空襲被害者の全国組織結成の動き | 橘 白扇 のひとりごと

空襲被害者の全国組織結成の動き

全国の空襲被害者が、救済のための立法を目指す全国組織の結成を


図っている。


東京大空襲の遺族らによる2007年の賠償請求は2009年12月


東京地裁によって退けられた。


しかしこの判決で東京地裁が


「戦争被害者救済は立法を通じて解決すべきだ」としたため、


組織作りの端緒となったようである。


原爆を除く全国の空襲による死者は約11万5100人とされる。


上記裁判の提訴額は一人当たり1千100万円。


単純に掛け算すると1兆1620億円。


立法によってこれだけの金額が国家による賠償として支払われる


ことになれば、


その財政的な裏づけ゛どうすることになるのか。


国家の資金は、自ら稼ぎ出すものではなく、税金か国債という名の


借金しかない。


敢えて言えば65年もまえの被害の救済のため、この苦しい経済情勢下


にある国民に、更なる税負担を求めてまで、賠償を求めようというのは、


利己的な主張ではないか。


空襲にあっても生き残り、戦後苦労を重ねて現在に至る多くの国民が、


空襲による死者の遺族のほかにどれほどいるのか。


見方をかえれば、65歳以上の国民は全て戦争による被害を多かれ


少なかれ受けている。


しかし、65年後の現在、立法によってまで救済しなければならない


状況にあるのは、原爆による後遺症で働くこともできず、治療を要する


ひとびとを除いて、ほとんど存在しないのではないか。


現在の経済状況下、就職できない大学生、高校生。卒業するための


学資がはらえない親、健康保険料すら払えず子供が医者に行けない


状態。


国家が手を差し伸べなければならない喫緊の案件はいくらでもる。