(前記事のつづきです)


昨日、無事1213日の湯治のひとり旅から帰ってきました。実に内容の濃い時間を過ごす事ができました


湯治35日目に湯治疲れが出ました。それ以降は身体が重くなり時もあれば、ふと軽くなったり。基本的に常に眠かったです。7日目からは免疫力があがるとされ、確かに体が元気になっていく感じがしました。個人差もあるようですが、好転反応として、610日目頃位に、体の悪いところに赤い発疹が出てくるそうで(時間が経てば自然に消える)、私の場合は、左足にポツポツ出てきましたが(何故足なのかは不明)、帰る頃にはきれいさっぱり消えてました


湯治相談室に看護師さんが常駐しており、そこで頂いたアドバイスや何十年も通ってる達人からのアドバイスを元に、自分のコンディションに合わせて、それをカスタマイズし、スタンダードな形ができていきました



具体的にいうと、1日の流れはこんな感じです


4時~5 起床 


◯温浴 源泉50% 20 x 12 (源泉100%5分入ったのと同じ効能が得られる) 


7 朝食 (がっつり食べないと体力が持ちません)


一例 (バイキング形式)


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◯ラジウム浴 (鳥居の下) 線量に合わせて30分~1時間 


地熱の熱さはないですが、影がなく直射日光が強いので、帽子や日傘は必須アイテムです


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毎日、ピンポイントで強く出てる箇所が変わったりするそうで、4マイクロシーベルト超えると、30分程度に留めた方がいいとのこと(長くやるとめまいや疲れが出る為) 日によって、特に雨上がり後は、線量が倍近く上がります。一度、7マイクロシーベルト出てるところに40分いたら、体が重くなりました。因みにテント内は、0.1マイクロシーベルト程度です


(参考)

1シーベルト=1,000ミリシーベルト=1,000,000マイクロシーベルト /1ミリシーベルト=1,000マイクロシーベルト


人が1年間に浴びる放射線量の基準は1ミリシーベルト(自然被ばく量の世界平均は年間2.4ミリシーベルト程度)


◯休憩後 昼食 


◯天然岩盤浴 (40分~1時間)。テントは空気が悪い為(悪い気がこもりやすい)、いくつかいいスポットを達人に教えてもらいました 


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(保温シートをかぶって、サウナ状態にするのが◎)


◯休憩後、温浴 源泉50% 30


◯休憩後、室内岩盤浴 40 


◯休憩後、17時に夕飯


一例 (バイキング形式)


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(メインは肉、魚かを選べます)


◯休憩後、温浴 源泉50% 30 


21 就寝 (くたくたです) 


これをスタンダードとし、疲れが出てきたら、岩盤浴の回数を減らしたりして、調整し、自分の体調に合わせて、やっていきました。体を休ませるのも治療のうちとの事で、何度も休憩する事も大切にしました。源泉100%5分入るだけでも、相当なカロリー消費らしく、3食じゃ足りないくらいで、食事はしっかり食べて、挑みました


源泉100%の酸性度は強力で、5分で大腸菌を死滅させるそうです。水圧もすごく、心臓に負担がかかるため、うまくやらないと逆効果になり兼ねないので要注意です(中学生以下は入らないようアドバイスされてます) 私は途中から、50%の方に長く入る事にしました


まさに、自然の温熱療法と放射線治療を毎日受けてるような感覚でした


ほぼ宿泊客は病気を患っており、生きるか死ぬかの瀬戸際で、ある意味「ここにかける」という思いで、抗がん剤でダメージを受けた体に鞭打って、腹水が溜まった体を必死で動かしながら来てる方も少なくありませんでした。みんな「治す」という信念を持って、時に励ましあいながら、毎日を真剣に過ごしてる、という感じがしました


初心者の私に、皆さん親切に色々教えて頂き、充実した時間を過ごすことができました


初日に出会ったご婦人は、旦那様と友人との3人でいらっしゃってて、もう10年静岡から通ってるとのこと。ラジウムが強いスポットを教えてくれたり、アドバイスを頂きました。部屋に遊びにおいでと招いてくれたり、差し入れを部屋まで届けてくれたり、帰る日に便利グッズを使ってねといって置いていってくれたり、人情味溢れる方々でした。連絡先を交換し、「また来年来るからタイミング合えば、一緒に行きましょう」とお誘い頂きました


85歳のおばあちゃん(作家さんでした)はパーキンソン病で、お孫さんに付き添ってもらいいらっしゃってました。最終日は調子が良くなったとおっしゃってました


お風呂で一緒になった別のご婦人、なんと今回121回目の滞在だそうで、1回に10泊の滞在としても、1210日という数字、すごいです。。。40代に乳がんになり、手術しないで毎月湯治にきて治されたそうです。「入り過ぎて、胸の谷間の上の方が陥没したの」といって、私に見せてくれたのですが、ほんとにくぼんでました。現在60代のこのご婦人の肌艶が半端なく、パールのように光ってて、とても60代には見えませんでした


まだまだ達人との出会いは続きます。こんなにすごい人、一生のうちに会えるものではないと思うくらいすごい人。40代に乳がんになり、60代になってもなお、悪性度が強く半年に1回検診が受けてるというご婦人は18年この温泉に年2回のペースで来てるそうです。26歳で開業し、傍ら、舞台にも立たれており、詳しく書くと個人名が特定できてしまうので、そこまでにとどめますが、新聞にも載るくらいの方で、それもさることながら、5足くらいのわらじを履き、実母と義理母の介護をしながら、家事もこなし、多忙な旦那様のサポートもして、毎日寝るのは深夜2時、聞いてるだけで目が回ってきました。パワフルで、バイタリティ溢れる方でした。すごい方なのに高飛車でもなく、サバサバしてて、素敵な方、憧れます。年齢や病気を言い訳にせず、やるべき事はやり、好きな事もやる


その方が「自分の生き様を娘達にみせて、娘達が将来万一病気になった時のお手本になりたい」という言葉がとても印象的でした。意思が強く、信念をもって、全ての事に全力投球しながら、時々ひとりで湯治や海外旅行してリセットする。かっこいい方です


その方は田沢湖駅からレンタカーで来ていて、岩手県の県境にある秘湯(まだ雪が残ってました)や乳頭温泉に連れていってくれ、ほんとに良くして頂きました。最終日は便利グッズや、綺麗な染物のティッシュケースまでプレゼント頂き、感激でした


最初は気合いが入り、闘いの一直線でしたが、人の優しさと温かさに触れた人間味溢れるプライスレスな旅となりました。心から感謝です


そして、大自然のエネルギーを近くに感じ、改めて、私たちは自然の一部なのだと強く感じました


とても神秘的な場所でした








明日は予定通りダイナミックCT検査を受け、細かい事も含め、手術ができるか否かの判断がされます(できたとしても根治は不可で減量手術となる)。本心は手術は避けたいんですけどね。。。結構際どい場所まで腫瘍が広がっており、もうすぐ生命の危機にも関わってくるようなので、よく考えて、命の選択をしようと思います


今日は、2日遅れの結婚記念日のお祝いのディナーに主人と出かけました (主人も昨日、出張から帰ってきました) 美味しい和食を食べて、幸せなひと時、免疫力も上がったに違いない、そう思います 


明日は頑張ろう!



私が今回滞在した宿 → 玉川温泉 (本家)

エレベーターがないのが残念ですが、岩盤浴へは徒歩5分とアクセスは◎



もうひとつの宿で、新玉川温泉 もあります。こちらは、いわゆる一般的な温泉宿に近く、エレベーターもあります。ただ、岩盤浴まで徒歩15分と少し不便。あと温泉の濃度が薄いと、数名の常連客がおっしゃってました。本気度でいうと本家の方が上です



※ 色々な方々とお話しさせて頂き、余命宣告を受けた多くの方が、この玉川温泉で病を克服されたという話を聞く一方、全く効かなかった、やり過ぎて逆に体調悪くされた方もいらっしゃると聞きました。何でもそうですが、ひとくくりに〇〇がんと言っても、個人差があり、合う合わないはありますよね。私の場合、好転反応なのか単なる不調なのか見極めが難しかったですが、明日の検査結果もひとつの判断材料になるかなと思います