2025.08.01@Windhoek🇳🇦→Cape Town🇿🇦


まったく一人旅というのは実に素晴らしい。


という事実を最も強く実感するのは、他でもない旅先で出会った人々との別れの瞬間かもしれない。


いやなにも、63歳のオジとの晩酌に付き合わされるのに疲れたとか、素敵な女性の涙に尻拭き紙を差し出してしまう自分に嫌気が差していたとか、そういうわけではない。




毎度毎度、旅先で出会う人々というのは魅力的な人間ばかりで、僕に新たな視点や旅の喜び(もっと言えば人生の喜び)を教えてくれる。


そんな彼ら、彼女らとの別れは言いようもなく辛く悲しいものなのだが、(オジ、姉御、ハナちゃんが乗り込んだタクシーを僕は豆粒になるまで見届けていた。)また、次に出会う人々だって同じくらい素晴らしい人に違いないと思える瞬間でもあるのだ。


恋人や友人と一緒に旅をしていては、外部の人間との繋がりはどうしたって希薄になってしまうし、この一期一会の連続というのは一人旅だからこそ得られるものに違いない。



「また絶対日本で会いましょう。」

と僕ら四人は言い合った。


姉御とハナちゃんの真意は分からない。

(オジは、一人寂しく福岡で暇を弄んでいるオジは、間違いなく本意気で言っていた。)


けれども、少なくとも僕は「行けたら行く」と言ったら、行けたら行く人間だし、「また絶対会いましょう」と言ったら、また絶対会ってやる人間であるからして、日本に帰ったあかつきには、「まさか本当にまた会うことになるとは…」と彼女らに呆れ顔をさせてやるのだと誓うのだった。




(そして、そこには満面の笑みを浮かべたオジがいる。)