1862年のことだ

フランスのシャルルという聖職者が、マドリードにある王立歴史図書館で『ユカタン事物記』という書物を発見したんだぜ

その書物にはマヤ文明が使っていたマヤ文字をスペイン語へ翻訳する手法が記されていたんだ

マヤ文明?

メキシコの南東部で栄えた文明だ。この文明が用いていたからマヤ文字だな

フランスではマヤ文字を訳すための手法を記した書物がほとんど残っていなかった。だからマヤ文字の解読は不可能だとされていたんだ

大発見ね!

だからシャルルはこの書物を発見すると、すぐに様々なマヤ文字で書かれた書物の翻訳を始めたんだ

そのうちの一つ『トロアノ絵文書』に「ムー」と呼ばれる大陸が存在したが、大災害によって滅んだと書かれていた

これがムー大陸の起源だ

シャルルはこの内容をすぐに世間に公表したんだが、残念だが当時はあまり相手にされず、大きな話題にはならなかった

だが1882年、アメリカ合衆国の政治家イグネイシャスが自身の著書『アトランティス - 大洪水前の世界』の中で、シャルルによるトロアノ絵文書の解読を新大陸の文明がアトランティス文明の末裔であることの重要な証拠として引用した

これにより、一躍ムー大陸が有名になったんだ

これを機に様々な専門家や調査機関が調査を始めたんだが、ムー大陸が存在した証拠や場所などが特定できるものはなかなか見つからない

そうこうしているうちに数十年が経ってしまった

もう忘れられてしまいそうね…

しかし1920年代になって事態は大きく変わる

ムー大陸について詳細な内容を語る人物が現れたんだ

英国陸軍で大佐をしていたアメリカ合衆国の作家、ジェームズ・チャーチワードだ

彼は1926年出版の『失われたムー大陸』等の一連の著作で、ムー大陸の環境や文化について書き記した

かつて太平洋の中央部に、東西7,000キロメートル、南北5,000キロメートルにも渡る巨大なムー大陸があった

大陸に住んでいた人口はおよそ6,000万人にのぼる

首都ヒラニプラにある王宮には、太陽神の化身である帝王ラ・ムーが君臨し、政治や行政、宗教に至るまでのすべてを統治

全文明を支配できるほどの高度な学問と文化、建築、航海の術を持っていた。白人が支配者である超古代文明が繁栄していた

しかしそれが神の怒りを買った。約12千年前に巨大地震が発生し、大陸中の火山が噴火し、さらに大津波が押し寄せて、ムー大陸は一夜にして海底に沈没した

かなり詳細ね! でもどうして彼はそんなことを知っていたのかしら?

彼は1868年にインドに従軍した際、現地のヒンドゥー教寺院の高僧に寺院の門外不出の粘土板「ナーカル碑文」を見せてもらったんだ

それには、ムー大陸の記録が事細かに絵文字で彫られていたんだぜ

その衝撃的な内容を彼は長年公表しなかった訳だが、時代が変わると次第に様々な場所でムー大陸の話を耳にするようになった

だから自身が見た全てを公表しようと思い直したんだ

そしてこのチャーチワードが出版した本は瞬く間に全世界に知れ渡った

これをきっかけに日本でもムー大陸の話題は広く知られるようになったわけだ

ムー大陸が有名になった経緯はざっくりこんな感じだな

なるほど。最初にフランスで発見されたのが1862年だから、60年以上をかけてやっと名前が知られるようになったのね!

ああ。だがこの一連の流れには裏があったんだ



裏?

ムー大陸が有名になってから、チャーチワードの身元や追いたちなどが詳しく調べられたんだ

その結果なんと、チャーチワードは軍に属していた記録はなかった

え、大佐って言ってなかった!?

真っ赤な嘘だったぜ。あと、インドの寺院で「ナーカル碑文」を見せてもらったという話だが

チャーチワードはそもそもインドに行ったことすらないということが明らかになったんだ

嘘まみれじゃない!? じゃあ、それってつまり…

ああ。チャーチワードが出版した本の内容は全てチャーチワードの作り話だったんだ

じゃあチャーチワードが主張していた部分は全て信用できないわけね

加えて、ムー大陸が最初に語られた『トロアノ絵文書』に関してなんだが

シャルルによる翻訳は全く違っていたんだ

ええ!!

マヤ文字は高度な文字で、翻訳はかなり難しかった

シャルル自身は正しく翻訳したつもりでだったんだが、内容が全く違っていたということが判明したんだ

ムーと呼ばれる大陸の存在も、それが大災害によって滅んだという内容も、今となってはほとんどが誤訳だったと判明しているんだ

じゃあ、ムー大陸の起源に関わるものは全てなんの根拠もなくなってしまったのね…

そういうことだな。さらにチャーチワードが語ったムー大陸は太平洋の真ん中に存在していたという部分も否定された

現代の科学技術で調査を行った限り、太平洋一体の海底は数千年前からずっと海だったということも明らかになったんだぜ

つまりムー大陸の話の出所は詳しく調べられた結果、誤りであった部分がほとんど

その上現代では科学的に否定されているというわけだ

しかしムー大陸や、海に沈んだ古代文明の存在を信じる者は多い

今回は世界中に存在するムー大陸や古代文明の痕跡ではないかとされているものを幾つか紹介していくぜ


見出し『世界に残るムー大陸の痕跡』

 

アメリカとフランスの調査チームがバミューダトライアングルの海底をソナーにより調査した際の話だ

バミューダトライアングルってなんだったかしら?

フロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海のことだな。魔の海域とも呼ばれるぜ

古くより船や飛行機、もしくは乗員だけが跡かたもなく消える事故が多発している

科学的に解明できないことが多く、オカルトや超常現象のネタとしては定番になっているな

そのバミューダトライアングルの海底であるものが見つかったんだ

あるもの?

ピラミッドだ

え!?

水深700メートル地点の海底深くに、水晶を模したような質感のピラミッドが発見されたんだ

クリスタルピラミッドと表現されることもあるな

水晶のようなピラミッドって神秘的ね

でも広い海底の中で見つかるってことは、大きさもそれなりにあるのかしら?

それなりなんてもんじゃないな

このピラミッドは底辺300メートルで高さは200メートル

エジプトのクフ王のピラミッドより大きいぜ

でっか!!

調査チームはこれは元々地上にあった建造物ではないかと見てさらに詳しい調査をしたんだ

わざわざ海底にそんなものをつくるのはまず不可能だしな

無人の潜水艇をその場所に向かわせ、辺り一体を3D映像化した

するとやはりその場所にはピラミッドのような形をした物体が確認できた

更には、ソナーではわからなかったんだが周辺の海底には機科学的な模様も確認できたんだ

しかしこれらが人工物なのか自然にできたものなのか

現状はまだわからないで調査は一旦終了しているんだぜ

メディアや雑誌でも上げられてたんだが、インタビューに答えた調査団の

リーダーは

現時点でこれを古代文明の痕跡と断定することはできないと答えた

また無人探査機による3D観測では、60%程度しか映し出せていないらしい

詳細が分かれば、形状は完全なピラミッド状ではない可能性もある

人工物じゃないこともあり得るの?

科学者による仮説の一つに、メタンガスによるものだという説がある

ガスでピラミッドが?

周辺の海底からメタンガスが吹き出して、それが海底を下から持ち上げた結果ピラミッド状になったのではないかってことだ

なるほど。海中のピラミッドの続報が気になるわね

そうだな。でも実は海の中のピラミッドはこれだけじゃないんだ

え!?ほかにもあるの?

まだまだあるんだぜ

さて、じゃあまずはこれを見てくれ

ん?。グーグルアース?

これはメキシコなんだが、グーグルアースに三角形のものが見える

ほんとね

上からだと小さな三角にしか見えないが、これを上下からも見た結果驚きの事実がわかった

これはおよそ横幅5500メートルの超巨大なピラミッドだったんだ!

ちなみに高さはおおよそ1000メートルだ

山じゃないそんなの

世界一の高さの建造物であるドバイのブルジュ・ハリファでも828メートルだからな

現在人間が持っている技術をもってしても5500メートルもの建造物を、それも海中に作るのは無理だぜ

一体誰が何の目的でこんなものを

それに関係しているとされているものがある

UFO

え、なんの関係が?

まず、メキシコではUFOの目撃が非常に多いんだ

ああ、なんか聞いたことあるわ

テレビの衝撃映像みたいな番組でも、メキシコ多いわよね

活火山のポポカテペトル山付近では特に目撃例が多く、UFOの聖地とされ訪れる人も多い

先住民の聖地として有名な観光地であるペニャレベルナルや、世界遺産のテオティワカン遺跡などでも UFOの目撃情報は絶えないんだ

そうした背景もあって、実際にこの海中ピラミッドを最初に発見した人は、これを海中に停泊している UFOではと予想したんだ

んー、確かに写真を見ると、三角形ではあるけど少し飛行機のように見えないこともないかしら

アルゼンチン沖では伝説の生き物であるクラーケンらしき物体も見つかったりと、この周辺の海はオカルト的な話題が多い

もしかしたら海中ピラミッドも、宇宙や古代伝説に関わりのある場所なのかもしれないぜ

人類は海について、その15%ほどしか理解していないと言われている

85%も残ってるなら、何かとんでもない発見がありそうね

じゃあ次はピラミッド以外も紹介しておこう

お、何かしら

お次はバルト海だ

これは発見当初日本でも報道されてたし、知ってる人も多いかもな

そうなの?

2011年、スウェーデンのトレジャーハンターチームがバルト海の海底で奇妙なものを発見したんだ

直径61m、高さ8メートルの巨大な円盤だぜ

表面は複雑な形状をしていて、明らかに自然にできたものには見えない

そこでチームは海底に探査機を送り詳細な調査を試みたんだ

そしてした円盤の表面を削り取った

すると酸化鉄や新鉄鋼が含まれているということが分かったんだぜ

これらの物質は自然界で、しかもその大きさで発生するとは考えづらい

つまり、この円盤は人工物であるということが判明したんだ

そして奇妙なことに、この円盤の周囲200メートル以内では、電子機器などが異常な動作をしたんだ

さらに言うと、円盤の後方には引きずったような跡が確認されているぜ

海底を引きずられたのか、それとも海底を這ってその場所まで移動してきたのか

その後、この円盤から採取したデータを様々な研究機関に提供したんだ

正体を突き止めようとしたんだが、いまだに不明なんだ

円盤の正体も、これがどこから来たのかもまるでわかっていないぜ

不思議すぎるわね

あまりにも不可解だから、海底に沈んだ文明の遺産ではないかという説もある

確かにしっくりくるわね

遺産どころか、海の底に沈んだムー大陸の文明が今も使用している乗り物ではないかとまで言われているんだ

山の中で見かける乗り捨てられた車みたいな感じなのね

他にもドイツが使用していた潜水艇ではないかという説や、地球外からやってきたものだという意見もある

なんというか、謎過ぎて好き勝手言われてるのね

早く全貌が判明してほしいが、いかんせん幅60メートルもある金属の塊だからな

その大きさや得体の知れなさから、まだ引き上げは行われおらず正体はまだ不明だ

なんとかして引き上げるか、それが無理でも海中で調査が進展してほしいわね