社会保険庁とは
社会保険庁は7月1日にサンプル調査の結果を公表した。
しかし、公表されたのは、記録漏れなどで生じた無年金者が推計
約3万人と言う点であり、記録上問題がないのに本人の申請忘れ
など何らかの事情で無年金の人がこれまた約3万人いることを
公表しなかった。
マスコミはこの公表しなかったことを責める記事を掲載している。
しかし、発表したとかとないとかより、もっと大事な問題があるのでは
ないだろうか。
年金問題が明らかになったのは2年前の2007年5月だったはずである。
それから2年、一体社会保険庁は何をしていたのかということである。
7月1日に発表されたサンプル調査は、今後保険料を納めても納付期間
が受給資格の25年に満たない60歳(07年4月現在)以上の無年金者
73万人から1628人を抽出して実施したものだそうだ。回答者685名、
4.6%の32人が記録漏れなどによる無年金者。
実際の調査は、国民年金と厚生年金のコンピューター記録上で年金を
受け取っていない60歳以上の149万人から4044人を無作為抽出して
調査していたと言う。
2年もまえから問題となっていた事案の全体を調査しなければならない
社会保険庁が僅か4044人だけしか調査出来ないとは、いったいどういう
ことなのか。
サンプル調査の結果全体の数字を出すのが仕事ではないはずである。
0.27%しか調査していないということではないか。
2年で0.27%なら全部を調査、解決するためには368年かかることになる。
こんな悠長な作業速度こそ、非難すべき第一の問題ではないか。
年金は当然ながら、受領者は高齢者である。寿命が先か、解決が先か、
のんびりしていて良いはずはない。
社会保険庁のこの様子を見ていれば若者が、年金制度に懐疑的なことの
方が賢明だと思えてくる。