先日、同じ病気で闘病されていた元プロダンサーの吉野ゆりえさんが、48歳の若さでお亡くなりになられた事を知りました。ショックでした。数年前、Yahooニュースの記事で、11年間の闘病生活の中で19回の手術を受け、闘病しながらも、精力的にがんの啓発活動に取り組んでいらっしゃったり、学校で「命の授業」をされたり、使命感溢れる方で、とても勇気付けられました。私と同じ九州出身(吉野さんは大分県で、私は長崎)で、社交ダンスの大会でも活躍されていたそうで、競技に出ていた私の友人も知っていました。ウッチャンナンチャンの番組で、芸能人社交ダンス部の講師もされてました。去年は10年生存をお祝いされたばかりでした



「私のこの病気を通して果たせる使命ってなんだろう?」と自問自答していた時期がありました。この病気は稀な病気で症例も少なく、生存率も低いようで、私がその症例のひとつになりたいと小さいながら、いくつかある目標のうちのひとつにしています。この病気は治るものだと、希望と言っては大それてますが、同じ病気の方、がん患者の方々に参考にして貰える日がくるといいなと思っています



私は2011年12月に一回目の手術を行ったので、今年12月で、5年生存を迎えます

27x24センチの腫瘍を摘出し、膵臓の尾部を切除、脾臓を摘出。術後は痛み止めにモルヒネを投与するも、すぐ効かなくなり、地獄のような痛みでした。薬の副作用で、大量の蟻がたくさん壁を歩いていたり、小さいおじさんが私の手にやってきたり、幻覚が見えました。2度目の手術では、左の腎臓を失いました。その後も再発し、4年間で4度の手術をすることとなってしまいました

その後、体力は衰え、疲れやすい体になり、思うように体がついてこない事は日常茶飯事。手術のダメージは、本当に大きかったんだと痛感します

2015年3月、最後に受けた4度目の手術の後、私は決めました。「また再発したとしても、もう手術は受けたくない」と。今思うと自分の頭や心というより、私の体の叫びだったんだと思います。この病気は寛解という事がないそうですが、今年2月に再発し、自分なりに勉強し、がん治療において、西洋医学では限界がある事を知り、ベストな治療を見つけるべく、現在もなお模索中ではありますが、方向性は見え、出口の見えなかったトンネルに一筋の光りが差し込んできました

がんを治そうというより、がんでいる必要がない心と体にしていきたい、毎日元気に過ごせるのであれば、喜んでがんと共存していきたいです。がんは生命を維持する為に毒が全身に広がらないようかき集めて塊にして、がんはがんなりに頑張ってますから、むしろ感謝です



5年生存達成でもあり、私の誕生日月でもある12月に向けて、引き続き地道に一歩一歩心と体に向き合っていこうと思います

そして、毎日を大切に過ごしていきたい

私は毎朝、約2年半前にがんで亡くなった高校の同級生の事を想います。今日という日は、彼女が生きたかったであろう一日でもある、そう思うと、とても貴重な一日に変わります