引き分けになってしまうのだ。



藍「それでもいいというなら・・・かまわないがな。

しかし、引き分けで終わるなど、お前たちのプライドが簡単に許さないのではないか?」

魔「ああ、できることなら白黒ハッキリつけたいところだぜ」

咲「ええ。そして・・・私たちが勝利する。

これがこの勝負の結末になるわ」

藍「・・・面白いことを言う。

場はこうして膠着状態・・・いつ決着がつくかわからない。

・・・いや、これが続けば、いずれ勝つのは私たちだ。

そうなればお前たちにとって一番の結果は、引き分け以外にありえないと思うのだがな」



魔理沙達にはほとんど猶予が無い。

「パペットリッター」が決死状態になれば、1体につき2点のダメージを受けることも考えれば尚更。

この多すぎる隙は無視できない。



咲「・・・それでも勝つ。

勝つための方程式は・・・既に完成しつつあるわ」

魔「どれだけ不利な状況でも・・・逆転不可能と言われる布陣でも・・・。

・・・そのライフを、こいつで全て削り取る!」



咲夜のターンで、決まる。

逆転できるか否か・・・咲夜がドローするカードで決まる。



咲「・・・私のターン!!」





後書き


魔「遅れたな」

咲「1日以上放置するだけでこのざま」

橙「ダメダメだね!」


藍「どうしてもロック系の布陣は描かないといけないが・・・そうなるとこの勝負のようにグダグダになるな・・・」

魔「ただ攻撃しあうデッキばかりだとそれこそグダる可能性が高いし、仕方ないことなんだがな。

多様性のあるデッキを紹介する意味でも、今後もこれは続けたいらしいぜ」

橙「でも作者は攻めるデッキが大好きなんだよ!」

咲「正確には大ダメージを与えるデッキが大好きらしいけどね」


藍「いい加減次のパートで終わらせたいところだな」

魔「そろそろあいつらの出番にしたいところだよなー」



次回、たぶん決着?

Part2のあらすじ。


強大な一撃を叩き込もうとする咲夜だったが、藍のコマンドカード、「狐の嫁入り」でその被害を最小限に抑えられたうえに大きなアドバンテージまで与えてしまう。

そのついでと言わんばかりに「フランドール・スカーレット」を失い、ボードアドバンテージを大きく失う。

タッグとしての未熟さを藍に指摘されたうえに、タッグならではの戦術で最大限のダメージを叩き出され、ライフは一気に窮地に立たされる。

どう逆転するか模索する魔理沙。そんな彼女は守りととどめを自分が担当すると咲夜に言い切る。





魔理沙・咲夜 L16 D39:34 H6:3 SN12 CC1


藍・橙 L49 D31:40 H4:2 SN9 CC5





藍(守りととどめを・・・?

とどめはわかる。だが守りとは・・・?

ここまでの彼女の戦いを見る限り、少なくとも防御に特化した印象は受けない。

キャラクターの強化、そしてその攻撃を除去によって補助するのが彼女のデッキのコンセプトのはずだ。どう守るつもりだ?)

魔「私のターンだな」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



魔「さて・・・まずは『アリス』でマナチャージ。

アクティブノードは1枚もないんだが、『悪魔の星』が私たちの場にある。

よってこのカードはノード6、コスト4からノード3、コスト1となってプレイされる。

『パチュリー・ノーレッジ』をプレイだぜ!」



魔理沙のデッキでもおなじみとなった「パチュリー・ノーレッジ」。

戦闘力は6/3、戦闘ダメージを受けない効果を持つが、その魅力はプレイされた時の効果だ。



魔「こいつがプレイされたことでデッキの中から術者が『パチュリー・ノーレッジ』であるスペルカードを1枚手札に加える。

そして私はこの効果でデッキを確認した。『小悪魔』はデッキを確認した際に場に他の『小悪魔』が存在しない場合、スリープ状態で場に出せる。『小悪魔』を場に出すぜ」

(・・・そういや「星符『エスケープベロシティ』」の効果を使う際にもこいつが使えたんだよな。すっかり忘れてたぜ。まあ一つ成長したってことでいいか)



※素で忘れてました←



魔理沙と咲夜の場に「小悪魔」が出現。

戦闘力は3/2。種族:魔法使い1体につき戦闘修正+1/+1を得るため現在は5/4である。



魔「そして私はスペルカード・・・『月符「サイレントセレナ」』を手札に加える」

藍(これまでの戦術から考えるなら、彼女がここで手札に加えるのは「金符『シルバードラゴン』」か「木符『シルフィホルン』」のどちらかのはず・・・なるほど、確かに守りを固めるにはうってつけだな)

魔「そしてノードが4以上存在することで幻想生物、『月符「サイレントセレナ」』をプレイ!」



今度は地面から波のように魔力を吹き出す幻想生物、サイレントセレナが出現。

戦闘力は0/6。とにかく守りに特化した能力を所持している。



咲「けどサイレントセレナだけでは守りを固めたとは言えないわよ?」

魔「ああ。だからまだカードをプレイするぜ。

私はノードが1以上存在することで『蓬莱人形』をプレイ」



「蓬莱人形」が魔理沙の場に出現。戦闘力1/1の人形カードである。



魔「私は3以上のノードからコストを1支払い、『注力「トリップワイヤー」』を世界呪符としてセットするぜ!」

藍(・・・ここでこれを使うわけにはいかないな)

魔「これがある限り、私たちがプレイする人形キャラクターは戦闘修正+2/+1と戦術、先制を得る。

これで『蓬莱人形』は戦闘力3/2の先制持ちだ。

そろそろ行くか。私は5以上のノードからコストを3支払い、『星符「エスケープベロシティ」』をプレイ!」

橙「にゃ・・・」



橙は嫌そうな表情をする。

魔理沙と咲夜は知らないが、橙はこのカードを決め手にされて霊夢に敗北したことがあるのだ。



魔「冥界に存在するエスケープベロシティ1枚につき5の数字を数える。ノード破棄で両方がノードに送られたから10だ。

そしてノード10以内に収まるようキャラクターを選んで持ち主の手札に戻す!」

藍「なるほど、お前の狙いは『八雲藍』、『橙』、『アリス』を橙の手札に戻すことか。

そうすればそれらは橙のターンが訪れるまで使うことはできない。

・・・だが、3以上のノードからコストを1支払って『ディゾルブスペル』!相手に1枚のドローを許す代わりにスペルカードのプレイを無効にする!これを無効とすることはできない!」

魔(やっぱり来たな。それも「ディゾルブスペル」、好都合だぜ)



魔理沙の手からエスケープベロシティが吹き飛ぶ。

しかし気にせずカードをドロー。早いうちからカウンターカードを潰せたのは大きい。



魔「これで終わりはしないぜ?さらに3以上のノードからコストを2支払い、『パペットリッター』だ!

目標のプレイヤー・・・ここは私を選択。そのプレイヤーのデッキの上から3枚をアクティブ状態で場にセット。戦闘力3/1、人形持ちのキャラクターとする!

こいつらが決死状態になった場合、1体につき2点のダメージを私たちは受ける。そしてトリップワイヤーの効果を受けて5/2の先制持ちになるぜ!」



槍を持った人形が3体出現。

魔理沙達の場は一気に守りを厚くしていくが・・・まだ魔理沙は展開していく。



魔「『ディゾルブスペル』を使ってくれて感謝するぜ。おかげでこいつを引けた。

『カモフラージュ』をプレイ!目標のキャラクター1体を任意の種族に変更し、ターン終了時にカードを1枚ドローする。

私は・・・とりあえず『小悪魔』を魔法使いに変更するぜ。

戦闘力は6/5になるが、そこは重要じゃない。これで魔法使いは3体そろった。

こいつはノード6、コスト2のカードだが、代替レースに魔法使い3体を要求している。よってこの状況ではノーコストでプレイ可能だ!

『魔法少女達の百年祭』!私の場の魔法使いキャラクターは、その時点で存在する魔法使いの数だけ戦闘修正を得る!

だから魔法使いたちは戦闘修正+3/+3を得るが・・・別にいいんだよな、今は」

藍(・・・まさか・・・!)

魔「私はこいつでターンを終了する!

そして『魔法少女達の百年祭』はターン終了時に手札から魔法使い1体をスリープ状態で場に出せる効果を持ち、それを使った場合、冥界のこのカードを手札に戻せる。

私はこの効果で手札から『アリス・マーガトロイド』をスリープ状態で場に出すぜ!」



ここで魔理沙が場に出したのは、ノード6、コスト2の『アリス・マーガトロイド』。

戦闘力は4/7。このカードが存在する限り、人形が決死状態になった場合、そのコントローラーはカードを1枚ドローする効果が人形に付与される。

そして魔理沙は「魔法少女達の百年祭」を手札に。さらに「蓬莱人形」と「カモフラージュ」の効果で合計2枚のカードをドロー。



魔理沙・咲夜 L16 D29:34 H3:3 SN6 CC9


藍・橙 L49 D31:40 H3:2 SN8 CC5



藍「な、なんという引きの強さだ・・・そして圧倒的な展開力・・・。

たった1ターンで・・・8体ものキャラクターを増やしたというのか!」

咲「しかも・・・あれだけ展開したにも関わらず、魔理沙の手札は3枚余っているうえ、ノードもまだ6残っている・・・なんて派手で計画的なプレイングなのよ・・・」



この光景にはさすがの藍、咲夜も驚きを隠せなかった。

守りを担当すると言った傍から、本当に守りのための布陣を展開したのだ。橙に至っては茫然としている。


まず、トリップワイヤーによって先制の効果を受け、戦闘力を上昇させた「パペットリッター」が並の攻撃を受け止める。


それを上回ろうが、サイレントセレナはダメージを無効にし、さらに相手のアクティブキャラクター全てをスリープ状態に。しかも次のターンでのアクティブも封じてしまう。


さらに次のターン以降は戦闘ダメージを受けない「パチュリー・ノーレッジ」、耐久力7の「アリス・マーガトロイド」が動き出す。防御に回すことも、マナチャージをさせることもできる。ちなみにどちらもマナチャージ(2)。2体同時にマナチャージしようものならノードは4増える。


そのうえ魔法使い達は魔理沙が手札に握っているコマンドカード、「魔法少女達の百年祭」によって大幅な戦闘修正を得られる状況。仮に魔理沙が魔法使いを手札に握っていようものなら、展開と使い回しが可能だ。


「小悪魔」は魔法使いが増えるたびに戦闘力を増していくキャラクター。展開と使い回しが繰り返されるたびに強化されていく。


そして「アリス・マーガトロイド」がいる限り、人形が決死状態になってもそのプレイヤーはカードを1枚ドローできる。ディスアドバンテージも最小限に抑えられるのだ。

その「アリス・マーガトロイド」はスリープ状態にすることでデッキから人形カード1枚をアクティブ状態で場に出せる。


また、「魔法少女達の百年祭」によって魔法使いが場に出るとしたら・・・その魔法使いによってはこの場がさらに強力な布陣と化す可能性もある。

場合によっては咲夜もある程度この布陣の恩恵を受けられる可能性もある。

攻守ともに隙のない・・・ほとんど完璧なまでの布陣だ。



魔「さて・・・どうにかここまで展開できたな。

あとはあれを引き当てるまで耐えるか・・・」



そう言った魔理沙は額に汗を垂らしている。

これだけの布陣を展開しても、まだ不安があるのだろう。

しかし、咲夜からすればこの布陣、もはや手を加える必要が無いくらいにすさまじいものだ。



咲(・・・攻めもサポートも両立してしまってるじゃない。ほとんどあなただけのプレイよ、これ。

本当・・・あの巫女共々すごいわね、あなた達は・・・)

藍(紅魔館の魔女、人形遣いの戦術を織り交ぜた布陣・・・通常なら二番煎じの戦術と馬鹿にするところだが・・・ここまで他人の戦術を自分の物にし、うまく活用するとは・・・)



この強固な布陣を崩すのは骨が折れる。場を一掃するカードでも引ければ話は別だが、都合よく引けるわけでもないし、引けたとしてもカウンターされる可能性もある。

「恋符『マスタースパーク』」でいい、などという理屈は簡単には通用しないのだ。



藍「私のターン」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



藍(なるほど、役割分担か・・・。

霧雨魔理沙は自身が守りととどめを担当し、咲夜にはその補助を任せるつもりなのだな。

・・・とはいえ、既に補助が必要ないくらいに完璧な場となってはいるがな。

さてと、どう切り崩すべきか・・・重要なのは「月符『サイレントセレナ』」の除去だな。そちらを優先するべきではあるが・・・まだ除去カードを引けていない。

ひとまずは手札を補充するとしようか)

「4以上のノードからコストを1支払い、『強引な取引』をプレイ。カードを2枚ドローさせてもらうぞ」



そう言ってカードを引く藍。

引いたカードと合わせて手札、場を確認すると――目を細めた。



藍(どうやら・・・反撃を恐れる必要はなさそうだな)

「私は『アリス』でマナチャージ。

さあ行くぞ!特殊幻影、『式神使役』を発動して私の場の妖怪達はもっともノードの高い『八雲藍』の戦闘力、8/5の半分、4/3の戦闘力を得る!

『八雲藍』で攻撃!」

魔「無駄だ!どれだけ攻撃力があろうが、『月符「サイレントセレナ」』はダメージを無効にして破棄、相手のアクティブキャラクターを全てスリープ状態にする!」



「八雲藍」が回転しながら突っ込むが、サイレントセレナは弾幕の波を広げて弾き飛ばす。

そして波は藍と橙の場にもおよび、アクティブ状態のキャラクター、「橙」、「蓬莱人形」、「鬼神『飛翔毘沙門天』」の態勢を崩させ、スリープ状態とした。

この3体は、次のターンのアクティブフェイズでアクティブ状態にはならない。



魔「次から反撃開始だ!覚悟しておけよ!」

藍「それはどうかな?まだ私はターンを終了していない。

お前たちの場に存在する『悪魔の星』、それは私たちにも有効だ。

ゆえに私はノード6、コスト3のこのカードをノード3でプレイする!

現れろ、『八雲藍』!!」



結界の奥から再び回転しながら現れる「八雲藍」。

しかし、その戦闘力はあまりにも頼りない4/4だ。



咲「・・・随分と弱いわね」

藍「本来はあるカードと組み合わせるものだ。

・・・まあ、今の場面ではその効果はどうでもいい。私はノードが4以上存在することで『密符「御大師様の秘鍵」』をプレイする!

このカードは私の場のキャラクター1体を破棄することで、冥界からノードの合計が破棄したキャラクターのノード以下となるようキャラクターを2枚まで選択し、スリープ状態で場に出せる。

私はたった今出したノード6の『八雲藍』を破棄し、ノード2の『ルーミア』とノード2の『オレンジ』を場に出させてもらう!」



「八雲藍」がその場から消滅。

・・・すると同時に、「ルーミア」と「オレンジ」が導かれるように冥界から湧き出た。

「ルーミア」の戦闘力は3/2、「オレンジ」の戦闘力は0/3。



魔「そいつらを出して一体何を・・・。

・・・『オレンジ』?」

咲「しまった・・・その手があったのね・・・!」



すぐに二人は事の重大さに気づいた。

それは「オレンジ」。かつて霊夢と文を苦しめた、紅魔館の門番も愛用する小型キャラクターだが・・・その戦闘力は場の妖怪1体につき+1/+1上昇していく。

現在「八雲藍」は「百鬼夜行絵巻」によって妖怪3体分。よって妖怪の数は合計6体。

戦闘力は6/6上昇し・・・6/9となってしまった。

肝心の八雲藍も・・・特殊幻影を除いた戦闘力は10/5となってしまっている。

次に特殊幻影を使ってきたとしたら・・・戦闘修正は+5/+3だ。



魔「ちっ・・・だがこっちには『魔法少女達の百年祭』がある!

魔法使いの展開だけじゃなく、魔法使いの数だけ戦闘修正を与える効果もあるんだ!

『オレンジ』は何度も相手の攻撃を防御できる強力なキャラクターだが・・・魔法使いが増えれば増えるほど、その攻撃力は『オレンジ』の耐久力を上回る!」

橙「そうはいかないんだよ!私は幻想生物、『鬼神「飛翔毘沙門天」』をプレイしているんだから!

このカードがいる限り、私たちがダメージを受けるたびに、その半分、端数切り上げの数値分相手もダメージを受けないといけないんだよ!」

魔「なんだと!?」



そう、この時点で魔理沙達のライフは16。対して藍達のライフは49・・・。

32以上のダメージを与えた時点で、魔理沙達は16点以上のダメージを受け・・・敗北してしまう。

つまり、あちらとしてはとっくに反撃への対抗手段は完了していたわけだ。



藍「私はこれでターン終了。さて、この状況をどう攻略するかな?」



魔理沙・咲夜 L16 D29:34 H3:3 SN6 CC8


藍・橙 L49 D27:40 H3:2 SN8 CC7


魔「くそ・・・守れるだけじゃどうしようもないってのに、攻め手すら封じられるなんて・・・」

藍「お前の展開力は素晴らしかったよ。そこまで大量のキャラクターを一度に並べることなど滅多にできることではない。

しかしだ。所詮それはお前ひとりが作り上げた布陣でしかない。必ずどこかに穴ができる。

たった一人で守りきれるなど、考えないことだ」

咲「ええ、その通りね」



そう言ったのは咲夜。

先ほどまでは勝てないことを悟って暗い表情をしていた彼女だったが・・・今では表情を険しくしている。



咲「魔理沙、あなた言ったわよね。守りととどめは自分にまかせろって」

魔「あ、ああ・・・」

咲「だったら私の役目は補助でしょ?

狐が言う穴を埋めるのが・・・私の役目じゃない。

二人なら守りきれる、そうじゃないかしら?」

藍「二人なら守れる、とは限らないがな」

咲「守り切って見せるわ、絶対に。

これ以上・・・ライフを削らせはしない」



そんな彼女の目は・・・紅く染まっていた。





後書き


藍「・・・本編ではまだ冷静な私だが、実際こんな光景見せられたら焦るぞ」

橙「人でなし!」

魔「猫と狐のくせに」


咲「目には目、大量展開には大量展開といったところかしら」

藍「それでも魔理沙の展開力にはかなわないな。

人形デッキでもこんな展開は中々見られないな」

魔「作者が思いついた限りの展開方法を詰め込んだ結果、ああなったらしい。

ここまでデッキが回転してくれれば文句なしだよな、実際」

橙「架空勝負なんだから回って当然だよ!」


魔「・・・ところで、今回橙の台詞があまりなかったな」

橙「・・・しょぼん」

藍「よしよし、次はきっと台詞があるさ」

咲(やっぱり親バカね)





次回、はおそらく8日だよん

Part1のあらすじ


謎の空間にて2体の式神、八雲藍と橙に遭遇した霊夢達。

霊夢を先に行かせ、魔理沙と咲夜は2体と戦闘を行うことに。

霊夢戦では単なる小型ビートであった橙のデッキは、自身の特殊幻影によって速攻ビートへと変貌。藍の特殊幻影による支援も可能という状況、厄介な勝負になることを二人は予感していた。





魔理沙・咲夜 L50 D39:43 H6:7 AN2 SN1



藍・橙 L50 D41:41 H6:4 AN1 SN4 CC3





咲「私のターン。

アクティブ、メンテナンスフェイズと素通りするところだけど、ここで私たちの冥界に存在する『魔法の森』の効果を適用させるわ。

このカードが冥界に存在し、自分の場に種族:魔法使いが存在する場合、このカードを冥界から除外することでデッキの上から1枚をアクティブ状態でノードにセットする。

本来なら私たちの場に魔法使いはいない。けど『アリス』は私たちのノードが3以上存在する場合種族を魔法使いに変更できる。

よってこの効果を適用でき、『魔法の森』を除外して私のデッキの一番上をノードにするわ」



ドローフェイズ→メインフェイズ



咲(これでノードは4。あの2匹との差はほとんどない。

けれど彼女たちの特殊幻影、「疾き加護」による小型キャラクターの速攻付与は厄介ね・・・小型キャラクターはサポートが地味に強力。50点のライフもあっさり削られる恐れがある。

・・・確か魔理沙はさっきのターン、「魔法の森」の効果で2体の魔法使いを手札に加えた。

となれば、このカードは有効に働くわね。彼女らは「疾き加護」の存在を前提としているはずだし・・・積極的に行きましょう)

「手札1枚をノードにして、『アリス』のマナチャージ。

そして4以上のノードからコストを3支払い、『悪魔の星』をプレイ!」



魔理沙、咲夜の場に輝く星が出現。

それを見た藍は険しい表情を見せた。



咲「この星は装備/場。よって私たちの場に残り続ける。

これがある限り、お互いに必要ノード6以上のキャラクターをプレイする場合は、そのノード、コストを3引いてプレイすることが可能。

まだまだ行くわよ、このカードは必要ノード8、コスト6のカード。

『悪魔の星』の効果が適用されてそれぞれ3ずつ引かれ・・・さらにこのカード自身の効果により、ライフ6点を捧げることでさらに3ずつ引く。

これによってノード2、コスト0で妹様、『フランドール・スカーレット』をプレイ!」



周囲から蝙蝠が集まり、徐々に一人の吸血鬼を形作る。

9/9の圧倒的な戦闘力を誇るVISION内でも屈指の扱いやすさを誇る重量級キャラクター、「フランドール・スカーレット」だ。



橙「でも攻撃はできない!

・・・はずですよね?」

藍「そのはずだがな、さて、どう出るものか」

咲「私はこのカードを術者である妹様が存在することでノード、コストを無視してプレイ。

神器スペル、『禁忌「レーヴァテイン」』を伝説を所持する妹様に装備!

装備した妹様の戦闘力は5/2上昇し、14/11となる!」



炎の剣を得たことで圧倒的な戦闘力を得る「フランドール・スカーレット」。

攻撃はできないが・・・この点はさすがに考慮してある。



咲「私は2以上のノードからコストを1支払い、『奇術「ミスディレクション」』をプレイ。

目標のキャラクター1体をスリープ状態にし、別のキャラクターをアクティブ状態にする。

私は『西蔵人形』をスリープ状態にし、『フランドール・スカーレット』をアクティブ状態にするわ!」



これで「フランドール・スカーレット」は圧倒的な戦闘力を存分に発揮できるようになった。

14点のダメージを与えることができれば相当な打撃だ。



咲「さあ、妹様の一撃を受けてみることね!!」



そしてレーヴァテインを振りかざし、藍達に勢いよく接近、剣を振り下ろす。

にゃー!と橙は頭を抱えて防御の態勢を取っていたが・・・藍は攻撃をただ静かに待っていた。



魔「・・・まさか、この強襲に焦りを見せてないのか!?いくらグレイズ5が得られるからって・・・」

藍「グレイズ5が得られるのだ。焦る必要は・・・ないだろう?」



言葉を言い終えると同時に・・・その一閃をその身で受ける藍。

・・・が、ほとんど堪えていないようである。

それもそのはず・・・ライフは50から49にしか変動していないからだ。



咲「・・・なんですって・・・!?あの一撃がたったの1点分・・・!?」

魔「・・・奇妙な空間だから演出だと思ってたが・・・雲が無いのに雨が降っているぜ。

もし外なら・・・狐の嫁入りって言われてただろうな。

・・・やられた。『狐の嫁入り』か!」

藍「ふふ、ようやく気付いたか」



そうして藍が見せつけたのは「狐の嫁入り」。

ノード1でプレイできるカードだが・・・先制、または貫通を持つキャラクター全ての戦闘力を、このターンのみ常に1/1とする効果を持つ。

ただ1体の攻撃を防ぐ目的だけなら「障壁」の下位互換でしかないが、このカードはダメージを0にしない点、そして戦闘力を減少させるという点で大きく差別化できる。



藍「たった1点、されど1点。私たちが戦闘ダメージを受けたことに変わりはない。

『フランドール・スカーレット』のグレイズ5はもらうぞ。

そして『禁忌「レーヴァテイン」』の効果で私はデッキの上から5枚を冥界に」

咲「必殺の一撃を最小限に抑えるなんて・・・『障壁』で防がれた方がまだマシだったわ。

私はこれでターンを終了させるわ・・・」

藍「おい橙、そろそろ頭をあげたらどうだ?」

橙「うにゃ・・・?

・・・あ!なんでかわからないけどあのキャラクターの耐久力が1に!これはチャンスだね!

コマンドカード、『狙撃』!目標のキャラクター、『フランドール・スカーレット』の1点ダメージを与える!」

咲「!?」



不意に放たれた小さな弾幕が「フランドール・スカーレット」に直撃。

耐久力がまだ1点となっていた「フランドール・スカーレット」は、ダメージを受けて決死状態、破棄された。

橙の手札に「狙撃」があることすら読んでいたのだとしたら、この式神は・・・相当頭が切れるのだろう。

これによって咲夜はこのターン、ライフ6点と手札3枚を無駄に消費してしまったことになる。

グレイズも大量に与えてしまったうえに、肝心のデッキ破壊も連結カードに利用されることを考えればあまりいいとは言えない。



咲「・・・厄介な」



魔理沙・咲夜 L44 D39:40 H6:3 SN6 CC1


藍・橙 L49 D31:41 H5:3 AN1 SN9 CC3



橙「私の・・・」

藍「橙、少し待ってくれないかな?」

橙「?はい」

藍「無様な物だな、このような基本的なコンビネーションで大損害を被るとは」

咲「・・・なんですって?」



唐突な挑発的な言葉にはさすがの咲夜も黙ってはいられない。

事実であるのも確かだが、挑発なら反応せざるを得ないだろう。



魔「安い挑発だろ?あの程度の損害どうとでもなるさ」

藍「その精神を貫こうとするのはやめた方がいいぞ。

これまでのお前たちの勝負を私たちはずっと見てきた。

そう、お前の主が起こした異変の頃からな」

咲「・・・あの異変から・・・?」

藍「当然、お前たちのタッグVISIONも見せてもらったが・・・はっきり言ってなってない。

勝負の前にタッグVISIONに適したデッキに改良しているつもりのようだが、それでも基本的にはそれぞれのコンセプトが色濃く出たデッキでしかない。

当たり前だな。白黒のデッキは魔法使いを中心としたノード加速、除去を中心としたデッキ。

そしてそちらのメイドは『悪魔の星』を起点に大型キャラクターをプレイ、その攻撃力の高さと『十六夜咲夜』の行動操作スペルで不意の一撃を叩き込む強襲型のデッキだ。

それぞれのデッキはかみ合う要素が無い。タッグVISIONでその点は致命的だ」



実際その通りである。あの時、霊夢と文もタッグを組んだことがあるのだが・・・霊夢は魔界人を中心としてその展開力で押し切るビート重視のデッキ。

文の方は「射命丸文」のハンデスを中心として相手の戦術を崩していく少々特殊なデッキ。

戦術としては全くかみ合ってはいなかった。



藍「肝心のコンビネーションも、他のデッキでも問題なく使える汎用性が高めのカードを使ってやるだけの何の面白みもないものだ。

個々の実力だけで勝てるほどタッグVISIONは甘くない。この勝負、お前たちに最初から勝ち目はないよ」

咲「言ってくれるわね。あなた達は所詮特殊幻影のかみ合いを利用しただけのコンビネーションのくせに」

藍「ああ、そう見えるだろうな。

だが本当のコンビネーションはここからだ。さあ、橙」

橙「はい!私のターン!」

魔(・・・コンビネーション、か・・・。

正直咲夜とのコンビネーションは自身が無いんだよな。そう考えると・・・確かにこの勝負、私たちの勝利は無いのかもしれん)



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



橙「3以上のノードからコストを1支払い、『橙』をプレイ!

私の特殊幻影によって速攻を得るからアクティブ状態だ!」



橙の背後からくるくると回りながら現れた「橙」。

戦闘力4/3。悪くない戦闘力を所持している。



橙「このカードがプレイされた場合、冥界のカード1枚をゲームから除外できるよ!

そうだなー・・・『狙撃』を除外するよ!」

咲「自分のカードを除外・・・?」

橙「このカードはゲームから除外されているコマンドカードの半分の数値分、戦闘修正を得るんだよ!

だから今、『魔法の森』と『狙撃』が除外されているから戦闘力は5/4!

さらに!私は術者である『橙』がいることで、このカードをノーコストでプレイ!

冥界から『橙』と、名称に鬼神が含まれるカード・・・『鬼神「鳴動持国天』」を除外!」

咲「!」

藍「そう、お前が使った『禁忌「レーヴァテイン」』の効果で私のデッキから冥界に送られたカードの中に連結素材があったのさ。

こうしてデッキをお互いに合わせることでデッキの回転力を高める、これがコンビネーションだ。

至極当然と思うか?だがそのセオリーこそがタッグVISIONの醍醐味なのだよ」

橙「幻想生物、『鬼神「飛翔毘沙門天」』をプレイ!!」



藍達の場に、くるくると回転する何かが出現。

それは弾幕をばら撒きながらその場で留まっている。

戦闘力は4/4。決して高くは無いが、速攻を所持している。



藍「そして私は2以上のノードからコストを1支払い、『百鬼夜行絵巻』をプレイ。

装備カードとして私自身、『八雲藍』に装備させる。

装備キャラクターは妖怪3体分として扱い、場の妖怪1体につき1点分攻撃力を上昇させる」



「八雲藍」に多くの妖怪がまとわりつく。

それによって力を得た「八雲藍」は、場の妖怪4体分、4点の攻撃力を得て8/5となる。



橙「私は藍様の特殊幻影、『式神使役』を発動!

藍様を選択して、そのノード以下の同じ種族を持つキャラクターにその戦闘力の半分を与える!

藍様の戦闘力は8/5。そしてノード以下のキャラクターは藍様自身と私自身!

4/3の戦闘力を得るよ!」

咲「そんな・・・!」

魔「『八雲藍』は12/8の戦闘力となり、『橙』は9/7の戦闘力。

この中に飛翔毘沙門天の4/4、『アリス』の3/3が入るんだ・・・合計ダメージは28!」



これだけの打点を叩き出せるのも、藍と橙のデッキがタッグVISIONに特化した物だからだ。

お互いにお互いの特殊幻影を意識し、その威力を最大限発揮できるようそれぞれがサポートを行う。

自然な流れでサポートが行えるデッキ構築こそ、タッグVISIONに適しているデッキと言えるだろう。



橙「いっけぇ!28点の総攻撃!!」



「八雲藍」、「橙」が回転しながら弾幕を放ち、突進。

その中に飛翔毘沙門天も入り込み、「アリス」はいつものように魔法弾を混ぜ込んで放つ。

腕で顔を覆いその攻撃を受ける魔理沙と咲夜だったが・・・大爆発が起こると同時に吹き飛ばされる。



魔「ぐっ・・・!」

咲「うぅっ・・・!」



それでもどうにか態勢を立て直し、一息つく。

しかしライフはあっという間に16へと減少。

もし25点のライフで勝負していたならあっという間に決着がついていただろう。



魔「なんて威力だよ・・・火力にはそれなりに自信があるつもりだったが、一気に失くしそうだな」

咲「なるほど・・・確かにタッグVISIONならではの戦術を最大限生かしているわね・・・」



「八雲藍」、「橙」のグレイズは2、飛翔毘沙門天、「アリス」のグレイズは1。

合計6枚のノードを得た2人であったが・・・この威力ではかなり割に合わないだろう。



橙「ターン終了!やりましたよ、藍様!」

藍「うん、いい子だ。次もこの調子で頑張るんだぞ」



魔理沙・咲夜 L16 D39:34 H6:3 SN12 CC1


藍・橙 L49 D31:40 H4:2 SN9 CC5


咲「・・・本当に勝ち目がないわね。

相手の戦力は圧倒的・・・下手したら次のターンでやられてしまう・・・」

魔(本当だな・・・コンビネーションの差がありすぎる。こんなんで勝てるわけがない。

あいつの言うとおり、私たちのデッキはそれぞれのコンセプトに特化したタイプでしかない。にわか仕込みのタッグ要素を取り入れたところで敵うわけがないか・・・)



それでも魔理沙はあきらめない。この状況を打開する手を思索する。

しかし・・・コンビネーションで勝利する手だけは考えつかなかった。



魔(・・・そうだな、コンビネーションで勝とうなんて無茶だよな。

だったらあれしかないだろ・・・タッグVISIONが持つもう一つの醍醐味で勝つしかない。

やれやれ・・・少し、らしくない戦法を取ることにするか)

「咲夜」

咲「・・・?」

魔「守りととどめは私に任せろ。いいな?」

咲「・・・!?」





後書き


魔「・・・長かったな」

咲「今回の作品を投稿するのがね」

藍「最近作者はMMDにもはまりつつあるそうだ。

やれやれ、休みに加えてMMD、今後も穴は開きそうだな」


魔「今回のタッグVISIONに関する藍の説教は、これまでの作者が書いてきたタッグVISIONへの皮肉の意味も込めてある」

橙「これまで全然だめたったよね!」

藍「プリズムリバー戦以外では本当『強引な取引』を使ってやるだけとか『葉団扇』でアクティブ状態にしてやるだけとかそういうのばかりだったからな」

咲「それぞれが勝手に戦うばかりだったのよね。見返してみるとよくわかるわ」

魔「ま、ある意味では原作らしいとも言えるがな。意図せず再現したと言ってもいいか」


藍「守りととどめを魔理沙に、か・・・一体どうなる?」

橙「あんたが守りなんて笑えるよ!」

魔「うっせー」

咲(不安ね・・・)



次回、魔理沙が守る・・・だと・・・!?

つい最近、東方幻影符の執筆が進みません。

というのも、仕事がようやくひと段落したことでやりたいことをたくさんやっていたためです。

雨の日は必ず休みになりますし、外出もたくさんしたいですしね。

実際、東方幻影符は仕事が終わった後の楽しみとして書いていたわけですし。

とはいえ、別に東方幻影符の執筆を中止するわけではありません。そのうち更新は再開します。

なので今回は、気分を変えてフリーゲームの感想を語りたいと思います。





「霧雨が降る森」



知ったのはつい最近のことですが、どうやら相当人気のゲームのようですね。

RPGツクールVX Ace製の探索型ホラーゲームであり、プレイ時間は2~3時間。自分がプレイし終わったときは1時間30分くらいでした。

マルチエンディングのストーリーであり、条件を満たしたうえで行動を起こすことでエンディングが変わります。

とあるゆっくり実況者がプレイし始めたのを見たのですが、先が気になりすぎてダウンロード。自分がプレイしてしまいました。

ホラーゲームということで抵抗があったのですが、実際はかなり面白かったです。

では、評価してみます。



※ネタバレ含む



グラフィック

かなりいい・・・というより、動かすキャラクターがよくある二頭身とかではありません。四頭身くらいでしょうか・・・なのでかなり人間性を表現できています。

文字通り人を動かしているかのようで、いくつかの細かい動きも必見。



BGM

音楽に関しては数が少なめ。しかしそれらをうまく使うことで、緊迫感やホラーゲーム独特の恐怖感を最大限に発揮しています。

曲の雰囲気等が統一されており、文句なしの一言。



ゲーム内容

ホラーゲームであるため、途中からある敵たちに追いかけられます。そいつらの見た目の恐ろしいこと・・・。

その恐ろしさからパニックになることも少なくないですが、意外なことにこの手のゲームには珍しく、「死にゲー」とは言えない難易度となっています。

何度も死ぬ=ゲームオーバーになることでギミック等を理解、それの繰り返しでクリアするというのが大抵のホラーゲームの特徴なのですが・・・このゲームは以下の特徴があります。


1:保険がある。


敵に追いかけられる前に主人公はある人物からネックレスを渡されます。

それには3つの石が通されており、敵と接触した際、本来はゲームオーバーになるところを、石を一つ消費してその敵をいったん消して初期位置に戻してしまいます。

つまりコンティニュー制と言える機能であり、逃げるのが苦手な人でも3回はセーフとなります。

途中で石が一つ手に入るため、実質4回セーフとなります。


2:敵が基本的に1体ずつ。


敵は複数存在するのですが、追いかけてくるのは1体のみです。

また、動きは決して早くは無く、振り切るのも難しくはありません。

実際、この手のゲームが苦手な自分が初見でも1回しかつかまりませんでした。

逃げるのが難しくない敵というのも中々珍しいですね。


3:理不尽さが無い。


大抵のホラーゲームが死にゲーと言われるのは、唐突なトラップや敵が存在するからです。

しかし、このゲームにはそういった理不尽さがありません。敵が出現する際には一旦停止し、演出が終わってから逃走を開始します。

そして何より、トラップといえるトラップは、明らかに目に見えているものがいくつかあるだけ。そのトラップも敵の一種なので、しっかり先ほどの保険が効きます。


これらの特徴が備わっているため、ゲームとしてはヌルゲーと言える感じでしょう。とはいえ、ストーリーを楽しみたい自分にとっては嬉しい仕様です。



ストーリー

ネタバレありますよ。大事なことなので2回目です。

ストーリーは唐突の事故で両親を亡くした主人公が、祖父の手がかりを見つけ、それを知るためにある村へと行く・・・というもの。

ストーリー中の細かい設定は、最初に訪れる資料館を調べていれば自然と集まります。

また、ストーリーの流れがごく自然であり、不自然なところは一切ありません。

何故主人公が祖父を知らないのか、なぜ両親はこの村のことを話してくれなかったのか・・・その他細かいところも、ちゃんと描写されているため矛盾が発生することもありません。

敵に関しても、資料館の段階でその大まかな設定がわかります。

そして最後の地点で他の情報も集まり、ほとんどの謎が判明するため、「逃げ切ったはいいけどあの敵はなんだったんだ」と言った事態にはあまり陥りません。

むしろ、敵に対して同情する人も多いことでしょう。プレイ時間が短いにも関わらず、そこまでしっかりと作りこまれています。



・・・あれ、ネタバレそんなにあった?←





ストーリー重視のため、ゲームとしては難易度が優しめ。ゆえにこの手のホラーゲームが苦手な人でもしっかり楽しめます。

エンディングは5つ。2つの要素が絡んでくるのですが、台詞等をしっかり理解していれば、そのうち一つを見つけ出すことは容易です。もう一つはストーリーを進める段階で満たす条件が整うため、意識する必要が無いのもうれしいところ。

人気が高いのもうなずけます。本当にいいゲームです。



ということで霧雨が降る森の感想でした。

言っておきますが、「ぜ」が語尾につく爆窃少女は一切出てきませんよ?←


みなさんもぜひプレイしてみてください。

また、他にプレイしてほしいゲームがあったらぜひ紹介してください。それでは。

春を集める黒幕、西行寺幽々子をVISIONによって撃退し、見事異変を解決した霊夢達一向。

その直後、目の前の空間が割れ、そこから彼女らをいざなう声が響くのであった。





謎の空間



霊夢達はおかしな空間の中をひたすら歩いていた。

目のようなものの視線がぎょろぎょろと霊夢達の姿を追い、周囲には印のついた幻想郷には無い謎の棒等が佇んでいる。

・・・正直不気味と言わざるを得ないだろう。

こんなところで自分達を待つのは・・・?3人の中ではそればかりが気がかりであった。



咲「でも・・・空間を開き、そして作るなんて只者じゃないわね・・・」

霊「どっちかといえば結界に近いわね。隔絶された空間という意味では」

魔「ま、どっちにしろすごいことには変わりないけどな。

しかし、こんな空間を作れるやつか・・・一体どんなやつだ?」

霊(・・・まさか、ね)



霊夢はなんとなく予想がついているようだが・・・確信が無いためか、それを二人に話すようなことはしなかった。

そしてだいぶ歩いたが・・・出口、というより自分達を呼んだであろう存在すら見当たらない。

ひたすら目玉と鉄の棒が無数に点在する紅い空間だけである。

もしや自分達をここに閉じ込めるための策略家と魔理沙は少々焦ったが・・・その心配は吹き飛ぶこととなる。

しばらく歩くと、一つの影が見える。

・・・一言で言うなら、尻尾。

ふさふさとしていそうなその尻尾の持ち主は・・・膨大な妖力を秘めた存在である。



霊「・・・尻尾の多さから見て、九尾の狐ね」

魔「こいつが九尾だと・・・!?」

九尾「そう、私は九尾の狐。

そして・・・この先で待つ主の式神でもある」

霊(式神・・・ですって!?

九尾の狐と言えば大妖怪の中でも非常に高位の存在。そんな大妖怪を式として使役できる存在なんて・・・間違いない、こいつの主は・・・)

九尾「自己紹介をしておこう。

私の名は八雲藍。主の命によりお前たちの相手を行う。

・・・そこの巫女に倒された、私の式も合わせてな」



すると霊夢らの頭上を何かが跳ね・・・そのまま藍の隣に着地。

その姿は、霊夢がマヨヒガで戦った相手・・・橙である。



橙「今回は憑きたてのほやほやだよ!」

霊「なるほど、あんたはこいつの式だったのね」



式神がさらに式神を使役する・・・それがどれだけ凄いことなのかは容易に想像がつく。



魔「霊夢と戦ったのか・・・なんだか弱そうだな」

咲「油断しないで、この猫・・・どうやら九尾から力を得ているみたいよ」

橙「あの時は不覚を取ったけど、今回はそうはいかないよ!

藍様もいるから特殊幻影も使えるしね!」

藍「さあ、二人分の特殊幻影・・・その相手は3人のうち誰と誰だ?」



たった一人でも特殊幻影は厄介。それが二人ともなれば・・・苦戦は免れないだろう。



魔「・・・やれやれだな。霊夢、お前は先に行きな」

咲「おそらくこの2匹の主はあなたを試しているわ。だったらあなたは主の元に急ぎなさい」

霊「・・・わかったわ。あんまり無茶はしないように」



そのまま霊夢は藍と橙を避けるようにその横を通り過ぎる。

それに対して藍達は追撃を仕掛けるようなことはしなかった。



魔「邪魔しないのか?ありがたいことだが・・・」

藍「私たちの目的は最初からお前たち二人さ。

霧雨魔理沙、そして十六夜咲夜、お前たちなら私たちの相手を自分らで努め、博麗の巫女は先に行かせる、そう確信していた。

主の命でもあった以上、都合は良かったよ」



結果としてはどちらにとっても都合のいいこととなったわけだ。

となれば、藍と橙の目的は・・・魔理沙、咲夜の実力を試すこととなる。



藍「お前たちが侮れない実力であることは承知の上。

だが、私たちも簡単にやられるほど甘い実力ではない」

橙「私はともかく、藍様は強いよ!私とは桁が違うから、いろいろと!」

藍「橙・・・それは私の台詞・・・」



どことなく悲しげだが、無邪気な姿に笑みを浮かべているようにも見える。



咲(・・・過保護ね)

藍「さて!早速始めようか。

ここは既に幻影結界が張られているも同然の空間。決闘開始の宣言をするだけで勝負が始まる」

魔「へえ、便利だな」



軽く返した魔理沙だが、心中は穏やかではなかった。

なにせ、それはイコール幻影結界が大量に展開されているも同然という意味でもあるためだ。

霊夢がレミリア・スカーレットと戦った際、高密度の幻影結界内で強大な一撃をその身に受けた結果、彼女は致命傷同然の深手を負った。

自分達の場合は二人のためダメージもそれぞれ半減する形となるだろうが・・・それでもこちらにとっては都合のいい話ではない。



咲「まあ、どのみちやるしかないんでしょうけどね。

怖気づいてる暇はないわよ」

魔「わかってるさ、さっさと倒して霊夢と合流するぜ!」

橙「さっさと倒せると思わないことだよ!」

藍「お前たちを試すのが目的とはいえ、手加減はしない!!」





決闘開始!!





魔理沙・咲夜 L50 D43:43 H7:7


藍・橙 L50 D43:43 H7:7





橙「まずは私から行きますね!」

藍「ああ、遠慮せずに最初から飛ばして行け」

橙「では!私のターン!!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→メインフェイズ



橙「『マナの生成』をプレイ!」

魔「なら『星符「エスケープベロシティ」』を手札から公開することで効果を発動。デッキから同名カード2枚をアクティブノードとしてセット」


魔理沙は早速ノード加速を行う。

この手のカードは使えるうちに使っておくに限るためだ。



橙「でもやることは変わらないよ!

ノードが1以上存在することで人形キャラクター、『西蔵人形』をプレイ!」



橙の場に「西蔵人形」が出現。

戦闘力0/2、手札から直接ノードをセットしていない場合にプレイ可能な人形であり、プレイされたことで橙のデッキの上から1枚がアクティブ状態でノードにセットされる。

・・・その時、「西蔵人形」にそよ風のようなものが吹く。

同時に「西蔵人形」はスリープ状態からアクティブ状態へと変更された。



魔「何・・・!?まさかお前の特殊幻影か!」

橙「その通り!私の特殊幻影は小型キャラクターに速攻を与える力だよ!」



疾き加護 特殊幻影

(自動α) あなたがプレイする必要ノード3以下のキャラクターカードは、速攻を得る。



咲「この効果があなたにも適用されるのかしら・・・?」

藍「その通りだ。私がプレイするノード3以下のキャラクターも速攻を得る」

魔(下手な特殊幻影よりも厄介だな・・・まさか)

橙「2以上のノードからコストを1支払い、『アリス』をプレイ!」



今度はいつもおなじみの少女、「アリス」が出現。

戦闘力は1/1。そしてこちらもそよ風を受けると同時にアクティブ状態となる。



橙「アクティブ状態だからマナチャージも使えるよ!『アリス』でマナチャージ!」

魔「ちっ・・・」



安定した動きを見せる橙。最初からマナチャージャーが「青天の霹靂」等による補助無しにマナチャージを行える利点は決して侮れない。



橙「ターン終了だよ!」



魔理沙・咲夜 L50 D41:43 H7:7 AN2


藍・橙 L50 D43:41 H7:4 AN2 SN1 CC2



魔「次のターン、ノード5でそいつのターンか・・・私のターン!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→メインフェイズ



魔「なら手札を1枚ノードに。

そして3以上のノードからコストを1支払い、『魔法の森』をプレイするぜ!

こいつはデッキの上から4枚を公開し、その中の種族:魔法使いを全て手札に加え、残りは任意の順番でデッキの下に戻す。

デッキの上から確認だ」



「アリス・マーガトロイド」 「パチュリー・ノーレッジ」 「マナの生成」 「恋符『マスタースパーク』」



魔「魔法使いである『アリス・マーガトロイド』、『パチュリー・ノーレッジ』を手札に加え、残りはデッキの下に戻す。

2以上のノードからコストを1支払い、『アリス』を私もプレイする」



魔理沙、咲夜の場にも「アリス」が出現。

マナチャージャーを出しておくという目的もあるが、本当の目的はもう一つある。



魔「さて、こいつでターンを終了するぜ」



魔理沙・咲夜 L50 D39:43 H6:7 AN2 SN1

藍・橙 L50 D43:41 H7:4 AN2 SN1 CC2



藍「私のターンだな」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



藍「手札を1枚ノードに、そして『アリス』でマナチャージ。

これで私のノードは5。5以上のノードからコストを2支払い、『八雲藍』をプレイさせてもらおう」



するとこの結界空間の奥から、くるくると勢いよく回転しながら何かが突っ込んでくる。

それは藍、橙の場に着地すると、ゆっくりと立ち上がる。

式神、「八雲藍」。

戦闘力は4/5と、以外にも普通の数値である。



藍(やれやれ、主のカードがあればこのカードは真価を発揮するんだが・・・まあいい)

「私の特殊幻影を説明しておこう。

1ターンに1度、自分の場のキャラクター1体を選択、そのキャラクターが場に存在する限り、相手ターン終了時までそのノード以下の同じ種族を持つ私の場のキャラクターは、そのキャラクターの戦闘力の半分戦闘修正を得る」



式神使役 特殊幻影

(自分ターン) あなたの場のキャラクターカードを1体選択する。相手ターン終了時まで、選択したキャラクターのノード以下、同じ種族のあなたの場の他のキャラクター全ては戦闘修正+X/+Yを得る。

Xは選択したキャラクターの攻撃力、Yは耐久力に等しい(端数切り上げ)。

この効果は1ターンに1度しか適用できない。



藍「当然この効果を使えるが・・・今使ってもどうしようもない。

ターンを終了する」

(できないことは無いが・・・橙のターンから本領を発揮するとしようか)



魔理沙・咲夜 L50 D39:43 H6:7 AN2 SN1

藍・橙 L50 D41:41 H6:4 AN1 SN4 CC3





後書き


魔「てことで早いけど後書きだぜー」

咲(私のターンください)

魔(こいつ直接脳内に・・・!)


藍「今回は私たちがゲストだ」

橙「また来たよ!よろしくね!」

魔「おう、よろしくだぜ」

咲「さて、作者にとってはこの妖々夢EX編が一つの区切りね。

重要なキャラクター、あなた達の主が登場する回だから」

藍「あのお方無くして東方は語れない。

だからどう勝負させようか初めのころから考えていたらしいが・・・まだ特殊幻影が浮かんでないらしいな・・・」

橙「ダメな作者だね!」

咲「まったくね」


魔「今回はここまでだぜ。

もふもふしていいか?」

藍「ほれ」

魔「もふもふだぜぇ・・・」

咲「ほら、はやく離れなさい」



次回、橙早いよ橙

霊夢 L4 D10 H1 SN7 CC6


幽々子 L19 D14 H1 AN2 SN8 CC2





幽「・・・なるほど、演出から考えれば・・・『ブロッケンの妖怪』を使ったのね」

霊「そう、あのカードはそういうカードだから」



「ブロッケンの妖怪」、ノード3、コスト1のコマンドカード。

効果範囲が「プレイヤー、手札、デッキ、冥界」であるスペルカード、コマンドカード1枚のプレイを無効にし、破棄するカード。

さらに追加でコストを2支払えば、その効果を自身が使用できるという少々癖があるものの強力な効果を秘めている。

その特性上、霞を利用した幻影を生み出すカードのため・・・今回は霊夢の幻影と霊夢本人が入れ替わり、幻影が「反魂蝶」の効果を受けたように見えたのだ。



魔「ったく、心配させやがって・・・。

けどこれでとりあえずの敗北は無くなったな」

咲「しかし決定打が無いのも事実・・・次のターンあたりで決めないと厳しいわよ」

幽(・・・次のターン、次のターンで攻めに転じる。

そして手札を確保して・・・「秘密結社」をどうにか成立させる!)



デッキに眠る「秘密結社」。冥界のキャラクターを手札に加えるコマンドカード。

それによって彼女が加えようと思っているのは、「西行寺幽々子」。

ノード8、コスト6の超重量級キャラクター。

しかし、攻撃力こそ4だが、耐久力は13。通常のビートダウンではまず落ちない。

さらに、そのカードが場に存在している限り、耐性:幽霊を持たない相手キャラクターの戦闘力は-3/-3される。

つまり、耐久力3以下のキャラクターはその力によって存在できず、それを上回るキャラクターですら、戦闘要員としては使いづらくなる。

・・・無論、妨害をどうにかかわす必要があるのだが。



幽(ここまで熱くなったのは初めてね・・・ふふ、さすがは博麗の巫女・・・。

さあ、見せて頂戴・・・あなたの全力を!)

「私はこれでターン終了!!」



霊夢がこの場で勝つ方法は・・・「西行妖」を倒すことである。

そうすれば幽々子に勝ち筋は無くなる。後は「伝統の墨守チーム」でカウンターしつつ攻め立てればそれで終了だ。

・・・しかし、そのためには除去カードを引くか、もしくは圧倒的戦闘力で「西行妖」を吹き飛ばさなければならない。

最も楽な方法である「散霊『夢想封印 寂』」は、既にノードから冥界に送られたのを確認した。

つまり・・・この場は高い戦闘力でどうにかするしかない。



霊(・・・行ける、私なら・・・絶対に!)

「私のターン!!」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



霊(「チキンレース」!数字を宣言し、戦闘を行う場合にデッキの上から1枚を確認して、そのノードが宣言した数字以上なら、その分と同じ戦闘修正を戦闘を行う私のキャラクターに与えるカード!

・・・けど、おそらく私のデッキに残っているカードで最も高いノードは・・・6。

・・・足りないわね。それに引き当てられるかもわからない・・・だったら!)

「『伝統の墨守チーム』をスリープ状態にして効果を発動!セットされている『強引な取引』を破棄し、その効果を適用して2枚のカードをドローするわ!」



そうして2枚のカードを引く霊夢。

・・・一か八かの賭け。引き当てたカードは・・・。



霊(・・・ここまで見事に引き当てるなんて・・・私自身もびっくりね。

いいわ、やってやるわよ!)

「ノードが2以上存在することで『チキンレース』をプレイ!

私は6の数字を宣言!戦闘開始時にデッキの一番上を確認し、それが宣言した数字以上のノードを持つカードなら、宣言した数値分の戦闘修正を戦闘を行うキャラクターに与える!

さあ、行くわよ!私は『霧雨魔理沙』で攻撃!!」

魔「なんだと!?」

幽「仮に戦闘修正を得ても攻撃力は10・・・それでも仕掛けるのね」



「霧雨魔理沙」が箒に跨り、星屑をまき散らしながら突進する。

幽々子はすぐさま「西行妖」による防御を宣言、「西行妖」は弾幕をまき散らして迎撃を行う。



霊「『チキンレース』の効果でデッキの一番上のカードを確認!

めくったカードは・・・『想いを導く光』!!ノードは6!!」



戦闘修正を得た「霧雨魔理沙」の戦闘力は10/2。

勢いを増して突っ込んでいくが・・・このまま突っ込んでも返り討ちにあうだけ。

無論、このまま終わらせる霊夢ではない。次のカードを掲げる。



霊「3以上のノードからコストを2支払い、『連携攻撃』をプレイ!

目標の私の場のキャラクター1体をスリープ状態にし、別のキャラクター1体の戦闘力を、スリープ状態にしたキャラクターの戦闘力分アップさせる!

『博麗霊夢』をスリープ状態にし・・・その戦闘力、3/6を『霧雨魔理沙』は得る!」



すぐさま「博麗霊夢」が「霧雨魔理沙」と並走。結界による補助を絡めながら弾幕を放ち、「霧雨魔理沙」との連携攻撃を行う。

これにより戦闘力は・・・13/8。



咲「・・・まだ足りない!

あと・・・あと3点!そうすれば先制の戦術によって『西行妖』を一方的に倒せるのに・・・!」

幽(・・・3点、か。

ふふ、読めたわ・・・あなたが引いたもう1枚・・・それは・・・)



静かにカードを掲げる霊夢。

それは、かつて紅霧異変の黒幕にとどめを刺したカード。

霊夢の他者を想う心を秘めた1枚。





霊「4以上のノードからコストを1支払い・・・『結束』をプレイ!!」





「十六夜咲夜」もまた、「霧雨魔理沙」の隣に立ち、「霧雨魔理沙」に迫った蝶の弾幕をナイフで切り落とす。

「結束」、場のキャラクター1体を、同じ種族のキャラクターの装備カードとしてセットし、その戦闘力と戦術を与えるカード。

戦闘力3/3を得た「霧雨魔理沙」の戦闘力は・・・。



霊「戦闘力・・・16/11!!

あんたの守りの要は・・・ここで貫き倒される!!」



宙を舞いながら弾幕を次々かわす3人。

時には回り、時には撃ち落とし・・・「博麗霊夢」と「十六夜咲夜」はひたすら弾幕を潰していく。

そして、一気に開けた正面・・・「西行妖」の幹に、「霧雨魔理沙」は星屑の弾幕をまき散らして突っ込み・・・。



遂に、その巨木を貫いた。



桜の花びらは全て舞い落ち・・・「西行妖」は光に包まれて消えていった。

・・・幽々子の場に残ったのは、戦闘力3/4の「西行寺幽々子」だけである。



幽(・・・ライフはまだ残っている。

あの「西行寺幽々子」を場に出せれば、チャンスはある。

・・・でも、耐えられない。スペル、コマンドカードは1ターンに1度、「伝統の墨守チーム」によって無効化されてしまう。

流石・・・本当に流石。

やっぱり・・・「彼女」が目を付けているだけのことはあるわね・・・ふふ)



幽々子は残った1枚の手札をボードに置く。

それは、彼女なりの白旗宣言・・・。

敗北を認める行為であった。

こうしてこの勝負は・・・霊夢の勝利に終わった。





霊夢 L4 D7 H1 SN4 CC5


幽々子 L19 D14 H1 AN2 SN8 CC1 降参を宣言したことによる敗北



勝者 博麗霊夢





結界に覆われていた春、そして幻想郷中から幽々子が集めていた春、両方ともそれぞれ結界、西行妖から離れていき、幻想郷中に広がっていく。

このまま徐々に春が広まっていくことだろう。



霊「・・・結局、この桜の下には何があったのかしら」

幽「・・・さあ。もうわかることはないでしょうね。

やろうとするたびにあなた達に退治されちゃたまったもんじゃないから」



しかし、それでよかった・・・そう思う霊夢がいる。

彼女にとっても碌なことは起こらなかったであろうから。



妖「幽々子様ー・・・大丈夫ですか?」

幽「あら妖夢、そっちはどうなの?」

妖「大丈夫とは言えませんね・・・でも幽々子様にお怪我が無いのなら幸いですね」



どうやら妖夢はしばらく休んだ後に戻ってきたようだ。

気力自体はだいぶ消耗しているようだが。



魔「しかし、これでようやく冬も終わりだなー」

咲「そうね。燃料が尽きる前に終わったのは大きいわね・・・」

霊「さて、これに懲りたらもう異変なんて起こさないでよね?面倒だから。

私冷え性だし」

幽「はいはい、わかったわよ。

・・・さて、そろそろいいんじゃないかしら?」



幽々子がそういった瞬間・・・霊夢らの目の前の空間が文字通り割れる。

いきなりの出来事で幽々子以外の4人が驚く。

割れた空間には・・・まるで目玉のようなものがのぞいており、なんとも不気味であった。

その時・・・空間から声が聞こえる。



――こちらに来なさい。そして見せてちょうだい、あなた達の力を――





後書き


霊「はー・・・ようやく黒幕との戦いも終わりねー」

幽「ふふ、お互いにお疲れさまー」


霊「随分と時間かかったわね、何があったのよ」

幽「東方蒼神縁起。敵が中々アイテムをドロップしなかったり素材集めだったりでのめり込んでたみたいねぇ。

あと、気力が無い人は・・・このゲームをお勧めしないわよ。

作者は購入しておよそ2年で、ようやく本編のほうをクリアしたらしいから」

霊「コツさえつかめばなんとかなるんだけどねぇ・・・M向けね、これ」

天「呼んだ?」

霊「あんたの出番はもっと先よ、帰りなさい」


霊「でも結局勝負の質は・・・なんか落ちてるっていうか変わらないっていうか・・・」

幽「そうねぇ、カウンターカードをあまり使わないから駆け引きの要素があまりないのよ。

まあでも・・・次回以降は積極的に使うようになるかしら?」


幽「じゃあみんな、また会いましょうー」

霊「あんたもあんたでまたすぐに会えるでしょうけどね。

さて、まだ妖々夢は・・・終わらないわよ?」





次回予告


春雪異変は終わり、幻想郷中に春が戻る。

しかし、霊夢達の戦いは終わっていない。

声に導かれ、謎の空間を進んでいくと・・・2体の獣と対峙する。

魔理沙と咲夜はその2体の相手を努め、霊夢を先に進ませる。

2体の式神が織りなすコンビネーションの前に、パワーとテクニックの魔理沙、咲夜はどう対抗するのか?


次回東方幻影符、歪む道、主従の式。

休憩しよう、うん←

Part4のあらすじ


不利な状況は続いていたが、二重の効果ダメージ対策によって「西行妖」の効果による敗北は逃れる。

さらに逆に効果ダメージを与え、手札の補充にも成功し、少しずつ状況の打開につながっていく。

そんな中、幽々子は無意味と思われる行動を行う。

それを不審に感じた霊夢は、ついにデッキの切り札、「伝統の墨守チーム」をプレイ。

このカードで幽々子の場を制圧すると宣言する――





霊夢 L4 D13 H1 SN6 CC6


幽々子 L19 D16 H1 AN3 SN7 CC2






幽「・・・やってくれるじゃない」



そう言った幽々子の表情は・・・どことなく楽しげだった。

先ほどまでの余裕からくる楽しげなそれとは違い、自分を追いつめてくるがゆえに楽しいと感じているようである。



咲「あのカード・・・確かとんでもない能力を秘めたカードだったわね」

魔「ああ。ノード4、コスト2の連結カード。だがその軽さとは裏腹に戦闘力は5/5でグレイズ2。アタッカーとしては十分合格点だ。

そして過剰なまでに多い戦術が特徴だぜ。速攻、先制、警戒、耐性:妖怪、マナチャージ・・・ここまで大量の戦術を持つカードは滅多にないだろうな。速攻があるからアクティブ状態だ。

何より特筆すべきは、その効果だ」

霊「このカードは自身をスリープ状態とすることで、目標のスペルカード、及びコマンドカードのプレイを無効とすることができる。その後は任意でそのカードをこのカードにセットするか破棄するかを選べる。

そしてもう一つ、自身をスリープ状態にしたうえでコストを1支払うことで、このカードにセットされているカードをプレイすることができる」



つまり、自身をスリープ状態にすることでスペル、コマンドを無効としてこのカードにセットできる効果、そして自身をスリープ状態にしてコストを1支払えばそのカードを使用できる効果を持つということである。

自身をスリープ状態にする必要がある関係上、いずれも実質1ターンに1度しか使えないが・・・ノーコストでスペル、コマンドカードのプレイ無効に関しては非常に強力。このカードに複数の戦術が備わっていることも合わさって、さまざまなデッキに対する抑止力となる。



霊(うかつに攻撃できない状況はまだ変わらない・・・でもあとはキーカードを引き当てるだけ。

さあ、どう出るかしら・・・?)

「私は『伝統の墨守チーム』でマナチャージを行い、ターン終了!」



霊夢 L4 D12 H1 SN7 CC6


幽々子 L19 D16 H1 AN3 SN7 CC2



幽「私のターン」

霊「警戒の戦術を持つ『伝統の墨守チーム』は、あんたのアクティブフェイズでアクティブ状態になる」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



幽(・・・ここで来るのね、このカードが。

このカードをプレイしたなら・・・私は勝利することができた。

「反魂蝶」・・・このカードは冥界の「西行妖」の数によってその効果が変化する)



この場合「西行妖」は、「西行妖、開花…」でも構わない。

カード名の一部が含まれているためだ。

3枚以下の場合、ゲームから除外されている「西行妖」を全て裏向きにしてアクティブ状態でノードに加える効果。

4枚の場合、デッキから「西行妖」1体をアクティブ状態で場に出す効果。

そして5枚目、自身の場に「西行妖」が存在するなら、このゲームに勝利する効果。

この時点で幽々子の冥界には「西行妖」2枚と「西行妖、開花…」3枚、合計5枚がそろっている。

場に「西行妖」が存在するため、3つ目の効果を発動することができ、その効果で勝利できていたのだ。



幽(でも「伝統の墨守チーム」はスペル、コマンドカードのプレイを無効とする効果を持っている。

・・・ここでプレイしても、スペルカードであるこのカードは無効とされてしまう・・・厄介極まりないわねぇ・・・。

だとしたら次のドローで除去カードを引き当て、それを囮にこのカードのプレイを成立させるしかないわね)

「私はこのままターン終了よ」

霊「そう、なら私のターン」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



霊「・・・『伝統の墨守チーム』でマナチャージ。

これでターンを終了させるわ」



霊夢 L4 D10 H2 SN8 CC6


幽々子 L19 D15 H2 AN3 SN7 CC2



幽「膠着状態になったわねぇ・・・私のターン」



アクティブフェイズ→メンテナンスフェイズ→ドローフェイズ→メインフェイズ



幽「・・・これはいいカードを引いたわ。

私は4以上のノードからコストを1支払い、『強引な取引』をプレイ」

魔「ここで『強引な取引』だと・・・!?」

咲「霊夢にはスペルカード、コマンドカードを無効にできる『伝統の墨守チーム』がいるから無効にすることはできる・・・けどそれを無効にしたら、次以降のカードを無効にすることができない・・・」



つまり・・・既に手札に存在する、幽々子が勝利するためのカードを確実に無効にするためには、このカードのプレイを通すしかない。

現時点のカードプールで、スペルカードを無効にするカードは数少ない。汎用性の高い「ディゾルブスペル」は相手にドローさせるデメリットがあるため、根本的な対策にはならない。

かといって「強引な取引」を通せば・・・確実に除去カードを引かれる。

相手の手札に勝利するカードがあるとわかっている以上、霊夢に選択肢は無かった・・・はずだった。



霊「『伝統の墨守チーム』をスリープ状態にして干渉!!」

幽「!?」



なんと霊夢は、「強引な取引」を無効にしてきた。

「伝統の墨守チーム」のうち、「博麗霊夢」は札を投げつけて「強引な取引」の力を封じる。

そしてそれを引き寄せ、自身の手元へと移した。



霊「『強引な取引』の効果は無効。このカードは『伝統の墨守チーム』にセットさせてもらうわ」

幽「・・・ふふ」

霊「・・・」

幽「ふふふ・・・あっははは!!

こんな感情・・・いつ以来なのかしら!

予想外の行動をしてくるもんだから・・・怖いわ!

ええ、怖い。本当に怖い!私の切り札は絶対に通らないってことがわかって・・・本当、怖いわ!」

霊「・・・そうとは限らないわよ。

通らないと思わせるブラフの可能性だってある」



ブラフ・・・つまりはったり。それを霊夢はかましている可能性があるのだ。

次のターン、霊夢は「伝統の墨守チーム」をスリープ状態にし、セットされている「強引な取引」を破棄することで、その効果を使うことができるのだ。

それを行うために・・・あえてこの場で「強引な取引」を無効化し、手札にそれをカバーできるカードがあると思わせようとしているかもしれないのだ。

致命的な切り札を握られていることを悟ってなお、この賭けは・・・正直、危険すぎると言うほかないだろう。



咲「・・・もし手札にカウンターカードがあるとするなら、はったりではない」

魔「仮に手札に無いとするなら・・・確かに危険だな。

でもそうだとしても・・・『ディゾルブスペル』以外にこの場でスペルを確実に無効にできるカードがあるのか・・・?」



そんなカードは数少ない。現在のカードプールでは・・・。

だからこそこの心理戦が成り立つ。互いに使えるカードがまだ少ないゆえに、先が読み切れない。汎用性が低いカードが思い浮かばない。



幽「・・・いいわ。やってあげるわ。

あなたのそれがブラフなのか・・・それとも対策が手札にあるのか。

・・・勝負よ!」

霊「・・・来なさい!!」



幽々子はついに・・・その切り札を天に掲げる。

この状況において、一撃必殺と言える能力を秘めた、そのスペルカードを。

ノード5、コスト0の、常識破りな効果を秘めたカードを――





――「反魂蝶」!!!





蝶が、「西行妖」からいくつも放たれる。

同時に、何本ものレーザーも放たれた。

それは儀式。「何か」をよみがえらせるための・・・。

・・・「西行妖」に、黒い影が浮かび上がる。

その影が腕を掲げ・・・。



振り下ろした。





魔「――霊夢っ!!」



霊夢に向けて放たれた蝶の弾幕、そしてレーザーは・・・。

彼女を包み込み、大爆発を引き起こした。



咲「ぐっ・・・!なんて、こと・・・!」

幽「・・・『反魂蝶』、3つ目の効果。

『西行妖』が冥界に5枚存在し、場に『西行妖』が存在する場合・・・私はこのゲームに勝利する」

魔「・・・くそ・・・本当に・・・本当に・・・!?」





――負けたと思ってるの?この私が。





魔「・・・!!」



爆風が去ると・・・そこにはしっかりと立っていた。

そう、博麗の巫女が・・・。



幽「・・・ふふ、面白いわねぇ・・・本当に・・・」



霊夢 L4 D10 H1 SN8 CC6


幽々子 L19 D14 H1 AN2 SN8 CC2





次回、ついに決着!スペルが放たれたにも関わらず霊夢が生き残った理由とは・・・?