5月がくると、高校の教科書にあった北原白秋の「桐の花とカステラ」のエッセイを思い出します。
「・・・・5月がきて東京のレストランの階上に爽やかな夏帽子の薄青い麦わらの匂いのしみわたる頃・・・」
そうして、若い客人のまえに食卓の上の薄いフラスコの水にちらつく桐の花の薄紫色とその暖かみのある黄色さとがよく調和して、晩春と初夏とのやわらかい気息のアレンジメントをしみじみと感ぜしめる。」
こんな文章でしたが、東京のレストランとか、青い麦わら帽子とか、カステラとかお洒落でモダンでわくわくしたのを覚えています。
もうひとつ、5月といえば佐藤春夫の「紀の国の5月半ばは椎の木のくらき下かげ・・・・野うばらの花のひとむれ 人知れず白く咲くなり」で始まる「ためいき」という詩です。
この詩で私は紀の国こと和歌山に想いを寄せるようになりました。 国中にあまたある温泉地で白浜が気に入りです。
二階議員の出身地でもあり、先日地方議員の集まりのあと恥ずべき余興を行ったことで名を売った和歌山県です。
この詩とはおよそかけ離れたお国柄になりました。
5月1日、労働者の祭典メーデーの思い出があります。
五月晴れの空の下、シュプレヒコールと合唱で都大路を行進しました。
軽く汗ぱんで、ビール🍺で、のどをうるおし食事会で楽しい楽しいひとときを過ごしました。
先日、京都駅から自宅に帰るのに、気分を変えていつもの市バスをやめて京都バスに乗りました。
京都市の西方面を大まわりして嵐山に向かいます。乗車時間もかなりののもので観光バスの気分でいつもと違う車窓の風景に見入っていました。
バスが嵐山に近づくと鮮やかな新緑の山々が目の前に迫り、桂川の流れがキラキラと輝いていました。
夕暮れ時で観光客も少なく、いつもは渋滞で四苦八苦の運行もその日のバス🚌はゆうゆうと渡月橋を渡っていきました。
半世紀以上もこの地に暮らして見慣れているのに、なぜかこの日の嵐山は初めて見る景色に思えたのです。
鮮やかな新緑の魔法にかかったようでした。
30年前、イタリア🇮🇹を旅した時に、ローマ空港✈️で、上品な高齢のご夫婦に声をかけられました。
「ar e you Chinese?」
私は「I am Japanes」と答えました。
そのご夫婦は京都嵐山を訪ねたことがあったとのことで
「Arashiyama is very beautiful. place 」 とおっしゃいました。
異国の地に私の住んでいる嵐山を知っている外国の方に会えるとはちょっと嬉しい出来事でした。
私の庭も5月の風景です。
青や白、濃い紫薄紫と、とりどりの色の楽しめるデルニヒュームが好きで毎年植えているのですが、今年は近くにジギタリスを植えました。
English Gardenでは定番のジギタリスが加わって、Wild Gardenが一角だけイギリス🇬🇧になりました。
タネを播いて育てたオルレアホワイトレースの花も今年は次々と花を咲かせて庭を爽やかに彩っています。
読んで頂きありがとうございました。