2025.09.19@Copenhagen🇩🇰


夏が北欧の地をあとにして、秋が慎ましげに挨拶を告げるこの時期、大地を撫でるように流れゆく九月の風と共に、草木は穂先から衣替えを始めている。




夕方ごろ、爽やかなうたた寝から目覚めると関口氏がいなくなっている。

彼は日本にいる恋人に電話をかける時にはいつも決まって、僕の前から姿を消す。いくら腐れ縁フレンズであっても、恥じらいやむずがゆさを感じてしまうのだろう。


そして、その時にはいつも決まって、僕は一抹の寂しさを覚える。



誰かが誰かを愛する夜、誰かが誰かを認めた夜、僕はまた一人に戻り、そしてどうしようもなく僕はひとりぽっちなのだと感じてしまう。(これは僕が好きなラッパーの受け売りだ。)



海でも見に行こう、と僕は一人歩き出す。

戻る頃には関口氏も電話を終えているはずだ。



寒々しいバルト海の向こうへ沈みゆく太陽が、空を黄昏色から橙、そして藤色へと染めている。



今日という日を終える前にやり残したことでもあるのだろうか、海鳥が静かな波の上を独り滑ってゆく。



「お前は俺みたいやな、ハハッ」

とセンチメンタルに呟いた刹那、しかし、彼の後ろにもう一羽、つがいの片割れがいることに気が付いた僕は

「お、お前もか…」と思わず海鳥にすら嫉妬の一言を発してしまう。


ここまで来たら人間いよいよやな、と思わず込み上げる笑みに僕はむしろ楽しくなって、空に大きくOKマークを掲げるのだった。